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地雷さんやBLとはなんぞや?って人はGo Back🔙
医者(nk×kr)、友情出演他メン
ほのぼの(?)、学パロ、モブでしゃばる
【恩と恋】〜続き
あらすじ
きりやんがストーカーに追いかけられてしまい、翌日の学校、友人による噂話でなかむがストーカーの容疑者となる。なかむは呼び出され、話し合いの末きりやんを対象とするストーカー行為が報告されれば停学、退学処分となることが確定した。
kr side
朝のHRさえも終わって1限目準備の休み時間。やっと呼ばれた中村くんが帰ってきたと思ったら、その表情は酷く曇っていた。
長い長い前髪で隠れてよくわからなかったけど、涙が見えた気がする。
mb「ほっとけよ」
「…ちょっと無理あるよそれ」
mb「は?」
「ねぇ中村くん、大丈夫?何があったの?」
nk「!!ぁ、きりゅう、くん…」
やっぱ泣いてんじゃん。どうして泣いてるの、何があったの、何されたの。
ううん、聞かなくてもわかる。どうせあの一件だ。
やっぱり、ストーカー、中村くんじゃないでしょ。野球部なら、もっと走れるし、少なくとも君は俺より俊敏に動くでしょ。
nk「あは、退学処分言い渡されちゃった。もう気にしないで」
儚げに笑う彼。どうして?
「なんで、中村くんは何もしてないでしょ…」
nk「まぁ、濡れ衣だよね、実際」
nk「ねぇ、桐生くん」
今日、一緒に帰ってもらえない?
俺は喜んで受けた。それで俺が気配を感じたら、確実に中村くんじゃないって言えるから。なんで思いつかなかったんだ。彼も俺に想いを寄せているのであれば、まさにWin-Winじゃないか。
「てか、帰る方向違うけど…」
nk「俺の友達の家に泊まるつもり」
nk「あーでもアイツ風邪ひいてんだよな…」
「風邪?きんときんとこかな」
nk「え!そう!知ってたの?」
「ちょっと家に帰れない時に泊めてもらってた。うーんと、今日の様子にもよるけど俺の家来る?」
待って俺何言ってんの?
容疑者家に招待しようとしてんの?
でも、犯人だったら犯人だったで通報すりゃいいし。でも野球部…キャッチャーって腕力どうなんだろう。まぁ最悪テニスボールぶん投げりゃいいだろ。硬式だから硬いし。待ってダメだキャッチャーだダメだ。まぁいっか。
nk「…桐生くんが良ければ。別に俺は君からは突き放されてもいい存在だから」
「え…まぁ、いいよ。今日部活?」
nk「うん。まぁ男テニに合わせる」
「じゃあ今日俺部活途中抜けするから、コートよく見てもらっててもいい?」
nk「わかった。抜けたら校門で待ってて」
これで気配を感じたら、中村くんは退学しなくても済む。本当の犯人とっ捕まえて、彼は無罪である事を証明できる。
あれ、なんで俺、こんな中村くんが悪くないって言いたいんだ?別に、関わりあんまなかったのに…。
なんでだろう……。
「じゃあ、お疲れ様です」
顧問「おう、気をつけろよ」
「はい」
今日は言った通り部活を途中で抜けた。校門で待てばいいんだよね。
カタン
「ん?」
スマホ見ててよくわかんなかったな。
何か音がして、中村くんかと思ったけれど、違うようだ。男テニは他の人は皆帰らないし、他の部活も特に無いはず。あったとしたら野球部だし。気のせいかな…?
nk「よい、っしょ!お待たせ!」
ッ、クソガ__
「なに…?」
nk「え?」
「誰かいんの?」
声をかけても、辺りを見回しても、これと言ったものはなかった。本当に何なんだろう。
もしかして、真犯人、、?
いや、まさか。そんなはずは…。
「…」
nk「だ、大丈夫?」
「うん。じゃあ帰ろっか」
精一杯の笑顔をつくる。この、誰かに褒めてもらえた笑顔を。
nk「…うん//」
「…へ?」
何故か中村くんは目を見開かせた後、顔ごと背けてしまった。耳は赤い。え、俺の事が好きって言う噂、これガチな奴なの?えー?そんな事あったんだ…。
nk「へへっ、行こっ!」
教室での顰めっ面とは真逆に破顔した彼の笑顔は綺麗だった。心から嬉しんでいるような、穏やかで無邪気な笑顔。
…かわいいな。
って、何思ってんの、俺。やば…。
nk「本当に大丈夫?歩ける?」
そう言って手を取り引いてくれる彼。多分無意識なんだろうな。
俺はやっと足を動かした。駅に向かって歩き出す。久しぶりに思い切り笑った気がするな。
心の奥底でドキドキと鳴る心臓には無視をして。
nk「日暮れんの早くなったよね〜」
「ね。すぐ暗くなんのどうにかしてほしい。ライトもっと早くつきゃいいのに!」
nk「え、暗いときボールとか見えんの?俺見えないんよね」
「見にくいね。蛍光色だからマシだけど」
nk「やっぱ硬式は見やすいのか…」
「野球ボールってやっぱ見辛いんだね」
nk「色ついてないからね〜」
「…そういえば、えっと、そうそう!えっと、中村くんってキャッチャー以外にできるの?」
後ろに気配がした。
クソ、最寄りに着いて、もうすぐ帰れるって言うのに。もうすぐ家に着くのに。
すごい冷たい視線に背筋が凍る。
怖い。
昨日追いかけられた時よりも怖い。どうしよう、隣にははてなマークを浮かべる彼がいる。冷や汗を無視して、この気持ちを悟られないように必死に会話を続けようとする。
nk「んー、レギュラーの人よりずっと実力は落ちちゃうけど、基本的な動きはできる、と思うよ?でも普通に点すぐ取られそうだな〜」
やばい、近い。
気づいてしまったが最後、そっちに気を取られてしまう。足音が聞こえる。俺に合わせて、でも追いつくように調整された足音が。
昨日追いかけられたと言うことは、もう何か、監禁と言ったような準備ができているのだろうか。なにか、もっとキツいアクションがあるのだろうか。
nk「桐生くん?」
やだ、怖いよ。
nk「桐生くん?大丈夫?ねぇ、」
「っ、」
nk「!?ちょ、えっと、き、きりやん!」
「!」
俺の1番落ち着く渾名。幾分かマシになる気分に、つい驚く。
nk「ね、大丈夫、俺がいるから」
大丈夫、何故かそう思えた。
この人の言う事は信じる事ができると。
思ったはずだったのに。
カツンと嫌に大きく響いたストーカーの足音。
体が大きく跳ね、耐えられなくなってつい走り出す。あぁ、中村くんを置いていってしまう!頭では理解しているはずなのに、体が言うことを聞かない。走って走って、でもきんときの家には行けなくて。
どうしよう。
どうしようどうしようどうしよう。
このまま家に行くのも危なすぎる。
どうしよう。
ピッ
「!?」
nk「きりやん!こっちだ!」
声に顔を上げると、さっきの雰囲気とは一風変わった真剣な彼。優しく、でも強く手を引いてくれる。あれ、動画の音がしたのは気のせい、?
さすが野球部と言ったところか、速い。すごい、速いのに走りやすい。なんで…?
頭に疑問を浮かべながらも、俺は彼に身を任せて走った。走って走って走って、着いたのは一つの家。知らない人の家。
「どこ、?」
nk「スマイル!開けろ!」
カチャン
解錠の音が響いた他、なにか音が鳴る事もしくは家主(恐らくスマ…イル?さん)が出てくることもなかった。
nk「きりやん。ポケッとしてないで早く!」
「え、は、はい…い、いいの?」
nk「うん。いいんだよ」
扉を開けて躊躇いなくズカズカと家に入っていく。一人にはなりたくない。申し訳なさを感じつつも、中村くんのあとをついて行った。
手を洗い、リビングらしき大部屋に入る。すると、ソファに座っている一人の影が見えた。この人が家主さんかな?
「お邪魔します…」
sm「あぁ、構わない。好きにしててくれ」
nk「えっと、コイツは2-Cの村上紫笑。紫笑の笑からスマイルって呼んでるんだ」
sm「うっス。そう呼んでもらって構わない」
「あ、はい、えと、2-Aの…」
sm「あぁ知ってる。なかむに散々教えられてるからな」
「は?」
nk「ア゜、エトネ?チガウノ!」
sm「コイツがお前の事好きなのは知ってるだろ?いつも笑顔綺麗だの声良いだの頭良いだのその他もろもろも全部聞かされてる。悪いが結構知っちゃってる」
「あ、そうなんだ…。じゃあ、俺がストーキングされてるのも?」
sm「あぁ。犯人も目星はついてる」
nk「スマイルは情報を集めたり整理するのがちょー得意なんだよ!」
村上、聞いたな。中村くんと仲良い四天王(?)の一人。鮫島、紅葉、村上。ついでに歌時んとき。
「ちなみに、目星って?」
sm「秋川っていう野球部マネージャー」
「え、秋川さん!?」
nk「マネージャーだからいつでもあがれる。だから男テニに合わせることができる。家の方向も同じだし、あの人もやんの事好きだし、理は通ると思う」
「あの人、かよ…」
思わなかった。意外だった。あの真面目な子が、一緒に生徒会員をやっていた、あの人が、自分のストーカーだったなんて。
sm「…今日は泊まってけ」
nk「え、じゃあ俺は…?」
sm「俺の部屋で寝るか桐生と寝るか選べ」
「え゛」
nk「めっ、、うわ…性格悪」
sm「桐生」
桐生、俺の名字。俺の名字なんだけど、なんだかむしゃくしゃする。桐生って呼んでほしくない。秋川さんが桐生くんって俺を呼ぶからだと思う。本能がちょっと拒絶してる。
「あの、村上くん…?」
sm「なんだ?」
「その、桐生じゃなくて、きりやんって呼んでくれない?」
sm「あぁ、わかった。じゃあきりやんも俺の事スマイルって呼んでくれ」
「わかった、スマイル」
nk「ちょ!省かないでよぉ!ね、俺もなかむって呼んで?」
「なかむ?ほぼ中村じゃん」
nk「正しい表記はNakamuだから!」
「ははっwわかった、なかむ」
sm「おいニヤつくな気持ち悪い」
nk「なっっ!?ちょ、今日スマイル酷くね?」
sm「別に〜?」
「あっははw仲良すぎww」
nk「ねぇやんの笑顔!!//」
sm「うるっせぇ!」
結局なかむはどこで寝るんだろう…。いや俺が話止めたんだよな。悪いことしたかこれ。
sm「きりやん、なかむと一緒に寝るか1人で寝るかどっちがいい?」
「1人で寝る場合はなかむどこで寝んの」
sm「俺の私室」
nk「俺スマイルと寝んの…?」
sm「こっちから願い下げだよ…俺はソファで寝るから安心しろ」
子供みたいな言い訳だと思うが、正直1人は怖い。もしも秋川さんがここまで来たらとなど悪い方向に思考が進みそうで。安心できる存在が欲しかった。あと泊めてもらってる身で家主をソファで寝させるなんて言語道断!!
「なかむと寝たい…かな」
nk「!?!?/////」
sm「…やましい事すんなよ。俺の家だからな」
「?」
sm「特になかむ」
nk「大丈夫順番は守る」
「何の順番?」
nk「えッッッ、………ぇと、」
sm「晩飯あっためとくからさっさと風呂入ってこい。全く…」
「は、はぁい…」
何故ため息をつかれなきゃならんのだ。俺はただ怖いからぁ!
もー…なかむは動く気配無いし先入らせてもらうよ?
もうちょいよく見りゃ良かった。
スマイルは目尻を下げて苦笑とも取れる笑みを浮かべていた事。
なかむはうずくまってる中で、首まで真っ赤にしてる事。
または、、
スマイルが両片思い、と口を動かした事がわかったはずなのに。
風呂を借り、数十分。上がって交代したなかむが一生帰ってこない。スマホは持っていってないっぽいし、適度に聞こえる水の音で寝てる訳でもなさそうなのに。
sm「冷めるぞ…」
「もう先食う?」
sm「全然それでもいい」
sm「食うか。アイツなら大丈夫だろ」
「え、本当にいいの?」
sm「あぁ、遅いアイツが悪い」
「それもそうか。んじゃ、いただきま__」
バンッ‼︎ガタガタッ
_あっ、ごめんスマイル!!
sm「…」
やば、スマイルの無表情が崩れそう。てか笑うって名前に入ってるのに全然笑わないじゃん。名前負けってやつか…。かけられた思いガン無視しててこっちが笑えてくるよ。
nk「っはー!ごめん!!」
sm「何した」
nk「ん?あぁ、タオルのカゴぶっ倒した」
sm「お前床で寝る?」
nk「それだけは!!!!」
「ちょ、1人にしないで…」
nk「ドッキーーーン」
sm「無自覚野郎…(ボソッ」
「と、とりあえず食お?」
このままでは一生食べれない気がする。
いただきますと言ってご飯を口に運ぶ。会話もそれなりにあって、和気藹々とした雰囲気がスマイルの家を満たしていた。
事件は唐突に起きる。それは、誰にも予想できないほどに。
nk「そういえば、やん俺らが6歳の時会ってたんだよ?覚えてる?」
「え?嘘、何保育園?」
nk「台倉(だいくら)保育園だけど…」
「へ?俺刈森(かりもり)なんだけど」
nk「えっとね、ショッピングモールの駐車場で…」
ショッピングモールの駐車場!?
そんな独特な場所の思い出なんて、ちっちゃな時男の子を車から引き摺り出して怒られた記憶しかないんだけど。
「その引き摺り下ろした男の子がなかむってこと???」
nk「ひきずり…?た、たぶん?」
「?????」
2人でうーんと唸っていると、、
ピンポーン
突然、インターフォンが鳴った。
次でラストです。