こっちも久しぶりに投稿しまーす
スタート
ここ…”ラクエン”に来てから早一か月。
生活には慣れて、何不自由ない生活を送っている。
でも…もう現実世界に返してくれよ…。
“ラクエン”のトップは一体何を考えているんだ?
”孤独”に襲われた人間を集めて見物する?嘲笑う?
なんのためにここ、”ラクエン”は生まれたのだろうか。
あれ…視界が歪んでいる。
今度こそ…今度こそ!!帰れる!!
喜びながら僕は意識を失った。
目が覚めるとそこは”ラクエン”。
”ラクエン”もどきかもしれないけど極端に言えば”ラクエン”だった。
「ラクエン…?まだラクエン…!?」
辺りを見回しても草原ばっかり。
そして、体に少し違和感がある。
身体の意識を取り戻すために触り始めたらとんでもないことに気づいてしまった。
「ぼ、僕…女ぁぁぁぁぁぁぁ!?」
胸!?え!?なに!?誰この身体は!!
僕はそう…童貞……エロガキと言ってもらっても構わない。
「す、少しくらいなら…?」
『だめよ!身体の持ち主が可哀想よ!』
『いいや、せっかく女になれたんだ!少しくらいはいいだろ!がっはっはっは!!』
僕の脳内の天使と悪魔が戦っている。
どっちも負けてくれ…。
「あーーーー!!!もう!!!どうにでもなれぇぇぇ!!」
結局…悪魔が勝ってしまったようだ。
「えー、また迷い子~?なんかかわいーじゃん」
「はへっ?」
「そんなに自分のおっぱい好きなんか?そうか、それはいいことよ~」
「いや、ちが……」
僕は男ですと言えるわけがない!!!
キモい又は一発ビンタ食らう又は信じてもらえないが筋だ。
「まあいいや~。ようこそ、”ラクエン”へ!」
「はあ…」
二度目です。なんですかこれ。
「アタシの名前は有希。よろしくな!お前は…友理奈か!」
友理奈…??
「友理奈!?僕の名前は……」
待て待て待て。僕は今は友理奈なんだよな…?
「はい、私は友理奈です」
「…? そうか!よろしくな!」
多分友理奈になってから1週間が経った。
もう、ダルい。
「友理奈、”ラクエン”についての話を聞きたいか?いずれは話さないといけないんだ…」
「”ラクエン”の…歴史……?」
「そうだ、歴史の方が合っているな」
「聞きたい!聞かせて!」
ここは、はるか昔。
”ラクエン”は死者が行きつくところと言われていた。
そして、”ラクエン”には死神と天使がいると言われており、死神が天使を人質にして目の前で人間を殺すということをしていた。
大きな鎌で心臓や脳をえぐり取られたり、毒薬を飲まされて死んだりと、殺し方は様々だったらしい。
そんなある日、また一人の人間が心臓をえぐり取られる時だった。
その人間が死神を殺した。
天使は助かり、人間に礼を言った。
『あなたの仲間は無様に殺されてきました。今この手で取り戻しましょう』
天使はそう言うと辺り一面を草原に変え、真ん中に建物を一つ、建設した。
そして人間の周りには今まで殺されてきた人間が生き返った。
『ここは死神が居た頃は地獄のように…”死者が来る場所”でした。しかし…これからはみんなが楽しく過ごせるような、人間にとっての”ラクエン”を作っていきましょう』
人間は喜んだ。
…つまり、”ラクエン”とは、「天国」だったのだ。
友理奈は死んでいる。有希も死んでいる。
…僕も、死んでいる。
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