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マイナーカプです。というか多分このカプ書いてるの私だけです。妄想でやらさせてもろてます。某漫才の協会の若手さんです。同期だけど1歳差。誰とは言いません。気が向けば続きも書きましょう。ご都合展開。よろしくお願いします。
4畳半の狭い空間に大の男がふたり。
床に敷かれた布団に横たわりながらイヤホンを耳に突っ込み画面とにらめっこする相方兼恋人兼同居人を、体育座りで眺める。
距離をおいて敷かれた2枚の布団はこの家では珍しい個々のスペースである。
そんな自分のスペースで腕に頭を預けて上目遣いで見つめはじめて約20分。そろそろ気がつけよ。と言葉を発するにも完全にタイミングを見失ってしまった。どうしたものかとまた数分ぼーっと見つめていると、ようやっと目が合う。
「…なんですか。」
反対側を向いていた体はこちら側に変わり、怪訝そうにイヤホンを片耳だけ外して視線を寄越す。
「いや、いつこっち見るかな、と思って。」
「なんですかそれ。」
「僕をほっぽって楽しそうにしてるから。」
「構って欲しかったんですか…?」
スマホを布団の脇において、半身を起こして話を聞く姿勢は律儀だと思う。
「まさか。」
「素直じゃないですね。」
「うるせぇよ。」
不機嫌な様子を察したのかもう片耳のイヤホンも外し布団から出てくる。
「言ってくれなきゃわからないです。」
あんまりにも真面目な顔で目を見つめてくるものだからなんだか居心地悪くてよそを見る。それがお気に召さなかったのかこっちの布団に座り込んできた。
「こっちくんなよ。」
「西田さんがいつまでも拗ねてるからですよ。」
頬に手を添えてきたかと思えば顔を動かされ、半ば強引に目を合わせられる。
「何かありましたか。」
いつもどこ見てるか分からないくせに、こういう時だけは何がなんでも目を逸らしてこないところが嫌い。全部言わなければ離してはくれなそうだから。
「なんで先帰ったんだよ。」
「はい…?」
目を丸くして素っ頓狂な顔をしてくるのがムカついて添えたままにされていた手を振りほどいて、そこから対角線上の壁に逃げる。
「いつもそうじゃないですか。」
「それはお前がいっつもバイトだからだろ。」
少しずつ距離を近づけてくる。
逃げたくてもこの狭い空間で逃げれるとこなんてなくて、簡単に腕を掴まれる。
「そりゃあそうですけど、一緒に帰りたかったなら言ってくださいよ、今日はバイト休みだったし。 寂しかったならそう言ってください。」
言えたら苦労してないんだよ。
心の中で悪態をつく。でもその通りだから何も言い返せなくて唇をかみしめしかできない。
「切れちゃいますよ。」
指で唇を撫でてくる。それを目で追ってしまう。そのまま顎を上に持ち上げられてキスされた。
「寂しくさせてすみません。次からはちゃんと言ってくださいね。」
ニコッと優しく微笑んで頬から手が離れていく。
ありえない。そこまでやったなら最後まで責任もって持っていけよ。
「許さない。」
そう言ってコイツの匂いがする布団に押し倒した。