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⚠竜春
⚠蘭春
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俺と春千夜は夜を共にした事もあるしお互い名前で呼び合う程の仲だ。
春「な〜竜胆…。」
竜「ん…どうした?」
春「いや…竜胆って好きな奴居んの…?」
春千夜は初めて会った時から優しくて…人気者で…。そんな春千夜が俺は大好きだった。
竜「居るけど…。」
春「…誰だよ、?」
その横顔も…綺麗な少し伏せている目も…それを守るように長いまつ毛も…、全てが愛おしく感じてしまって…。
メールが来るだけで浮かれて
話し掛けてくれる事が幸せで。
「竜胆」と俺の名前を呼ぶ声が聞きたくて。
…人気者のお前だから、俺1人に構ってくれる時間は少ない。
…俺…最低だから…クズだから…俺1人にいっぱい構って欲しくて。
俺に嫉妬して欲しくて。
嫉妬させようと他の奴と仲良くして、匂わせして。
人気者のお前と関われる事が当たり前だと…、お前が俺に嫉妬してくれると自己中みたいに勝手に思い込んで。
竜「…言わねぇとダメ?」
春「…おう。気になるし…。」
困らせて、迷惑かけて。
でもお前は優しいから。
俺がどんなに構ってアピールしても、文句のひとつ言わずに構ってくれた。
竜「春千夜…だけど…なんか文句あんの?」
なんてダッセェ告白して。、照れ隠しで「なんか文句あんの?」なんて言葉使って。
春「…別に…文句ねぇよ、」
その白い肌がほんのりとピンクに染まっていて、少しだけ期待してしまった俺がいた。
竜「…そう言う春千夜はどうなんだよ。」
すぐ調子乗って…。
春「まぁ…一応好き…だぜ…?」
語尾に向けて少しずつ小さくなっていくその声に、また胸が締め付けられて。甘く…甘く…溶けてくように苦しくなって、好きが積もっていく。
竜「一応って何だよ…w」
ノリで言っただけなんだ。今更後悔しても遅いって分かってるけど…それでも…
春「…だって…俺…」
「恋人居るし…。」
……知ってたんだ。初めから。春千夜は…俺の兄貴の彼氏なんて事。
でも聞こえないフリしてた。自分が傷つくのは嫌だから。でもずっと…頭のどこかでは分かっていたのかもしれない。
俺は家に帰り風呂に入った。
体に当たる熱いお湯。
髪の毛を洗って…。体を洗って…。
竜「…………」
俺はしばらく頭からシャワーをかけて考えていた。
竜「分かってたんだよ…。そうだよな。アイツには兄貴が居るもんな…。そんな事分かってたはずなのに…」
竜「なんで…こんなに胸が痛いんだよ…」
先程までの…甘いような…そんな胸の痛みとは違う。
どこか切ないような胸の痛みがジワジワと俺の体を蝕んで…。
壊していく。
独り言を喋っていると…口の中に水が入ってきた。
口に入ってきたソレは…ぬるくて…どこかしょっぱい…。
シャワーがしょっぱい訳ねぇのは知ってるし、口に入ってきたナニかの正体を俺自身…分かっているけれど。
今それを言ってしまうと、本当に俺が壊れてしまうような気がして。
竜「好きになっちまったんだよ…仕方ねぇだろ…?なんで…なんでお前は…そんなに優しいんだよ…ずりぃよ…。お前がもっとクズだったら…なんて、すぐ俺は人のせいにしちまう…最低だよな。なんでこんな奴に…お前は優しくすんだよ…。」
竜「あの…優しいお前が…いつも脳内に現れて…どいてくれねぇんだ…。だから…今俺の頭の中もお前でいっぱいなんだよ…。退いてくれよ…。忘れらんねぇんだよ…。どれだけ突き放されても…どれだけ嫌われても…悪口言われたって…忘れられねぇんだ…。」
今はただ、口から溢れてくる止まらない…どこか震えてる声に思いを乗せて。シャワーと一緒に流してしまおう。
…俺の…最初から結末がわかっていた初恋もシャワーで流せたらどれだけ楽なのだろう。
来世があるなら…その時は兄貴よりも先にお前の気を引いてやる。好きにさせてやる。
じゃあな。” 三途 ”。