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「もし。ホントに違ったらどうします?全部望月さんの誤解だったとしたら」
「それは・・・」
「もしそうだとしてこれで終わってしまったら後悔するんじゃないですか?」
「・・・・」
「別に私早瀬さんの味方してるワケでもなんでもないですけど。別に何の得にもならないので」
「うん。だよね。知ってる」
「はい。ただ望月さんに後悔してほしくないだけです」
「うん。それもわかってる。ありがと」
「まだこれから仕事も一緒に続けていくワケだし、正直大変だとは思いますけど。 でもとりあえず一回話し合ってみて下さい」
「そう・・だね」
「まぁ終わりにするならするで、もしそれでホントに望月さんの思ってる通りなら、思う存分早瀬さんに愚痴って後悔残さないようにキッパリ別れちゃってください」
「三輪ちゃん背中押してるのか押してないのかわかんないよね」
「全力で望月さんの応援しているつもりです」
「じゃあそのまま素直にそう受け取っておきます」
そうだよね。
ずっと逃げ回ってるワケにはいかないよね・・・。
「でも三輪ちゃんに聞いてもらって随分気持ちは楽になった」
「ホントですか!ならよかったです!」
「ありがとね、三輪ちゃん」
「いえいえ。私で良ければいつでも話聞きます!」
三輪ちゃんホントありがとう。
今の私には三輪ちゃんのその言葉で随分力になった。
少しだけ前向きになったような・・気がする。
うん。わかってる。
ずっとこんなままじゃダメだって。
自分が思い込んでるだけで、本当のことはわからない。
だけど、樹が伝える言葉もどこまでが真実なのかもわからない。
きっと確かめる勇気がないのは、樹に認められるのが怖いから。
きっとこの関係がこのまま終わってしまいそうで怖いから。
自分以外の他の誰かを最初から大切に想っていることなんて、わかっていたはずなのに。
だけど、自分だけの特別を知ってしまうと、それが本物の特別なのだと思いたくなる。
本当はそんな特別を手放したくなくて、もっとその特別が欲しくて。
このまま知らないフリをすれば、ずっと彼も気づかないまま、自分にその特別を与え続けてくれる。
一度味わったそのドキドキも甘い時間も今更忘れられなくて、離れられなくて。
例え誰かを想っていても、その瞬間自分だけを見てくれるなら、特別に想ってくれるのならそれでいい。
なのに。
彼にちゃんと聞くことさえ出来ない自分が情けなくなる。
もっと余裕な自分で、大人な自分でいられたらよかったのに。
そうすれば簡単にこの関係も続けられていたかもしれないのに。
だけど、今はもう。
そんな簡単なことも出来ないほど、今までの自分を見失うほど。
・・・樹を好きになりすぎてしまった。