──────めめさん視点──────
ブブを見送った後、私はぜんさんの遺書を魂に持たせ、その部屋を後にする。…ぜんさんの死体はとりあえずれいまりさんと同じところに置くとして。おそらくブブは最高神──────ロストのところに行き直々に交渉しに行くのだろう。…あいつが魂を保管しているなんてありえないと思うけど。そう思いながら廊下を歩けば、いつの間にか私の部屋の前で、そのまま私の部屋へとはいる。
──────ガチャ
シンプルな音が耳に届き、それと同時に扉が開く。入り終わったら鍵を閉める。…この行動にあまり意味の無いことはつい先程証明されたが、念の為だ。
私は、小さな机を取り出し、村民たちの遺書をテーブルの上に並べる。私自身はベッドの上に座る。私が乗れば、体重分沈み、私の体にフィットする。…その沈みとともに私の心も沈んでいく。
『遺書』。たった2文字のそれは、見ただけでも現実を突きつける。それは故人からの最後に託された思いと、感情と、未来。そして、最初で最後の言葉。
1枚目は、とレイラーさんの遺書を開く。遺書の中には手紙と、種族長の証である宝石と、レイラーさんのお気に入りのリボンが入っていた。手紙をひらけば、その中心には魔法陣があり、その下には、手をかざしてください。と書いてあった。私は言う通りにその魔法陣に手をかざす。そうすると、紙に先程まで黒で描かれていた魔法陣が青白く光り、それと同時に私の手の甲にも同じ魔法陣が展開される。そんな急展開に驚いていると
ジジッブワァン
という不思議な音ともに紙の上に10センチ程の大きさのものが現れる。見た目はレイラーさんにそっくりだった。
「いたたた…。ん、んぅ…これは…成…功……?」
そう、レイラーさんの見た目で、声で、そんなことを言うので嬉しさや、困惑などよりも先に驚きが勝ち、思わず硬直する。
「あ!失礼しました!私の名前は『レイラ』。ご主人様…レイラー様の使い魔です。」
…どうやら、レイラーさんでは無いらしい。そんな自室に少し落胆するが、そんなことを気にせず、レイラというものは話し続ける。
「私はご主人様がお亡くなりになられた時、記憶や、力などを受け継ぐ器として作られました。」
「作られたって…誰に?」
私は思ったことを口に出す。そうすれば、レイラさんはにこりと笑って
「もちろん、ご主人様ですよ?」
その言葉に、私は驚きを隠せない。こんな人形のようなものを作っているなんて知らなかったからだ。…知っているようで、案外知らなかったのかもしれない。
「話を戻させてもらいます。私は、ご主人様から遺書をお預かりしておりますので、この場で言わせてもらいます。」
その言葉に私は唾をごくりと飲み込む。分かってはいたが、心の準備、と言われればそれは別である。私はこの現実を受け止めなければならなかった。
「『レイラがこれを言っているってことは、遺書を持ったのは師匠だと思います。最初に、何も言わずに死んで本当にすみません。本当は一言くらい残してから死にたかったのですが、自爆する、なんて言ったら師匠は絶対止めると思って、無断で行ってしまいました。本当にすみません。本当なら、思い出話を語りたいんですが、思い出したら、自爆を後悔してしまう気がして思い出さないことにします。でも、師匠こそが、私の生きがいでした。わたしが生きようと思える唯一のものでした。…重くてすみません。めめさんは、私を認めてくれますが、私は私を認めません。生き汚く、魔法のためならどんなものでも犠牲にし、ほかの種族に媚びを売り、後天的魔女を迫害する…そんな種族の血が、私の中に流れているんです。私が、種族長になって変えようと思いました。…無意味でした。だから、私は逃げたんです。めめさんとの旅で別れた森に。…そう、魔女という種族は、ゴミよりも汚いのです。しかし、それは、私も例外ではありません。だから、私を含めた種族ごと自爆という花火で、綺麗に終わらせたんです。個人的には大満足ですよ。掃除ができて。でも、師匠…あなたを置いていったことだけが心掛りです。本当にすみません。でも、私はあなたの隣に立てるほど綺麗じゃないんです。
──────さて、謝罪をこれ以上しても師匠を困らせるだけなのでほかの話に移ります。まず、私の部屋。気付かれずに荷造りとなると、そんなにできなくて…燃やしてもらって大丈夫です。それと、このレイラは…私の後悔から来るものです。私は、あなたの矛になると言ったのに、貴方より先に死んだら意味が無い…ので、代わりとしてレイラを置かせてもらいます。レイラは、私と違って魔女じゃありません。魔法という、美しく、綺麗なものから作られたものです。レイラなら、あなたの隣にも釣り合うはずです。…ご安心を。私の記憶を引き継がせました。裏切ることはありません。裏切るものならば、その時点で、それはただの道具に成り下がりますので、ご安心を。
それでは、師匠改め、めめさん。本当に、お世話になりました。あなたのこと…ずっと、ずっと…見守ってます。』…との事です。」
レイラさんがそれを読み終えると、私の喉から渇いた笑いが過ぎる。
「レイラーさんは汚くなんてないのに…ッ」
そんな、私の様子を見ても、レイラは私を笑顔で見つめるだけだった。
ここで切ります!!遺書公開長くなりそうですね!?てことでめめさん編はここで打ち切り、めめ村全体で遺書公開することにします。…つまり、主人公はいえもんさんに戻りますので、よろしくお願いします。
解説〜レイラ編〜──────
名前︰レイラ
レイラーさんが魔法によって作り出された人形のようなもの。レイラさんの死後、戦闘スキルや、魔法、記憶を受け継いだもの。大きさは変形できる(魔法によって)。ご主人様(レイラー様)の命により、めめさんに従っている。見た目や、声などはレイラーさんにそっくりだが、感情が上手く作れず、あまりない。
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7万♡ありがとうございます!!まあ、ありがたいことに前からいってたんですが、なんか、イラストが上手く読み込めず、投稿できなかったので、延期してました。てことでドゾ↓↓↓
7人目(いえもんさんを含む)にであったメテヲさんです!!衣装は『宝石の国』から。モチーフはスファレライトです。光沢が綺麗で、屈折率も高く、とってもキッラキラに光るそうです!しかし、硬度という宝石の割れやすさは低いため、大変割れやすく、昔はカット技術も発展してなかったようでそこまで注目されてなかった宝石です。しかし、最近カット技術が上がり、綺麗にカットできるため、お金持ちを中心に流行っているそうです。石言葉は幻惑、嘘つき、裏切り者、調和、幻。だ、そうです。
…すごい、この世界のメテヲさんにあってませんか?ビビッときてこれを描きました!ちなみに、宝石の国は漫画は読んでいませんが、解説動画で内容は知ってます。鬱くしいという言葉があるくらいには鬱漫画らしいので、見る時は自己責任で。詳しい内容は省きますが、簡潔に言えば血が出ないリョナです。
あ、ちなみに髪は編集で宝石っぽくしてます!
それでは!おつはる!
コメント
11件
もうそろそろこれ9ヶ月目になるのかしら?ほんとにすごいわね
もう七万行ったんですね〜 押した甲斐がありました!