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#実況者
オニョ?
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少しテンポが早いかもしれません。
地雷の方は観覧しないことをおすすめいたします。
とある日の楽屋でのこと。
オレンジ色のツナギを着た向井康二が、パイプ椅子に座ってウトウトしている目黒蓮に突進して行った。
「れぇーんーー!!起きてやーーーーー!」
「…うわっ、え?なに、康二重い、どいて。それとうるさい。」
「そーんなつれないこと言いなさんな、この向井康二が起こしに来たんやでぇ? 」
「それがなに?眠いから邪魔しないで 」
冷たく言い放つ目黒に対しそんなことは気にも止めず目黒を構いまくっている向井。
この2人はかなり前から付き合っている。
その証拠に、目黒は邪魔だとか言っているくせに膝の上に乗った向井の腰に回した手を離そうとしない。
そんないつもの光景を少し離れたところから見守る人物がいた。
その者の名前は、阿部亮平。
いつもならなんて事ない日常の光景で、気に止めることはない。
しかしふと、彼らが名前で呼び合っていることに気づく。
向井は元々目黒のことを「めめ」と呼んでいた。今日の収録中もそう呼んでいたはずだ。
だが、メンバーしかいないこの楽屋では名前呼び。
阿部は羨ましいな、と思った。
阿部には1年ほど前から付き合い始めた同じメンバーの深澤辰哉という彼氏がいる。
彼との今までの会話を思い返してみて、「亮平」と呼ばれたことも、「辰哉」と呼んだこともなかった。
「阿部ちゃん」、「ふっか」と呼び合うことが当たり前になりすぎて、気づかなかった。
今夜は深澤が阿部の家に泊まる日だ。
ちょうどいい。今夜さっそく名前で呼んでみよう。と阿部は決心したのであった。
阿部の家。
食事も終わり、深澤はシャワールームに向かった。
阿部は深澤が戻ってきたタイミングで、名前を呼ぼうとしたのだが。
いざ名前で呼ぼうとすると、なぜがとても緊張してくる。
空気に向かって一度「辰哉」と言ってみたところ、とてつもなく恥ずかしくなった。
今鏡を見たら自分の顔が真っ赤になっているに違いない。
呼び方を変えるなんて簡単だと思っていたのに。
緊張と羞恥心と驚きで固まっている時に深澤が戻ってきてしまった。
「阿部ちゃーん、シャワーありがとー。……あれ?阿部ちゃん?どったの?耳が真っ赤よ?」
「っあ、な、何でもない!!シャワー行ってくる!!! 」
逃げるように全速力でシャワールームに向かう阿部の後ろ姿を見た深澤は、 「えぇぇ、いや、ほんとどったのよ…」と困惑するしかなかった。
阿部side
冷たいシャワーを頭から被り、必死で冷静になろうとする。
こんなに難しくて、恥ずかしいだなんて思いもしなかった。
空気に向かって「辰哉」と呟いた時の羞恥心がまたぶり返し、冷たいシャワーがぬるく感じる。
これはどうするべきか。こんなになるなら現状維持でもいいんじゃないか。いやでも付き合って一年も経つのにまだあだ名呼びなんて…と悶々と考えているうちにくしゃみが出た。
冷たい水を浴びすぎて体が冷えてしまった。
このままでは風邪を引き、頭がショートしてしまう。一旦考えるのはやめよう。
シャワーを温水に切り替え、無心で体を洗った。
シャワールームを出て、深澤のいるリビングに向かう。
リビングのドアの前に立ち止まり、大きな深呼吸をする。
ドアに向かって、もう一度「辰哉」と呟いやいてみる。まだ羞恥心はあるが、さっきよりはマシだ。
意を決して、ドアノブを捻る。
「っ、た、辰哉!シャワー上がったよ!!!」
半ば叫ぶような言い方になってしまった。
しかし、肝心の返事が来ない。
深澤がいるであろうソファを覗き込むとそこにはすやすやと寝息を立てる深澤の姿があった。
さっきまでの自分の覚悟はなんだったのだろうか。
能天気に眠る深澤に怒りが沸き、深澤に跨り胸ぐらを掴んで、「辰哉ぁ!!!この野郎!!!起きろ!! 」と怒りに任せて叫ぶ。
もう名前を呼ぶことに対する羞恥心など吹き飛んでいた。
急に起こされ何が何だかわかっていない様子の深澤をお構い無しに、「俺がどれだけ悩んだかを知らずにのうのうの寝やがって!!俺の覚悟を返せぇぇ!!」と捲し立てる。
「んえぇ?!なに、ほんとにどうしたの?!ていうか今、辰哉って呼んだ?!」
「うるさい!!!俺の覚悟を無駄にしやがってぇ…」
「んん?阿部ちゃん、一旦落ち着こ?大丈夫?俺なんかしちゃった ?」
「うぅぅ…」
「..おしおし、そんでどったの?言ってくれる?」
「……….まえ….」
「んん?」
「…..名前!名前で呼び合いたいの……」
「んぉ??」
「だから!!名前!付き合って一年も経つのにずっとふっかだし、阿部ちゃんだし…、こ、恋人の特別感出したかったの!」
「….そぉゆー事ね。阿部ちゃん、あ、いや、亮平。気づいてあげられなくてごめんね。」
「ぅん…」
「じゃあ、ずっとこれで悩んでたの?」
「ぅん…いきなり名前で呼んでみたらすごく恥ずかしくて、自分でもびっくりするくらい…」
「うんうん、だからあんなに真っ赤だったのね。」
「ぅるさい…忘れろ..」
「んふふ、りょーへい、ありがとう。でも、そういう事なら相談してよぉ…俺、なんかやらかしちゃったのかと思った」
「うん…ごめんなさい..」
「んふ、ね、りょーへい、もう1回辰哉って呼んで?」
「っ、た、たつゃ…」
改めて言うと、また恥ずかしさがぶり返し、最後は尻すぼみになってしまう。
深澤は上半身を起こし、阿部が深澤の太ももに跨る状態になる。
深澤が上目遣いでにこにこと俺を見つめるのも相まって、目を逸らしてしまった。
恥ずかしい。でも、嬉しい。そんな感情が頭を支配する。
深澤は阿部の顎をそっと掴み、また目を合わせる。
薄く開いた阿部の唇に誘われるがままキスをした。
もう何度もキスをしたというのに、未だに慣れない。それはきっと辰哉の色気のせい。
「亮平、愛してるよ 」
「俺も…辰哉のこと、愛してる」
お互いの名前を呼び合う声は、甘い夜に溶けていった。
コメント
1件
おお、名前呼びに挑戦する阿部ちゃんの緊張感がすごく伝わってきました…!シャワーで「辰哉」って呟いて真っ赤になるの、めちゃくちゃ可愛い。最後にふっかが気づいてくれて、亮平って呼び返してくれるところがじんわり温かかったです。二人の距離がぐっと縮まった感じがして、読んでてほっこりしました☺️