テラーノベル
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ぺいんと=pn、らっだぁ=rd、金豚きょー=ky
みどりくん=md
入学式を終え、生徒たちは教室へ向かっていた。
その中で一際目の引く二人の男子生徒。生徒会副会長と会計だ。
一人は、艶のある黒髪で、整った顔立ちに冷静な青色の瞳を持つ青年。
ラッダァ・ブルベリィ。
侯爵家の末っ子であり、学園二年生。
ノリが良く、意外と真面目で優しい。
思ったことはすぐ口に出るタイプである。
その隣を歩くのは、少し明るい茶色の髪をしていて、目つきが少し怖い青年。
キョー・ゴーピッグ。
伯爵家の一人っ子で、ラッダァとは幼い頃からの親友だ。
目つきが怖く避けられがちだが、結構面倒見がいい。
rd「ねぇ、キョーさん。今年の新入生代表、見た?」
ky「ああ。公爵令嬢のペイントやろ」
rd「なんか噂と違ったよね」
その言葉に、キョーは肩をすくめた。
ky「どうせ社交辞令やろ」
rd「でも、『ありがとうございます』なんて言ってたじゃん」
ky「だからこそや」
rd「?」
ky「公の場やから、取り繕っただけだけやろ」
興味なさそうに言い切る。
ky「人はそう簡単には変わらんよ」
確かに、その通りかもしれない。
それでも。
rd「……俺はちょっと気になるけどなぁ」
そう呟くと、キョーは呆れたように笑った。
ky「お前は昔から好奇心が強いな」
rd「否定はしない」
するとーー。
???「ダッタラ」
どこからともなく、声が聞こえた。
???「タシカメレバイイジャン」
二人は慌てて周囲を見回す。
しかし誰もいない。
「もー、ミドリ〜」
呆れたようにラッダァが言うと、窓際にふわりと一人の少年が姿を現した。
茶色の髪。
どこか儚げな雰囲気。
足にいくにつれてだんだん消えている。
md「ヒマダッタカラ」
ミドリは悪びれもせず笑う。
ky「……相変わらずやな」
md「デ?」
ミドリは興味津々といった様子で首を傾げる。
md「ソノペイントッテヤツガドウシタノ??」
rd「今年の新入生なんだけど、噂と違うんだよね」
md「ヘェー」
rd「俺は気になる」
それを聞き、何か察したのかキョーがため息をついた。
ky「お前なぁ……」
rd「頼む」
ラッダァは、ミドリをまっすぐ見た。
rd「ちょっとだけ様子、見てきてくれない?」
md「エ?」
rd「ミドリなら誰にも気付かれないでしょ」
ミドリは目をぱちぱちさせ、少し考えたあと–。
md「…ラダオガイウナラ」
そう言うと、その身体はすうっと透け始め、次の瞬間には、もう姿はなかった。
残された二人。
ky「……お前の悪い癖やな」
呆れたように呟くと、ラッダァは小さく笑う。
rd「まぁ、ちょっとぐらいね」
ーmd視点ー
校舎の中を飛び回る。
新入生だから教室に行けば、すぐ見つかると思っていた。
……でも。
md「イナイ……」
教室にもいない。
廊下にもいない。
中庭にもいない。
md(ドコ……?)
しばらく探し回っていると、人通りの少ない廊下で一人の少女を見つけた。
鮮やかなオレンジ色の長い髪。
間違いない。
ペイントだ。
でも、様子がおかしい。
pn「……ここ、どこ?」
小さくつぶやきながら、きょろきょろと辺りを見回している。
pn「えっと……さっきここ通ったような……?」
首をかしげて、また反対方向へ歩き出す。
数歩進んで立ち止まり、今度は地図でも描くように指を動かしている。
md(……マイゴ?)
公爵令嬢が?
噂で聞いていた人物とは、あまりにも違う。
僕は柱の陰からそっと様子をうかがった。どうせ見えてないのに。
しばらく見ていると、ペイントが小さく肩を落とす。
pn「どうしよう……」
その声が、少しだけ寂しそうに聞こえた。
md(……)
放っておくのも、なんだか気が引ける。
僕は小さく息を吐いた。
md(……タスケヨ)
人と話すのは苦手だけど。
意を決して姿を見せる。
すると、ペイントは僕を見るなり――
pn「うわぁぁぁぁ!!」
md「ヒャッ!?」
突然の大声に、今度は僕が飛び上がった。
pn「な、なんでおばけいるの!?」
md「ガ、ガクエンニ……スンデルカラ……」
言ってから、自分でも何を答えているんだろうと思った。
僕もペイントも黙る。
気まずい…。
pn「あの……」
先に口を開いたのはペイントだった。
pn「君、名前は?」
md「……ミドリ」
pn「ミドリくん?」
md「……ウン」
それだけ答える。
ペイントは少しだけ表情を和らげた。
pn「私はペイント」
md「……シッテル」
pn「……だよね」
少し気まずそうに笑う。
また沈黙。
md(ナニカイワナキャ……)
md「エット……ボク……ソノ…」
言葉が出てこない。
結局、一番伝えなきゃいけないことだけ口にする。
md「……ミニキタ」
pn「え?」
md「タノマレテ……ヨウスヲ…」
途切れ途切れの言葉。
pn「そうなんだ」
それ以上は聞いてこなくて、少しほっとする。
僕は廊下の先を指差す。
md「キョウシツ……アッチ」
pn「え?」
md「イッポンミチヲヒダリニマガッテ——–」
説明し終えた後、僕も改めて考える。
……あ。
普通に遠い。
md「……トオイ」
思わず口に出た。
pn「だよね!?」
ペイントがぱっとこちらを見る。
pn「私だけじゃなかった!」
md「……ウ、ウン」
しまった。
つい同意しちゃった。
場所だけ教えて帰るつもりだったのに。
これじゃ絶対たどり着けない。
md(……カエレナイ)
僕は小さくため息をついた。
md「……イク」
pn「え?」
md「アンナイスル」
言った瞬間、自分で驚いた。
人を案内するなんて、初めてかもしれない。
pn「まじ!?」
ペイントの表情がぱっと明るくなる。
pn「ありがとう!」
md「……ウン」
その笑顔が眩しくて、僕は目を逸らした。
本当は先に日常組と会わせる展開だったんだけど、こっちの方が話的にも進めやすかったので、変更した!!
瑠空
31
ぺ
1,107
#ご本人様には関係ありません
リアコ
52,500
瑠空
45
コメント
3件
コメント失礼します!面白くていつもはしないコメントをやりたくなりました。お話の構成もしっかり考えてらっしゃってとても素敵なお話でした! 次回のお話も楽しみにしています(๑˃̵ᴗ˂̵)
おばけぇぇぇ!!!って美月の心が叫んだよ😭💕 ミドリくん幽霊なのに迷子のペイントちゃんに優しくて…「……行く」「案内する」の小声ボイスにキュンが止まらん!!!声出すの苦手なのにちゃんと伝えようとしてるところも、つい「…遠い」って同意しちゃったのもエモすぎるよ〜😇✨ 公爵令嬢って噂とギャップありすぎて逆に可愛いし!この距離縮まる感じ、これからどうなるの?!!次回も楽しみすぎる⋆♡