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なんやかんやあって話が聞けるほど回復した俺は、彼からなぜ俺を連れてきたのかを聞かされた。
gt「そんなの簡単だよ」
gt「ただの気まぐれさ」
us「…気まぐれ?」
gt「拾ってきた玩具で遊ぶだけ」
gt「目的はそれだけだよ」
gt「それに…今から係を務めますって状態になっても難しいでしょ?」
gt「ずっと最高権力者であった君なら、使用人達に仕事は任せきりだもんね」
us「なら、どうしろと?」
gt「君の業務内容は1つだけ」
gt「俺の下僕として従順に働くこと」
gt「それなら簡単だろ?」
us「…」
us(そんな奴隷みたいな扱いを…)
gt「ま、せいぜい遊び道具以上の価値があることを示し続けることだな」
gt「…ただ、これだけは言っておく」
椅子は小さく軋み、彼はその音に背中を押されるように腰を浮かせた。
彼はそっと身を乗り出し、俺の顔を覗き込む。
相手の瞳に映る自分が僅かに揺れているのが見える。
gt「下僕として働く心得があるのなら」
gt「”飽きたら捨てられる”」
gt「この言いなりを最期まで頭にねじ込んでおけ」
us「…」
志を胸で示すかのように、俺は彼に向かって頭を垂れた。
22時の靴音が広い廊下に放たれた時、乾いた反響となって戻ってきた。
一定のリズムで刻まれるその音は壁にぶつかり、天井をかすめ、逃げ場のない空間に染み込んでいく。
us(…ここが、彼の部屋)
前例のない光景に目を丸くさせた。
前の屋敷とは比例しない広大な広さに圧倒され、圧倒的な存在感に魅了されていく。
扉に向けて拳を軽く上げ、躊躇うような間を置いてから控えめな音を刻んだ。
コンコンッと叩いた響きは木の奥へ吸い込まれ、返事を待つ沈黙だけが廊下に残る。
us「失礼」
一泊の沈黙のあとドアの向こうで気配が動いた。
蝶番が微かに鳴り響いた後、隙間から光が細い刃のように差し込む。
ゆっくりと扉が開き、隠されていた向こう側の空気がこちらへ流れ込んできた。
gt「風呂は済ませた?」
us「あぁ、あんな大きいお部屋まで用意してくれて…ありがとう」
gt「そりゃあ良かった」
gt「まぁ、俺の横にでもおいでよ」
ベットに尻を付いている彼は、ポンポンと自分の真横を軽く叩いている。
俺はそれに従順に答え、彼の元に歩み寄っていく。
_ドサッ。
尻もちを着いたと同時に、彼に覆いかぶされている事に気がついた。
us「…え?」
背中に回された腕が、優しいのに容赦なく俺の決意を封じた。
その腕の中で、自由よりも安らぎを選びそうになる自分が怖くて怖くて堪らない。
gt「俺の従順な下僕なら、 こういうことだってあるだろ」
息が混ざる距離で、理性と感情の境界線がゆっくりと溶けていく。
唇が触れた瞬間、言葉にできない感情が胸の奥で波打った。
唇が触れ合う時間は、まるで呼吸の1部のように自然で儚かった。
やがて彼はゆっくりと唇を離す。
gt「…さぁ」
手馴れた手つきで太ももを触られる。
彼の唇がゆらりと歪み、ニヤッと笑ったその表情には、言葉にできない恐怖と底知れぬ意図が潜んでいた。
gt「俺を楽しませろよ」
指先がベルトに触れた途端、胸が締め付けられるように苦しかった。
ピンク色の舌で首筋を舐められ、ビクリと体が反応する。
us「ぁ…あ…!」
耳元で舌なめずりが聞こえた。
その瞬間、俺はようやく自分が連れてこられた場所が、恐ろしい化け物達が支配している館なのだと理解した。
【第2話 ~完~】