テラーノベル
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#独占欲
#ワンナイトラブ
#溺愛
日曜日の朝
早朝から届くリュカからのライン
私の体を気遣う文面に
思わず笑みが零れる
リュカからのメッセージを閉じようとした刹那
丁度届いた新着メッセージ通知を
誤ってタップしてしまった
それは
タイトルのない
テキストメッセージだった
スパムメールは開封しない方がいい
その教えを頑なに守り
スパムメールと思しき差出人が不明なメッセージは
これまで開封することはなく
定期的にまとめて削除していた
それが
たまたまメッセージを閉じようとしたタイミングで
たまたま新着メッセージを知らせる
通知のポップアップが表示された為
誤ってタップしてしまった
開封してしまったそのメッセージを
即座に閉じようとした刹那
一瞬目に入った文面に
目が留まり
閉じようとしていた
指が止まる
その文面は
スパムメールとは似つかない
手動で入力されたような文体で
あろうことか
私のプライベートな一面を匂わす内容が含まれていた
「……」
私は
このメッセージに見覚えがあった
開封した事こそないが
以前にも
タイトルの記載がない
不明な差出人からのメッセージがあった
急に怖くなり
即座にメッセージの消去を試みるも
すんでのところで留まる
(……リュカに相談してみようかな)
(もう変な気遣いすべきじゃないよね)
(自分で解決できないことは相談しよう)
直感だった
何となくそうすべきだと思った
思い留まり
そのままメッセージを閉じた
何とも不気味な出来事に
背筋が凍り鳥肌が立つ
私の与り知らないところで
何かが起こっているのだろうか
差出人も意味も意図も理由も何もわからない
ただただ気味が悪かった
***
気を持ち直し
朝から家事に勤しむありがちな日曜日
平日の事後処理と
平日の事前準備
未だ起きて来ない純也を気遣い
うるさい掃除機や洗濯機は後回し
調理や整理整頓を優先させる
手と体を動かしながら考える
これからのこと
やることは山積み
障壁は多く
高く険しい
いばらの道
一言に離婚と言っても
届出を出して終わりではない
実際にはそこに至るまでに
神経を擦り減らす煩雑な過程がある
届出など最後の形式に過ぎない
お腹の子のこともある
山積する難題
頭を巡らせ考えながら
休憩がてらに軽い昼食を摂る
しばしの休息
未だ純也は起きて来ない
食後の小休止を終え外出する
向かう先は銀行のATM
母親への振り込みも欠かせない
さもないと
またいつ押し掛けて来るやもしれない
離婚するとなると
母親のことも考えなければならない
母親へも伝えなければならないし
その後の付き合い方も考えなければならない
その他支払いをコンビニで済ませ
今度はスーパーへと向かう
休日と言えど
実質的な休みは土曜日くらいだ
タスクが異なるだけで
日曜日には日曜日の仕事がある
スーパーへと向かう道すがら
ショーウィンドウに飾られた
乳児向け衣類に目が留まる
(私ももうじき……)
お腹に手を当て
未来のこと思い耽る
この子たちの為にも
私は成し遂げなければならない
良い未来と
良い環境を
その時のために
その時までに
私は成し遂げなければならない
良い環境で育ててあげたい
私の二の舞にはしたくない
今の私は自分のことで精一杯
自分のことすら手に余る
でも
我が子の為にも
私は成し遂げなければならない
我が子の為なら
そう考えると
その責任感と圧迫感が
私を後押しする
目の前のことをこなしながら
運命を前に進める
新しい未来に辿り着くまで
***
陽も傾き始め
何だかんだで夕刻時
日曜日のタスクを一通り終え
買い物袋を下げて自宅へと戻る
帰宅すると
純也が起床していた
いつもの定位置ソファにもたれ掛かり
今日も今日とてスマホにご執心
いつもと違ったのは
帰宅した私に声を掛けてきた
「どこ行ってたの?」
普通の夫婦であれば
普通の会話
普段たいして話し掛けてこない純也は
最近は私の行先にご執心
ただの自己関心を満たすだけの問い
温もりのない言葉に虚しくなる
「お母さんの仕送りとか買い物とかだよ」
買って来た食材をキッチンに下ろしながら
互いに目も合わせず会話する
「昨日はどこ行ってたの?」
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