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「ならきっと望月さんが高杉さんにその話聞いたこと早瀬さん知って、なんとなく状況理解出来たんじゃないですかね。それで心配して望月さんに会いに来たんだと思います」
「どうなんだろね。昨日の女性はせめて遊び相手じゃないと信じたいけど。だけどそのずっと想ってた人だったんなら、きっと私の存在は面倒なんじゃないかな」
「それはないと思います!望月さんに対して早瀬さん見ててもそんな感じしないですもん!」
「もしそうだとしたら、多分早瀬くん優しいからホントのこと言えないのかもね。そういう関係の私傷つけたくないって思ってくれてるんじゃないかな」
「なら、そこですでに望月さんは他の人とは違う特別な存在ってことじゃないですか」
「いや、ただ職場も同じでプロジェクトも同じだしさ。実はさ・・偶然部屋も隣で・・・」
「えっ!? 住んでる部屋が隣なんですか!?」
「そうたまたまね。たまたま。私も気付いた時はビックリしたんだけど」
「なんですか、そのドラマみたいなロマンチックな偶然」
思わず冷静にツッコむ三輪ちゃん。
「うん。私もそれ知った時は思わずちょっとドラマのヒロインみたいな気分になったよね。運命的で」
「ですよね!そこまで一緒ってなかなかですね」
「うん。だからだよ。だから多分気まずいし、これからの仕事もやりにくいしさ。早瀬くんどうしようか悩んでるかもしれないね」
「うーん。それも確かに一理ありますけど・・・」
「まさかのこのいろんなことに対しての距離の近さが問題なのよね・・・」
「確かに・・・」
「でも気まずいから仕事降りますってそんなことじゃないワケじゃん。これから取り掛かる大規模なプロジェクトでもあるし」
「ですね」
「だから。私もどうしていいかわかんなくてさ。今はまだ正解見つからないワケよ」
「なるほど・・。ちなみにそれ早瀬さんに直接聞いたんですか?」
「うーうん。まだ聞く勇気なくてさ。携帯見たら早瀬くんからメッセージ来てた気がするけど読んでない」
「あー。じゃあそれは多分早瀬さん焦ってますね。でもこんな望月さん見たらすぐに早瀬さんも様子おかしいって気付くと思いますよ?」
「だから、今は会いたくないんだよねー。まだ現実受け入れられる気がしなくって」
「ならそのメッセージの返信もないし、いてもたってもいられなくて望月さんの様子確認しに会いに来られたんではないかと」
まだメッセージ見る勇気もないや。
普通の内容でもそうじゃなくても、今はどう返信していいかわからない。
「まぁ、早瀬さん頭のいい人だからなんとなくもう気付いてる気がしますけどね。その原因も自分にあるって、多分早瀬さんわかってると思います」
「そうなのかな・・・」
どこまで気付いてるのかはわからないけど。
でもあの女性の存在気付いたことは、さすがにわかってないだろうな・・・。
「で。二人の関係はちなみにどこまでなんですか?」
そっか。そこまだちゃんと伝えてなかったか。
「どこまでって・・ねぇ。どこまでなんだろうねぇ・・?」
思わず誤魔化す。
「望月さん。誤魔化さないでください。もう今更です」
「だよね・・・」
三輪ちゃん逞しい・・・。
三輪ちゃんにはもうホントのこと言った方がいいな。
「ていうか、ホントにわかんないんだよね」
「えっ?どういうことですか?」
不思議そうにそりゃ三輪ちゃんも聞くわな。
私もどういうことかわかんないもん。
「早瀬くんとの関係がどう言っていいかわかんない」
「えっ?何、そんな怪しい関係なんですか?」
「いや、怪しいっていうか・・・うーん・・・」
どう説明したらいいんだろう。
人に説明出来ないこの関係自体そもそもやっぱりおかしいんだよ。
「きっかけはどんな感じだったんですか?」
「うーん。お互いの行きつけの知り合いの店で声かけられて」
「はっ!?えっ!?ナンパですか!?」
「いや!ナンパってそんな!」
そんな露骨な言葉を言われるとは。
いや、でもそう思ってただけである意味そういうことだったのか・・・?
「まさかビックリです。会社で有名な二人なのに、出会いが会社ではなく店でのナンパだなんて」
「三輪ちゃんそんなハッキリ・・・」
オブラートに包まずドストレートに言う三輪ちゃんさすがだ。
「まぁ私その時このプロジェクト決まる前で。正直早瀬くんのこと同じ会社だって知らなくて」
「あぁ~。そういえば前に食堂で私が早瀬さんのこと話してた時に、望月さん知らなかった感じでしたよね」
うん。あのちょっと前に知り合ったからね。
「それでナンパから付き合った感じですか?最初から?」
「いや、最初は付き合ってなくて・・なんか最初はまだ微妙な感じで・・・」
その期間はなんて説明したらよいのやら。
「えっ、最初っからすでにもうやっちゃった感じですか?」
「いや!それはまだ・・なんだけど」
そしてまた今度もド直球。
「えっ、それはまだなんですね!?あの早瀬さんが意外」
「うん。なんか意外だよね。イメージではすぐにそんな感じに思うよね」
「ええ。なんならそういう相手は困らないくらいの人だと思ってました」
「だよね。少なからず私もそんな感じのイメージだった。最初は」
ギリギリの誘惑まがいのことはあったけど、結局それまでだったよね。
「実際は違うんですね。さすがの望月さんだから手出しにくかったんでしょうか」
「そこまで深く考えてんのかわかんないけどさ。それ本人に私も聞きたいくらいだわ」
「聞いてないんですね」
「うん。聞けないよね、別にそれだけ求めてるワケじゃないし」
「なるほど」
「まぁそこまで私に魅力感じなかったんじゃないの?」
なんか言葉ではそういうこと言ってたけど実際何もなかったし。
「ぶっちゃけキスもまだですか?」
「三輪ちゃんズバッと聞くね」
「ええ。そこ大事なポイントなんで」
三輪ちゃんが淡々と質問してくる。
「それは・・・した」
「なるほど」
きっとそこまでは誰とでも出来ちゃうんだろうな。
「それなら、まったく魅力感じてないってワケではないかと。そもそも望月さんに魅力感じないとかは基本ないと思います。なので、何か意図的なモノがあるのでは」
「意図的って何?」
「わかりません」
「だよね」
「でも、わざわざそんなめんどくさいことしますかね?」
「何が?」
「早瀬さんがです。同じ職場の人で、しかも望月さん年上で先輩で。会社で有名なそんな望月さんにわざわざ声かけて、そんな微妙な関係望みますかね?」
確かに。
そんなめんどくさいことなんでしたんだろ。
向こうは最初から私のこと知ってる感じだったし。
「でも最初は微妙な関係からまぁなんとなく、早瀬くんは他に想ってる人がいながら忘れる為に付き合ったって感じ、なのかも」
「そんな感じなんですね。そうですね・・・でもそれ果たしてそういうことなんですかね?」
「とは?」
「望月さんが思ってるようなことだけじゃないってことです。私には早瀬さんの行動がなんかそれぞれ意味あるように思えます」
「意味・・あるのかな」
「私が見た感じですけど、やっぱり早瀬さんが望月さんにそんないい加減な気持ちで近付いてるワケないと思うんですよ。逆に何もしてないからこそそれでも付き合うことになった意味です」
「どうなんだろ・・・」
「望月さんはやっぱ当事者なので見えてないモノもあるかもしれない。でも第三者の私から見ると、その早瀬さんともう一人の女性との関係もそんな感じじゃないような気がするんですよね」
確かにそれはあるかもしれないな。
私はもう自分のことすぎて正しい反応が出来てない気がする。
「だから、とりあえずは早瀬さんに話聞かなきゃわからないってことです」
「それはそうなんだけど・・・」
「まだそこまで勇気出ない感じですか」
「頭ではわかってるんだけどね。ちゃんと話聞いてどうにかしなきゃって。でもまだ心が受け付けないっていうか・・・」
「でも望月さんが思ってるような関係ではないかもしれないじゃないですか」
三輪ちゃんが言い切るとなんだかそんな風にも思えてくる。