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アルトは数日後、羅刹学園に到着した。
有人side
久しぶりの学園にワクワクして足が軽い。
あの森も校舎も何も変わってはいない。
そういえば、無人の顔を見るのも随分久しぶりだ。兄ちゃん寂しかったんだからな…
職員室のドアに手をかける。
勢いよくガラッとドアが開かれる。加減を知らない。
有人「無人ー!!!!」
爆速で走っては抱きつく。無人の眉間には何層もの皺が浮かんでいる。
有人「久しぶり〜!元気だったかー?あ、もしかしてちょっと痩せた?」
無人「…アルト、話を…」
有人「なんかまたイケメンになったなぁ!?コノヤロー羨ましいぜ!!あ、ご飯はしっかり食べなきゃダメだぞ?体型管理とか無理しすぎんなよ? 」
無人「いやだから、話…」
有人「あ、そうそう!お土産が―」
無人「うるさいッ!」
無人の声は羅刹学園中に響いた。
アルトもあまりの声量に耳鳴りをしているようだ。
有人「あ、ごめんちゃい……」
無人「はぁ……アルト、人の話を聞かずにだらだら話す癖ほんとに直せ。」
有人「つい楽しくなっちゃってさ〜」
無人「はぁ………」
無人「お前非常勤講師なんだってな?」
有人「そうそう」
無人「とりあえず今日は顔見せと軽く扱いてやれ」
有人「えー、俺感覚わかんねぇよ。とりあえず死なねぇ程度で?」
無人「……はぁ……俺が遠くから見とくから安心しろ」
有人「え!!それ安心するわー!流石ないと♡あ、キスいる?」
無人「いらん」
そしてため息を着いては職員室を出ていった。アルトといるのが疲れるのだろう。
そして授業が始まる。
まだ若い生徒たちを見て自然に目元が緩む。
有人「すぅ………皆ー!!初めまして、無陀野有人です!!!!よろしくーーー!!!!」
四季「うわ”、うるせー!?!?」
迅「……静かにしろよ…」
有人「見ての通り無人の双子の兄です♡」
四季「え!!確かに顔そっっくり!!なんかニヤけたムダ先って感じだわ 」
碇「こいつが兄ってムダ先相当苦労してんだろ…」
有人「質問あったらどうぞ〜」
四季「はいはーい!ムダ先の恥ずいエピソードあるー?」
有人「あー、それはねえ––––」
その瞬間シュッと音がした。
血で生成された矢がアルトの頬を掠める。
遠くにいるはずなのにこの精度。無人の仕業だ。
四季「ひょぇ………」
ロクロ「ひい!!」
有人「……小四の時に〜」
四季「え、そんまんま話すの!?やめときな!?」
有人「そう?じゃあ辞めるわ」
少ししゅんとしている。
そんな有人の様子を無視して迅が一言。
迅「血蝕解放はどんなものなんだ?」
一瞬、ほんの一瞬だけ目の奥に動揺が宿った気がした。
四季「あ、それ気になるわ!ムダ先みたいな能力だったりするんかな?」
有人「……それは企業秘密ね!」
四季「えー、ケチ」
有人「ケチでケッコーコケコッコー」
水鶏(なんだそれ……………)
有人「やば、時間ないからそんまんま授業入るね〜!!」
有人「今日はみんなの癖とか見ていきたいな!俺と試合しよっか!」
遊摺部「あの…貴方非常勤講師として呼ばれるくらいですから、相当体術強いですよね?素人の俺たちの歯が経つ相手ではないように思えますけど」
有人「んー、じゃあみんな一斉に来てOK!血蝕解放は使わないこと! 」
有人「じゃ、おいで?」
その瞬間空気が変わった。
緊張で空気が張り詰める。先程にはなかったようなオーラがそこにあった。
まずは四季が飛び蹴りをした。
四季「くらえーーー!!」
有人「声出すとバレバレだよ!!」
四季の足首を掴む。力が強い。
迅「チッ、何やってんだバカ!」
一斉に全員が向かっていく。囲まれた状態になったその時、四季の足をまた強く掴み直し、そのままグルグルと早く回転する。
足を掴まれた四季は不本意に体が動かれ、ブンブン回る。その四季に、 周りの生徒たちがなぎ倒されていく。
帆希「きゃあッ!!」
碇「ちょ、四季いい加減にしろやッ!」
四季「えええ、これ俺のせい!?」
有人「最後は……ッ…ホームラーーン!!」
四季が空中に投げ出される。この高さ、首から落下すれば大変なことになるだろう。
四季「ぎゃぁぁぁぁあ!!?」
有人「ありゃ…?え、やりすぎた!?待って待ってストップストップ!!!」
四季「空中でストップは無理だろ!!」
やばい…落ちる………!!
ドスッ
無人「……やりすぎだバカ」
四季「む、ムダ先〜〜〜〜〜!! 」
無人が四季をキャッチしてくれた。
その事実を理解するまで5秒必要だった。
理解した瞬間力が抜けたようにへたりこんだ。
有人「よかったぁぁあ〜!!ごめん、ごめんね四季くん〜〜〜〜泣」
四季「なんでセンセがいちばん泣いてんだよ!!」
無人「……お前、あれが体術だなんてふざけてるのか?」
有人「え、体術だろ?ほら、体術ってさ、体の術って書くじゃん?」
無人「……聞き方を変えよう。人投げて「ホームラン」と叫ぶのが、お前の体術なのか?」
目を逸らす。無人が怒っているのを感知しているようだ。
無人「お前の動きには無駄が多い。真面目に取り組め」
有人「はい……」
後日、生徒の間では「ムダ先が兄説」を唱えるものも出たという。アルトに着いたあだ名は「ダメ先」であった………