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42 - 第3章 気づきたくない気持ち 第42話

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2025年08月29日

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校門の外れまで歩き、ようやく紙袋を亮の友人に渡すことができた。

肩から大きく息を吐いた咲の腕は、すでにじんわりと疲れていた。


「妹ちゃん、大丈夫か? 腕、赤くなってるぞ」

悠真が咲の手首に目をやり、心配そうに眉を寄せる。


「えっ……あ、はい。大丈夫です」

慌てて隠そうとするが、見られた瞬間にはもう頬まで熱くなっていた。


「無理すんなよ。亮に言っとくから、次は俺ひとりで来る」

さらりとそう言って笑う悠真の横顔に、また胸が高鳴る。


――優しさが、重くて、うれしい。

咲は黙って頷くだけで精一杯だった。

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