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一向に進まない。
さっきパチからの連絡が来てから、随分と経った。
…なのに、他のみんなからすらも、連絡がない。
不安と恐怖を自然と感じながら、走る。
さっさと、依頼を終わらせるために。
ピーッ!ピーッ!
「あ…?うるせ…分かった、見るから辞めろ」
急になった音に怒りを覚えながら、渋々確認する。
『__お!繋がったか?よー、イラ!』
『でさ、ライからさっき連絡があっt』
「邪魔するならぶっ飛ばすぞこのクソ野郎が」
『貴様連絡を届けに来ただけだろ馬鹿』
やっぱこいつの声聞くとムカつく。
幽霊だからって無理矢理仲間にされた気分だ。
『…中指立てたろうか?精神的ダメージお前弱ぇだろ』
「⚪︎ね」
『わぁ、すっごい傷ついたぁ(棒)』
「手短に話せ。こっちもこっちで時間無い」
『分かってるわ。さっきライと馬鹿から連絡きた』
「内容は?」
…まぁ、どうせ双子が見つかったとかだろ。
こんな早く終わる訳無いしな。流石のあいつでも。
『終わったらしい』
「…は?」
えぇ?驚きのあまり変な声出たよ。
…やっぱあいつ人間じゃねぇよ。化け物だ。
『死体の後始末に時間かかるってよ』
『「終わったらそっちくるから待ってて」とのことだ』
…ひとつ気になったことがある。
こいつには訊きたく無いが、しょうがない。
「おい」
『何だよ。俺もそっちいくから』
『何?寒しがり屋?うさぎちゃんですか?』
「野うさぎは普通に1匹で生きるし寂しくて死なないぞ?」
『……』
「ひとつ訊く」
『…何だ。さっさと言ってくれ』
お前、不機嫌が分かりやすいな。
今度依頼終わったらイジってやろうかな。
「…それ嘘だろ?」
『…あぁ、おそらくな』
『後始末がそんなに時間かかる訳無いしな』
『おそらくだが、仲間にでもしたんじゃないか?』
「知らんけど?」
『知らんけど』
「そうか…じゃ、一旦切るな」
『おぉ、分かった。じゃな』
ピッ
「さて…走るか」
生憎、今日は風が強いが関係ない。
「『金貨決定魔法、過ぎ去る風』」
すっ…と、面白いぐらいに風が止む。
やっぱ便利だなこの魔法。
「……?」
「何だ、これ…??」
風が止み、視界が良くなった時、あるものが目に映った。
俺が目を丸くした先には、怪物の死骸があった。
…いや、詳しく言うと歯型のようなものが多く見られ、食い散らかしたようだった。
こんなことをする奴は、この世界でたった1人しかいないはずだ。
「ライ…先回りしやがったか」
「ち…急がないとあいつ突っ込んで行くぞ…」
___て__でまたな__いけないの?
_かたな___う?_いに__ててと_われ__ら
風も止んで、急ぐ理由ができた時ふと、誰かの声がした。
俺はすぐさま近くの壁に隠れ、聞き耳をたてた。
所々途切れていて、あまり聞こえない。
話の全貌を聞くため、情報を集めるため
聴覚に全神経を集中させる。
だって__こはわた__ちをしんぱい__くれているの_
だ__てもずい_んと___とおもわ_いの_お__は
…結構、声が似ている。
双子か?それとも兄弟か。
__ちょ_とまっ__そこにだれ__る
_れかわか_るの?___ねえちゃ_
まずい、見つかった?
いやでもそんな訳はない。こんなに離れている。
気のせいであってくれ。情報がたらないんだ。
「……だぁれ?」
「ぁ……」
「ツバキ姉ちゃん?誰が___」
「ッ…!?……モンスターキラー?」
見つかってしまった。
しかも、相手にモンスターキラーだとバレている。
こいつらは、依頼の双子だろう。
…惜しいことをしてしまったな…。
「あ…あぁーー!!!」
「もしかしてライちゃんのお友達ですかッ!?」
「やっと会えたぁ〜!2人ぼっちだったんだよぉ〜」
「…え?」
「姉ちゃん、混乱してるから」
「えっ、御免なさい!ウキウキしちゃって…」
…こいつ、誰だ?
「え、えぇっと私はツバキです!」
「あぁッ!ここにいるのは怪しい人だからじゃないですからね!?」
「違います!違いますから!!」
「…分かってる」
「わぁイケメン」
「シオン…?」
「御免なさい」
「あ、こっちが弟のシオンです!」
「ライちゃんのお友達で〜、今日あったんですよぉ!」
「最初はめちゃ怖かったんですけど意外と可愛くて!」
「いや〜、惚れ込んじゃいましたねぇ〜!」
…ちょっと待て。
こいつら、本当に教育を受けていないのか…?
姉は話し方が達者だし、弟は真面目すぎる…。
…この世界、もう教育要らないかもな。
「すみません。姉は興奮すると周りが見えなくて」
「…いや、大丈夫だよ」
「わぁイケメn」
「シオンちゃ〜ん??」
「はぁい…」
わぁ、圧力エグ。
「あ!そういえば伝言がありました」
「えっと、ライちゃんから『先行っとくね〜』だそうです!」
「超可愛いかったです本当に」
「ツバキ姉ちゃんこそ、そろそろ怒るよ?」
「ゴメンナサイ」
…なんか。
何となくだけど。
俺とアランに似てる…。
「あの…僕たちは貴方を何と呼べば…?」
「あぁ、そういえば名前聞いてない!」
「何て言うんですか?あだ名ってあります!?」
「…イラ・アフェネクタン。あだ名はイラン…」
「イラさんですか!イラさんって呼びますね!!」
「兄貴でいいですか?」
「シオン、真面目にして。年上だよ?」
「本気です。いいですか?」
兄貴…。
俺が、?
完璧な兄貴の呼び名を借りるのか…?
何と…恐れ多い…。
「…別に構わない」
「ふ〜ん?格好つけたいの?」
「あー!あんたどーせ友達の前ではゲラゲラ笑ったりするんでしょう!?」
「もう、初対面の人なら分かるけど、私達は貴方の友達の友達よ!?」
「ツバキ姉ちゃん。それほぼ赤の他人だよ?」
「あとイラさんって呼ぶんじゃなかったの?」
「う……うるさいわねっ!?知っててわざと言ったのよ?」
「あ、後あだ名はちょ、ちょっと忘れてて…ゴニョ」
シオン。
その性格、見た目。
出会った時から思っていた。
兄貴に、似てる。
君のことをこう言おうか。
「冷徹な花束…」
「…へ?何が」
「シオン、君のあだ名だ」
「え…?」
「…やっぱ双子だから?あだ名も似てるね」
「ツバキ、君のあだ名は何なんだ?」
「花束よ。花束の姫君。意味は知らないけど」
「…てか、何でそんなあだ名かっこいいのよ!?」
「姫君も十分だと思うがな」
「…どう言う意味なの?教えてよ」
「それは君が調べるべきだ。頑張れよ」
「は……はぁー!?!?」
「ツバキ姉ちゃん!お仕事は!?」
「あ…………」
「忘れてたッ!?!?急げぇ!?」
「ツバキ姉ちゃーん!?」
「…面倒臭いが、追いかけるか」
「ですねぇ…」
え!?もう11話!?
は…早ッ。
てかツバキ姉ちゃんこんなキャラなの意外かも。
てかイラへの偏見がすごいな。
梅雨=嫌いな主です。
あーした運動系の授業あるから雨になぁれ♡(キモ)
うん、もう終わろう。
ばいばい👋