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杏耶side
さっきから、望花が下ばっか見てて前を向こうとしない。そろそろいいよな。
杏耶「望、、。」
町民1「杏ちゃん、今日は二人で回ってるかい。珍しいね。」
話そうとしてたら、さえぎられた。
町民2「杏耶、その嬢ちゃん誰だ?。見ねぇ顔だな。」
町民1「お嬢ちゃん顔、見せてみぃ。」
そう言われても、望花は、顔を上げようとしない。
杏耶「はぁ、」
俺は、ため息をつきながら、望花を引っ張った。
望花「うわっ。」
そしたら、偶然顔が見えた。
町民2「おぉ、すっごいべっぴんさんやないか。」
町民1「ほんまやわ。」
町民2「お〜い、杏耶が可愛い嬢ちゃんつれてんぞ。」
ザワザワザワザワ
町民3「なんだって、」
町民4「あの、杏耶が」
ザワザワザワザワザワザワ
どんどん人数が増えていく。はぁ、何広めてくれちゃってんの。
そんなことを考えていたら、望花が後ろに回った、……そりゃそうか。こんな大勢に囲まれることないもんな。
けど、それじゃ、ここにつれてきた意味がねぇ。もっかい引っ張るか。
それで望花の手を引いて、俺の前に出させた。
杏耶「自信持て、お前は、可愛んだから。」
そういった。そしたら、下向いてた望花が顔上げた。
望花side
杏兄に、手を引っ張られ、前に出てしまい、怖かった、けど。
杏耶「自信持て、お前は、可愛んだから。」
と言われ、前を向いたら、とっても輝いていた。この世界が漫画ならパァァァァァァって書いてあるくらい、明るく見えてみんな笑っていた。私のことを悪者扱いどころかかわいいって言ってくれている。めっちゃ嬉しかった。あぁ、ここに生まれたかったなぁ。
杏耶「ほら、お前らそろそろ、散れ俺ら、沖縄全部回んねぇといけねぇんだ。」
町民4「そうだな。」
町民1「おら、邪魔だってよ。どっかいけ。」
町民3「お前もだ。」
ザワザワ
ってな感じで、どんどんみんな戻っていった。これはもう嵐でいいんじゃない?。
そしてしばらく私たちは、街の様子を見ながら、散歩の感覚で見回りをした。
そしたら、
杏耶「なぁ、俺の話し聞いてくれるか?。」
なんて聞いてきた。急になんだろう、かしこまって。まぁそう思ったけど、もちろん返事は……
望花「はい。」
杏兄たちは私の話を真剣に聞いてくれてんだ。私も話くらいは聞かないといけない。
杏耶「これは、俺が、広斗に拾われる前の話だ。」
===杏耶回想===
俺は、親の顔を覚えていないくらい、幼いときから、捨てられていた。
ケン「わん、わわん、」
そしたら、犬に助けられた。
こんな、能力がある世界では動物に会うのは珍しいことだが、俺は偶然会えたんだ。その犬が俺を育ててくれた。もちろん、俺も赤子だったし、犬が働けるわけでもない。だから俺らが活きる術が盗むことだった。
そして俺が、6歳のときに、いつもどおり盗みに、行ったんだ。顔がバレてるからな。移動は、ほとんど屋根の上だ。そこで、広斗と出会った。
店に入るのはリスクが大きすぎるからな。だから、買われたもんを盗んでたんだ。それで、そん時の広斗は、パンを持ってた。だから、俺は、そのパンを狙ってた。それで、盗むことに成功した。が、
広斗「おい、お前、何盗んでんだ。」
案の上、追いかけられた。それで、屋根に登ったんだ。それで、いつも振り切って来たからな。だが、広斗は、そん時から、身体能力が化け物並みで、屋根にまで追いかけてきたんだ。
広斗「おい、それかえせ。」
杏耶「嫌だ。かえせねぇ。」
そん時、いきなり上から目線で話してきてうざくて殴りに行ったんだ。だが、避けられて逆に腹を殴られた。それで、勝てねぇって思った俺は、その場を離れた。俺がでる全速で走った。それで、ケン(←あの犬の名前な。杏耶dy)と一緒にいる場所に行ったんだ。
だが、誤算だった。
広斗「お前、こんなところにすんでたのか……。」
こいつが、来ていたなんて。
杏耶「別に俺らがどこで生活してたっていいだろ。」
そう言って、しゃがんで小声でケンに聞いた。
杏耶「走れるか?。」
ケン「わん、わわん、わふ、わん、〈いや、そこまではやく走れない〉」
もう、5年の付き合いだからな。動物の言葉がだいたいわかる。
クソ、ケンが走れねぇなら、ここを離れるわけにはいかねぇ。
ケン「わん、わわわん、わん、〈お前は逃げろ、できるだけ、遠くに〉」
杏耶「そんなこと言うな。おいていくなんてできない。」
だが、喧嘩で勝てるわけでもねぇ。……これを、返すしかねぇか。
そう思ってあいつの前に出た。
杏耶「なぁ、これ、返すから、見逃してくれねぇか。」
だが、
広斗「いや、これはお前が、もらっていい。あと、お前の名前、教えてくれねぇか。」
杏耶「山崎杏耶」
俺は、名前だけ、教えた。
広斗「杏耶か、じゃぁ、杏耶何でここで暮らしてるんだ、親は?。」
杏耶「親なんか知らねぇ。捨てられた身なんだ。親のこと考えてる余裕なんて全然ねぇよ。」
そう言ったら、男は顔を曇らせた。
広斗「え、親に捨てられた…………まだ、5・6歳くらいだろ。」
そういって、あいつは、こっちに歩いてきた。それは、警戒しながらも何をするのか気になったから動かないでいた。そしたら、
広斗「うちに来るか?。」
そう言われた。はじめは、何で、って思ったよ。ものを盗んでんのに………。けど、嬉しかった。
それで、数年してから、沖縄に行った。もちろん、警察署に行って罪も償った。はじめは、少年院に行ったけど結構盗んでたから、刑務所に行くことになったんだ。ケンは、動物保護センターに言った。老化が進んでたからな。心配だったけど、しょうがないと思ってる。
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杏耶「これが俺の過去だ。」
望花「そうだったんだ。」
ここに生まれたわけではなかったんだ。
杏耶「まぁ、そっから、広斗のじいさん先代の隊長に、稽古つけてもらったりして、今の俺がある。アイツらには感謝してもしきれねぇ。」
杏兄もすっごいけど、この街のみんなもすごい。杏兄やうちも受け入れてくれる。みんな優しいな。