若井に________
会いたい。
スマホを手に取りメッセージを送る。
『来て。家にいる』
送信ボタンを押してから、より寂しさが増した。
『今行く』とすぐに返事が来て、それだけで安心と嬉しさで泣きそうになる。
お願い、早く来て。
そうじゃないとこのまま息絶えてしまいそう。
自分の手を強く握って寂しさを紛らわす。
玄関の向こう側から聞き慣れた声が聞こえる。
「…元貴、開けて」
来てくれた。本当に来てくれた。
急いで玄関に向かい、ドアの鍵を開ける。
すぐにドアが開いて、必死そうな若井が出てきた。
「…元貴、大丈夫?…何かあった…?」
「若井…」
若井と目が合う。
真っ直ぐな瞳。
若井が僕を安心させるように目を細めて笑う。
その時、一気に力が抜けてしまったようだった。
安心したのか、我慢できなくなったのか分からないけど、涙が零れる。膝から崩れ落ちた。
「ぅ、う”…っ、ごめ、…っ泣いて…」
「泣いていいよ。全部受け止めるから。」
若井は言葉通り、僕を全てを受け止めるように、強く、優しく、抱き締めてくれた。
「ゎ”か…うぅ”…っ、また、…独り、な気がする…怖い」
「元貴…大丈夫、…大丈夫だよ」
若井は俺に何度「大丈夫」って言ってくれただろう。
若井にそう勇気付けられる度に、本当に大丈夫な気がしてくるのはなんでなんだろう。
「大丈夫」と言いながら僕の頭を支えるように撫でてくれる。
「ねぇ…あのさ、俺…
少しでも元貴を楽にさせてあげたい。」
あぁ、もう。
若井が好き。
気付いてしまった。
気付かないようにしてきたのに。
人を愛す事が、
どれだけ無責任で
勝手で
哀しくて
楽しくて
幸せなことか
知ってるのに。
「楽に……してよ。」
人を愛せば愛すほど、
深い深い孤独に堕ちている感覚になる。
自身の癒えていない傷を抱えたまま、
心から信用出来ていない人に抱かれても、
結局満たされることなんて無かったのに。
期待しない。したくない。
勝手に期待して、
相手が応えてくれなくて
僕が傷ついても、
全部僕のせい。
当たり前のように”大切にしてくれる”と
信じてた僕のせい。
増え続ける、心の痛々しい痕。
ひとつ癒えたと思ったらまたひとつ傷が増える。
他の人とベッドを濡らしている夜でも、
隣に誰かいても独りに感じてしまう時でも、
目を閉じて浮かぶのは若井だった。
何をしていても何時でも若井が頭の隅にいた。
僕のこの痕を心から受け入れて癒してくれるなら、
信じてみたいと思えた。
また傷付くかもしれない。
また独りを感じてしまうかもしれない。
でも若井ならどれだけ傷付けられてもいいって、
何されてもいいって、
そう思ってしまったから。
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なんかバグ??で第3話になってますが2話です^_^;
コメント
5件
ほんとにすきですこれ😿😿めちゃくちゃ引き込まれる😿😿😿
あぁ、、好き、、🤍