テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
幼い頃とは違い、毎日が楽しく、ワクワクやドキドキに溢れていた。そんな僕はふと、あることを思い出してしまった。
僕と斎兄さんは血の繋がりがなく、僕はどこからか来た。ここで新たに疑問に思った。僕はどこから来た?今までは兄さんのことについてを重視してきたが、まずこれが最初に出てこなかったことがおかしい、それも斎兄さんの日記を読んで気づくとこになった。僕は何かどこかで繋がっていると思い。再び蓮に聞いてみることにした。
「蓮!何度も聞くようでごめん。兄さんは僕との血の繋がりについて何か言ってた?」僕が蓮に聞くと。「そのことに関しては、兄さんも僕も…踏み込もうとしなかったからなんとも言えない…すまん…」蓮がそう行ってきた。「そっかそれならいいんだよ…。母さんや父さんにも聞くだけ聞くことにするよ」僕がそう言うと「蒼!もうやめにしよう…?いつまでも過去に囚われていたら前に進めないよ…!」蓮が少し怒ったように、不安そうに、僕の肩を掴み言ってきた。「蓮の言う通りだ…。でも…僕は知らないと、これから前に進めない気がするんだよ…。だから…さ」僕は自分の肩に手を置いている蓮の手を握りながら言った。「でも…でもっ…!僕は蒼が心配なんだよっ!蒼がまた、自分を追い詰めたらって…!」蓮が涙目になりながら僕の方を真剣に見て言っている。「僕は…斎兄さんのように、正しいと思うことをしたい。」僕は蓮の目を見ながら真剣に言った。「……っ!僕はもう、知らないから…。蒼の好きにしたらいいよ…。」蓮は僕の肩から手を離し、僕が握っている手を振りほどきながら言うと、走っていってしまった。罪悪感こそ少しあったが、僕は僕の正しいと思うことをしたいという気持ちで罪悪感が消えた。
家に帰るといつものように、母さんたちはご飯を食べていた。僕と母さんたちが一緒に食べないのは変わっていない。だが、僕は血の繋がりに関する事を聞くために母さん達のいる食卓に、恐る恐る入った。「…。帰ってきたの…。さっさと消えなさいよ…。飯が不味くなるは…!」母さんが僕に怒鳴ってきた。「…っ!聞きたいことがあるんだよ…僕と母さん達の血の繋がりに関する事…」僕が勇気を出して言うと。「フハッハハハ。知っていたのか?そうだな。お前と血の繋がりがあるやつはこの家にいない…!」父さんが僕をあざ笑ったように言ってきた。「じゃあ…。僕の本当の母さんや父さんは誰で…どこに居るの…?」僕が真剣に言った。「どこにいるかは知らねぇが…これだけは知ってる…っ!斎を轢いたのがお前の本当の両親だからなぁ”!?」父さんが怒りながらも、悲しそうに、恨みを込めて僕に言ってきた。「は…?僕の実の両親が兄さんを轢いた…?は…?嘘だよな…?変なこと言うなよっ!」俺は頭が真っ白になった。どうゆうことか頭が追いつかなかった。「嘘じゃねぇよ!そいつらがここにお前を置いて、姿を消したんだっ!戻ってきたと連絡があったと思えば…斎を轢いてしまったよ…。ってキモイ事いいやがる!その直後に!斎が事故にあったと病院から電話があって確信したんだよっ!」父さんが頭をかきながら怒ったように話してくれた。無理もない。僕なんかを預けられたと思ったら大切な我が子を轢き殺されて…。「そんな…。だとしたら、僕の両親は捕まったんだよねっ!?ちゃんと罪を償いに行ったんだよねぇっ!?」僕が声を荒らげながら父さんに言うと。「あたり前だろ…!?俺たちが突き出してやった!その後の行先なんて知らねぇよっ!!」父さんがそう言うと。イライラしながら寝室へ消えていった。
僕は急ぎ足で部屋に行った。まさか…僕の実の両親が斎兄さんを轢いていた…?だとしたらこの家に不幸を呼んだのは僕じゃないか…。父さんや母さんは僕を預けられたと思ったら大事な一人息子を轢き殺されて、轢いた本人の子供が生きている。そして今もなお、家に居座り続けている。僕は息が苦しくなった。日記の父さんや母さんに関する内容を読んで怒っていた自分が…そんな資格もなかったことに…僕は気づいた。僕はかき消えていたはずの罪悪感が溢れ出し、それと同時に蓮のお陰で感じることの無くなった。孤独感など、様々な感情の心に流れ込んできた。頭がおかしくなりそうだ…。何も考えることすら出来ない真っ白な頭の中を罪悪感という感情が黒く塗りつぶしていった。僕はそのまま気を失った。
朝目を覚ますと、蓮と出会う前に見えていた。天井が僕の目に広がった。あの時の怒りに…絶望というスパイスを追加され、僕はいっそう、目を開けるのが、朝が来るのが怖くなった。体が重い。それでも僕は学校に行けば、友達と会えると自分を奮い立たせ、準備をし、学校に向かう。
学校に着くと、蓮と目があったが蓮は怒っているようで、そっぽを向いてしまった。それから新しい友達と話そうとしたが、声がでず…頭に、大切な人ができても…無くしてしまう。そう考えると僕は手を引いて、自分からまた、一人になった。
それからの日常は中学の時に感じていた絶望や孤独感こそ増えていたが、あまり変わらず。慣れてしまっていた。また、一人になっただけだ…。そう思うことによって、気持ちを押さえ込む。
そんな時、僕の誕生日件斎兄さんの命日が目の前まで来ていた。
蒼にあんなことを言って逃げてしまった手前、自分から蒼に話しかけに行くことができず、蒼の誕生日が近ずいて来ていた。僕は誕生日プレゼントを渡すと同時に謝ることを決意し、蒼兄さんプレゼントを買うためのお金を貯めることにした。
斎兄さんの誕生日…。僕は花を添えようと花を買いに出かけた。
蒼の誕生日前日になった僕は、蒼のプレゼントを買おうと、出かけることにした。僕が渡そうと思っているのは本だ…。蒼は本が好きだから…これで、仲直りをしたくて…。本屋に行くと、蒼が好きだと言っていた本の落ち着く匂いが僕の鼻を包み込んだ。そんな匂いに包み込まれながらも蒼の好きそうな本を探している。しばらく探した後、あった!これなら蒼が喜んでくれそうだ!そう思った僕は、その本を買った。
花を買いに行く途中だった僕は、信号を渡ろうとしている蓮を見つけた。蓮は手に何か持っているようだ。よく見えない…。そんなことを考えている時、信号無視の車が蓮に向かっているのを見つけ、僕は走り出した。蓮が…轢かれるっ!
本屋から出て、信号を渡っていると信号無視の車が僕に突っ込んで来そうなのがわかった。だけど僕は動くことが出来なかった。あの頃。蒼のお兄さんに助けられた時も…体が鉛のように重く、動けずにいた。その時「危ないっ!蓮っ!!!」蒼の声が聞こえたと思ったら、僕の耳にゴンッ!という鈍い音が聞こえた。僕は無事で、当たりを見回す。少し離れたところに、血まみれになっている蒼が倒れているのが見えた。さっきまで立っていた僕が飛ばされず膝を着いているということは、蒼が僕を庇ったと言う事を感じさせた。僕は走って蒼の元に行った。「蒼っ!!なんでここにいんだよっ!!なんで俺を庇った!どうしてだよっ!蒼!」震える手で蒼を抱きながら僕は泣きじゃくりながら言った。「……っ!蓮…ぶ、じ…でよかっ…た…!」血を吐きながら掠れた声で蒼が僕に返事をした。「蒼ごめん…!ごめん!俺なんかのせいで!蒼にこんな傷おわせて…!」泣きじゃくりながら言った。
気づいたら僕は飛び出し、蓮を押し倒していた。
そこまでは良かったものの、僕は避けることが出来ず轢かれてしまった。そんな時に蓮の声が聞こえて僕は安心した。蓮が無事で良かった…。「斎兄さんが蓮の命を繋いだように…僕も蓮の命を繋いだだけだ…つ、まり…正しいことをっ…したんだ…………」気を失いかけながらも震える声で僕は蓮に言った。「そんな…そんな…蒼まで…?」蓮が泣きじゃくりながら僕に言ってきた。僕は「この腕時計…ありが…と…蓮が…持ってて…」最後だと確信した僕は腕時計を蓮に握らせ、そういった。「おいっ…!僕今日、蒼の誕生日プレゼント買ってたんだよ…?明日だろっ…?なぁ!まだお前と、仲直り出来てないだろ!蒼っ……!」蓮が大粒の涙をこぼしながら僕にそう言い、僕を強く抱き締めてくれていた。「蓮…。れ…んっ…にあえて…よかっ…た…よ、ありがとう。僕は…宝物を見つけたよ…」僕は薄れゆく意識の中、最後の力を出し切って、蓮にそう言った……。
「蓮…。れ…んっ…にあえて…よかっ…た…よ、ありがとう。僕は宝物を見つけたよ…」蒼がそう言ってから動かなくなった。何度揺さぶっても、何度読んでも、蒼が目覚めない…!「やだ!ダメだ!蒼っ!返事しろよ…、俺はまだ!見つけられてないよっ!宝物!まだっ!蒼と探して痛かったっ!!!」何度叫んでも、蒼は起きなかった。僕は手に握られた「友達の印」を腕に付けた。
蒼が死んでしまってしばらくたった…。俺は蒼の言葉で立ち直った。死ぬ間際で言われた。「斎兄さんが繋げた命を僕も繋げただけだ…正しいことをした。」その言葉を胸に刻んだ。まだ完全に立ち直った訳では無いが、僕はこれから救われた命を大切にしながら「宝物を探しに」行こうと思う。ありがとう。蒼…。そして、斎さん…。