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※この作品は私の前垢にて投稿していた《拝啓、本当の幸せを求める君へ_。》という作品のリメイク版です。
↑リメイク前を観たい方は、こちらの方を検索してご覧ください。
※たまに暴言等の要素を含みますが、これらを肯定したり、助長したりなどの意図は一切ございません。
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洞窟で一晩過ごしたランダ一行は、目的地のカルメシル街へと向かっていた。
《いやー、自分の街以外の場所に行くの初めてだなー》
《カルメシル街のパンとかめちゃくちゃ美味いぞ?絶対飛ぶ美味さ》
《なにそれ!後で買いに行こうよ!》
《それもそうだな》
ランダ達は期待を胸に、階段を上がった。
しかし、階段を登りきって見ると、
映った光景は、黒焦げの木や、崩れ落ちた建物だった。
《…え?嘘…昨日まで街があったのに…》
《…これもあの連中の仕業だろうな》
しばらく進んでいくと、道には黄色いテープが貼ってあった。
《何だこれ…俺たち以外にも誰か居るのかな?》
《このテープ…警備部隊か。ランダ、いっその事向こうに行ってみようぜ》
《は、入っていいのそれ…》
《良い子のみんなは真似したらアウトだがな、まあ良いだろ》
羽衣はテープを超えてズカズカ入っていく。ランダも羽衣を追いかけた。
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進んでみると、大通りから怒鳴り声が 聞こえた。まるで誰かを罵っている様な声。
二人は物陰に隠れて様子を見た。
《お前!何で付いてくんだよ! 何の役にも立てないくせに!》
《あーあ…なんでこいつと同じ現場なんだよ俺ら…》
《…ごめん、そんな気は無いんだけど…》
《大体、お前部隊に向いてないんだよ!誰かを救いたいとでも思ったのか?》
《こ、これは父さんが…!!》
《夢見てんじゃねぇよ!!お前は一生孤独で暮らしてりゃ良いんだ…》
罵声を浴びせられている少年に一人の人影が立ちふさがった。
その人影の正体はランダだった。
いつも温厚でお人好しのランダだが、今は我慢の限界だった。
《…あのさぁ、言われるこの子の気持ち分かって言ってんの?幼稚園で習ったよね?自分の嫌なことは他人にしちゃいけないって、お前らこそ部隊に向いてないよ
人を罵って何が楽しいの?人として終わってんねお前ら》
《(ランダ…あんな毒舌だっけ???)》
罵っていた二人は、舌打ちをして去っていった。
ランダは毒舌過ぎて、もう二人友達居なくなってるレベルである。
《…君、大丈夫?》
《…すいません、僕が弱いばかりに…》
《なぁに、悪いのは断然あいつらだろ、なあランダ》
《うん、君は悪くないよ。君、名前は?》
《僕の名前はナビるん》
《俺はランダ、で、こっちが羽衣》
《なぁ、ナビるん、お前なんであいつらに罵られてたんだよ?》
《…実は…》
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一方その頃、ヴァルキューレでは
《ねぇ〜!!此処から出してよ〜!!》
気を失っていたリヨは先程目を覚ました。
《さっきから言っているであろう。出す気は無いぞ》
《…てか誰よあんた!!顔見せなさい!!》
《…はぁ、注文が多いな貴様…仕方ない、見せてやろう》
そう言い目の前が明るくなったと思うと、
見覚えのある顔が見えた。
《…“ギシャード君“?》
《久しぶりだな、リヨ姉さん。》
《ギシャード君、なんでこんな事…街はどうしたのよ!!》
《…さぁ、退廃してるんじゃないのか?戦争が終わってる時点であの街は用済みだ》
《貴方…いつの間にそんな子に…》
そんな風に話してると、一つのモニターに映像が表示された。
《ギシャード様、街に例のものが現れました!》
《…そこに無情とM-96を送らせろ》
《はい、了解しました》
モニターがプツンと切れるとギシャードはリヨにこう言った。
《良かったなぁ貴様、大事な大事なランダが助けに来たようだな》
《…ランダ…》
リヨは檻を揺するのを止め て、モニターを見つめ続けた。
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《…成程、そんな事が…》
《…転職する気ないのかよ?ブラック過ぎるだろ》
《いや…転職してもね…転職先が無いから》
3人は壁に寄りかかって話していた。
《…そうだナビるん、良かったら俺たちと旅しないか…》
そんな時、ドーンと大きな音がした。
《何々!?何の音!?》
《…港の近くから聞こえて来たね…》
《…一応行ってみよう。何があったか分からないしな》
3人は音のする方へと走り出したのだった。
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キャラクター紹介
❏ナビル・サペレージ(通称ナビるん) ♂
警備部隊所属の、天真爛漫な棒もどき。
音速で動くことが出来る。
内に秘める正義感は誰よりも強い。
❏ギシャード・ズクガル ♂
ヴァルキューレのボス。
中二病っぽいが、本人は気づいてない。
ランダの姉、リヨを誘拐させた張本人。
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次回
《たとえ才能が無くとも。》