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俺は少し眠っていた。その間、新之丞はずっと俺の近くに居てくれた。
「起きましたか。ミノル」
「あぁ…新之丞、悪いな」
俺はすっと立ち上がって、新之丞にこう告げた
「俺、もとの世界に戻るわ。戻れるか知らねぇけど」
ははっと笑って新之丞の方は見れず、景色を眺めていた。
下を向くのは出来なかった
カッコ悪い自分を、見せるのが怖かったからだ。
「ミノル、ここは嫌ですか。」
「嫌じゃねぇよ、でも俺がここにおんのは違う気がするわ」
「どうやら俺は幸福なんか運ぶことが出来ない。お前が俺を利用しようとここに来たなら、俺はお前の願いを叶えることは出来ない」
「大切な人を幸せにする所か、むしろ不幸にしているんだ。それは自分でも分かった」
どんどん俺の言葉は、震えていった。気持ちが言葉になって
どんどん行っては行けない方に進んでいっている気がした
誰か、俺を止めてくれ
「ここは美しいです。ソナタが生きているのも含め、ここが美しいと思えるのです。誰か一人が欠けてしまったら、それはもう美しいと思えないのです 」
「わたくしはミノルに、幸せを運んで欲しいのではありません。ミノルは、幸せが運べない。それは違います」
「若さ故に、まだ幸せが何か分からないのです。一人では大きなものは運べません」
「無理ならばわたくしが手伝います。みんながミノルを否定するなら、わたくしはミノルのことを賛成します」
「ミノルは幸せになれます。わたく しと出逢えたならば」
「でしょう。わたくしの神様 それに、わたくしの守護神」
少し後ろを振り替えると、新之丞は笑って俺に手を差し伸べていた
俺みたいなバケモン、この手を掴んで良いのか。
そんなこと思っていたけど、 考える暇もなく俺は新之丞の手を掴んでいた
「帰りますか。」
「…まだここにおるわ!」
ニヒッと 新之丞に向かって 俺は笑った