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空中散歩を楽しんだ後、私達は山の中へとやってきた。
「はぁ…楽しかったぁ。ありがとうございます隊長。」
背中から降りると隊長は元の姿に戻って背中を押さえて顔をしかめていた。
「どうかしたんですか?」
「お前さっきよ、ぐーって背中握ってたろ?
いやー痛かったよいあれは。」
「えっ…!?ごめんなさい隊長…!
最初は落ちないようについ必死で…」
「へへ、冗談だよい。全然痛くなんかねェ。
楽しめたようで何よりだ。」
先ほどのしかめっ面とは打って変わって無邪気な笑顔を見せ、隊長は私の頭を撫でる。
さっきからからかわれてばっかだなぁもう……
「そういや腹はどうだ?減ってねェか?」
「あー…いっぱい楽しんだので減ってます。」
「そうか、じゃあ食おうぜ。ここの山はよ、面白ェ実があんだよい。
例えば……見ろ、あれりんごみてェな見た目してんだろ?
だが味が面白ェんだ。」
隊長が指を差した方角には
赤、青、黄色、茶色、のりんごの形をした果実が木に実っていた。
何だあれ、初めて見る果実だ……
「味が面白いっていうのは…?」
「食ってからのお楽しみだ。じゃあ…まずこの赤いのは普通のりんごだ。
赤食ったら青いの食ってみてくれよい?」
赤い果実と青い果実を取り、ハンカチで拭いてから差し出す隊長。
言われた通り赤い方から食べてみると、やはりシャキシャキとした食感の甘いりんごではある。
そして青い方を今度は食べてみると……
「……んん…!?」
何だこれ……りんごの見た目をしてるのにシュワシュワとした感じがする…
あれっ…この味って何か……
「サイダーみたいな味がする。」
「だろ?シュワっと弾けねェか?」
「ふふふ、シュワっとしたから喉がイーッてなりましたよ。
すごいですね面白い!じゃあ黄色と茶色は?」
あとの二つも気になり、手に取ってみる。
ポケットからハンカチを取り出し、拭いてからまずは黄色から食べてみると
「何かピリッとスパイスのような感じが……
あ、分かった!これカレーの味だ!」
そして茶色の方は
「あっ、甘い…でもちょっと苦味がある…
これチョコの味だ。」
面白い、こんな果実があるだなんて知らなかった。
「この実はこの山ならではの実なんだよい。
ちなみにだが、青と茶色は実はそれぞれ薬になったりもするんだ。」
「そうなんですか?」
「こいつらは煮込むと薬の成分になるんだよい。
青は毒消し、茶色は麻痺に効く。以前これを島民から分けてもらった事があってな、
おかげでいい薬を調合できたもんだよい。
こいつらは山に成ってることが多いんだと。」
「へぇすごい!美味しいだけじゃなくて薬にもなるだなんて。」
他にもこれ成ってないかな…
探してみたらもしかしたらたくさん成ってるところが見つかったりして?
「隊長、これ他にも探してみましょうよ?
あっ、もしかしてあそこら辺に成ってたりもするんじゃないですか?」
「お、おい待て危ねェぞ気を付けろ。」
いっぱい成ってるんじゃないかとワクワクして
走って向かおうとするのだが
「……っ、あれ…、っ…」
何だ……この感覚……
ときどき小石がジャリジャリと靴の裏に当たる山道なだけなのに、
何でこんな足が震えてるんだろう……?
「………え…」
あれ……何だか肩が重い……
背中が重い……
別に何も重たい荷物を持っているわけじゃないのに……
「いぶき、山道は気を付けた方が……
…………いぶき……?」
手足が震え、同時に恐怖が襲いかかってくる……
「はぁ…っ、はぁ……、」
「いぶき…!」
立っていられずその場にしゃがみ込んだ。
後ろに居たマルコ隊長は駆けつけて私の体を支えてくれる。
「どうした…?大丈夫か…?」
「大、……大丈…っ、大丈夫です隊……」
と、ふと目を向けた先には緑豊かな山々が見え、
見晴らしのいい景色が。
だが
「はぁ…、はぁ…っ、はぁ…!!」
その景色を見た途端、私は呼吸が苦しくなっていった……
#シリアス
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