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5 - 終われない2人

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2025年03月04日

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夜の部屋。カーテンの隙間から街の灯りがぼんやりと差し込む。

琉生りゅうせいはベッドの端に座り、窓の外を見つめていた。


「……終わるんだな」


ぼそっと呟くと、後ろで布が擦れる音がした。


「何が?」


振り返ると、ベッドの上で直哉なおやが腕をついてこちらを見ていた。少し寝ぼけたような目つき。けど、その奥ではちゃんと考えてる顔。


「俺たちの関係」


言葉にした途端、胸の奥がずきりと痛んだ。でも、決めたことだった。


直哉とは長い付き合いだった。最初は軽い遊びのつもりだったのに、気づけばズルズルと続いていた。けど、どこかで終わりが来るのは分かってた。そういう関係だった。


「……ふーん」


直哉は何か考えるように目を細め、それからゆっくりと手を伸ばした。琉生の腕を掴むと、ぐいっと引っ張る。


「…何すんの」


「まだ終わってない。今は俺のもんだろ」


そう言って、琉生をベッドに押し倒した。


直哉の顔が近づいてくる。熱を帯びた唇が触れ、すぐに舌を差し込まれた。逃げようとする隙を与えないキス。琉生の心臓が、ドクンと鳴る。


「……っ、なお、や……」


声にならない声が漏れる。


「考えんの、あとでいいだろ」


そう言って、直哉は琉生の足を開かせた。琉生は目をぎゅっと瞑る。


(これが最後だから)


そう思うのに、涙が滲みそうだった。


そして…深く、甘く、終わりを引き延ばすような夜が再び始まった。

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