校門の外れまで歩き、ようやく紙袋を亮の友人に渡すことができた。
肩から大きく息を吐いた咲の腕は、すでにじんわりと疲れていた。
「妹ちゃん、大丈夫か? 腕、赤くなってるぞ」
悠真が咲の手首に目をやり、心配そうに眉を寄せる。
「えっ……あ、はい。大丈夫です」
慌てて隠そうとするが、見られた瞬間にはもう頬まで熱くなっていた。
「無理すんなよ。亮に言っとくから、次は俺ひとりで来る」
さらりとそう言って笑う悠真の横顔に、また胸が高鳴る。
――優しさが、重くて、うれしい。
咲は黙って頷くだけで精一杯だった。