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「あまり気が進まないかい?」


浮かない顔の私を察してか、彼からそう尋ねられた。


「……その、私より、もっと適役な方がいられるようにも思って……。私などではなくて、モデルさんのような方が、パートナーにされるにはいいようにも……」


自分では役不足なようにも思えて弱腰になる私に、「そうだろうか?」と、彼が不思議そうに首を傾げた。


「それを言うなら、社内コレクションに出ているのは、私も含めてモデルなどではなく全て社員たちだから、君と何ら変わらないと思うが」


「そうなんですけど……でも私より、もっとステージ映えするようなお相手の方が、やっぱりいいようにも……」


どうしても気が引けてしまい、なかなか踏ん切りがつけられないでいると、


「私のパートナーは、君以外には考えられない」


彼がためらいもなく、そう告げた。


「君の他に、私の隣で映える相手などいるわけがないだろう?」


物怖じする私の手を温かな両手で包み込んで、ふっと顔をほころばせる彼に、愛されている幸せが感じられて涙が込み上げそうになる。


「そんな風に言ってもらえて、嬉しいです。ありがとうございます……」


「では、承諾してもらえるだろうか」


「はい……私でよければ」


はにかんで頷くと、「大丈夫だから」とでも言うように、包まれている手がぽんぽんとあやすように優しく叩かれた……。


ダンディー・ダーリン「年上の彼と、甘い恋を夢見て」

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