第1話:「羽根との出会い」
放課後、彩音は帰り道に古い公園のベンチに座って羽根のようなペンダントを見つける。銀色で軽く、触るとほんのり温かい。
家に持ち帰り、鏡の前で羽根を触っていると、小さな声が響き出す。「こんにちは、彩音」──その声の主はティルリという羽根の精だった。
ティルリは、自分がこのペンダントに宿る精霊で、特別な魔力を持っていることを告げる。その「くすぐり魔法」は、人の心の本音をくすぐって言わせたり、隠れた思いを引き出したりできる力。
彩音は半信半疑ながらも、最初に小さな実験をする。友人・結にその力を冗談めかして使ってみて、結が自分でも気づいていなかった悩みをぽつりと口にしてしまう。彩音は驚きと責任を感じる。