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「やっぱり駄目だ…」
深澤に励まされ、再度頑張ってみたものの
思い通りのモノが作れないでいた
「……はぁ」
新しく入れ直したココアを一口飲むと、口一杯に広がる甘さ
「………」
昔、アイツに入れてもらったココアを
不味いと文句を言いながらも完飲した事を思い出し
頬が緩む
ココアに砂糖を追加するという俺に
信じられないという顔をするアイツ…
すぐ毒を吐く癖に、実は凄く繊細で人の事を良く観ている…
いつのまにか、頭の中は彼に占領されていて
振り付けを考えるのは無理そうだ…
「はぁ…」
本日、何度目かのため息を吐いて
空気を入れ替える為に、窓を開けた
「もう、そんな時間か…」
明るかったはずの空は、いつの間にか暗くなっていて
空にかかった厚めの雲が、星を隠して何も見えない…
目の前には、ただ真っ暗な闇…
俺は何かを求める様に、そんな空へと手を伸ばす…