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あれから数日後ーー。
晴明は書類などの仕事が一通り終わって、
現在はマンドラゴラ園で水やりをしていた。
「はぁ…」
前までは軽々と持てていたジョウロが、
今では両手じゃないとジョウロすら持てない身体になってしまった。
学園長と身体を交えたが、未だに戻る気配がない。
もしかしたら、ずっとこのままかもしれない……。
そんな言葉が頭によぎると自然とため息が出てくる。
「晴明くん!晴明くん!」
「どうしたの?マシュマロ」
小さくため息をついていると、突如、何度も自分の名前を呼んで、
マシュマロが勢いよくこちらへ突進してくる。
「あのね!マシュマロからプレゼント!」
マシュマロにそう言われて渡されたのは、綺麗な形をしている四つ葉のクローバーだった。
マシュマロの身体をよく見てみると、色んな箇所に土が付いている。
きっと一生懸命に探してくれていたのだろう。
「晴明くん最近元気なかったから、マシュマロがんばって見つけたよ!」
「マシュマロ…°˖✧」
「晴明くん元気出た?」
「うん!マシュマロのおかげでとっても元気出てきたよ!本当にありがとう!」
「えへへ///どういたしましまして!」
四つ葉のクローバーは栞などに入れて家宝にしようと、晴明が考えていると
ふと、ジョウロの中身が空っぽなのに気が付く。
「あれま、もうなくなっちゃった」
子供になってから、ジョウロの中身は半分しか水を入れられない。なぜなら、
中身を満タンにしてしまうと想像を絶するほど重たく、一度の水やりで
晴明は2~3回ほど往復しなければならなかった。
「マシュマロごめんね。お水なくなっちゃったから補充してくるよ」
「あいあいさ!晴明くんいってらっしゃい!」
「うん!いってきます!」
マシュマロに軽く手を振りながら、校舎の壁沿いに外を歩いて、
洗い場のある水道に晴明は早足で向かった。
「うぅ…」
「半分しか水いれてないのに…!なんでこんなに重いのさ!」
水が入っているジョウロを一旦地面に置き、その場でうずくまる。
子供の身体とはなんて不便なのだろうか。
「早く元に戻りたいなぁ……」
そんな独り言を零していると、視線の先でなにか揺れた気がする。
バッと顔を上げるとーー
「う~ん……もう、ちょっと……!ぐぐぐぐ」
ーーそこに居たのは、自販機の下に手を突っ込んでいる隊長さんの姿だった。
なかなか届かないのか、肩まで思いっきり突っ込んでいる……。
「………」
建物や木の陰で一瞬誰だか分からなかったが…あの人はヤバい。
(…よし、早くマシュマロの所に戻ろう)
隊長さんだと理解した瞬間、本能的に関わってはいけない気がして、
ゆっくりと地面に置いていたジョウロを手に持ち、その場を離れようとしたが……。
時は既に遅く。
ちょうど顔を上げた隊長さんと目が合っていた。
「あれ!晴明くんにそっくりな子がいる~!」
「…本人です」
「えぇ~!本当に⁉こんなに小さくなっちゃって大変だね~!」
隊長さんは僕と目線があった瞬間、こちらへ駆け寄って来て目の前でしゃがみ込み。
まるで鼻歌でも歌いそうな様子で僕の頬をツンツンと人差し指で突いてくる。
「あっ、そういえば晴明くん!
昨日お給料出たばっかでしょ?お小遣いちょうだい!°˖✧」
「やですよ!っていうかなんで給料日なんて知ってるんですか…」
相変わらず子供相手でもナチュラルに金品欲しがるなぁ、この人
だけど、なんだかんだでこの人の存在に助けられることも多いんだよな……
まっすぐ感謝するのに抵抗があるだけで。
もしかしたらだけど、隊長さんなら何かアドバイスやヒントを与えてくれるのでは?
「…あの!隊長さん!」
「?、なぁに?」
そんな一縷の望みをかけて、僕は口を開いた。
「僕、隊長さんに相談したいことがあるんです!」
僕が子供になった理由、そして元に戻る方法は
【いろんな人とセッ〇スをして、精〇を中に注いでもらう事】など…。
今までの経緯の説明が終わると、隊長さんは話の整理を始めた。
「で、お薬をかけられて子供になったと」
「はい…」
「まぁ、そんな事もあるんじゃない?知らないけど」
からからと笑いながら言う隊長さん。
あまりに適当な返事だけど、今はその適当さが逆に安心する。
「そんな重く考えなくていいじゃんない?戻る方法を達成すれば、元に戻るみたいだし」
「戻る方法を達成すれば、って…それが一番難しいじゃないですか!
元に戻る方法なんてないですし…」
「え?なに言ってるの晴明くん、元に戻る方法なら1つだけあるじゃん」
「え?」
きょとん、と隊長さんが首を傾げる。
僕も釣られて首を傾げていると、突然、視界がぐるんと反転した。
これが壁ドンならぬ床ドンというやつだろうか…。
「……え?隊長さん急になにして…」
「なにって。晴明くんが元に戻りたいって言ったんでしょ?
だからお手伝いしてあげようかな~って!僕ったら優しいでしょ~?」
「いやいや!どうしてそうなるんですか⁉」
「どうせ元に戻るならもっと健全な手段がいいです!!」
「えぇ~!晴明くんヒド~イ!あっちゃんとはエッチなことしたくせに、僕とはしてくれないの~?」
隊長さんはプンプンとしながら頬を膨らませる。
なんでこの人がそんなことを知ってるんだろうか……。
「お兄さんと一緒に気持ちよくなろうよ、ね?あっちゃんよりも
とっびきり極上の体験させてあげるからさ♡」
「え…えええエッチなことは良くないと思います!!!!めっ!!!!」
「めっ、てなにそれ~?煽ってるの?♡」
恐怖なのか興奮なのか訳も分からずドクドクと心臓が五月蠅い。
逆光で視界が暗くなる中、隊長さんのいつもと変わらない声色と同時に、
トロトロに熱で溶けた瞳に、背筋が震える。
「ひぇ…」
ごり、となにかが下腹部に押し当てられる感触に、サッと血の気が引く。
一体どこで選択をミスったのだろうか?
隊長さんに鉢合わせたこと?それとも洗い場へ来たこと?
とにかく僕は自分の判断を後悔した。
けれどーー
「ね、大丈夫だからさ。僕に全部任せて?♡」
ーーどれだけ自分の行動に後悔しても、
時はすでに遅かったようだ……。
コメント
17件
初コメ、時差コメ、フォロー失礼します!!! ストレートに言うと…ありがとうございます。美味しいです。(?)極上です。(?) ショタ好きなんですよね~…((グヘヘヘヘヘッ 最後のイラストも神ってます!小説と絵も上手いって神ってますよね???え? 私は塗り方が分からないので尊敬します!!!🥺 続き待ってます!頑張って下さい!
初コメ、フォロー失礼します!めちゃくちゃ面白いです。めっちゃくちゃ好きです!
初コメ失礼します!!そして率直に言います。好きです!!!