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さむっ。
そして寒気がして目が覚める。
あっ、あのままオレも寝ちゃったのか・・・。
さすがにすっかり眠りについてる彼女はオレの握っていた手も放していて。
少し寂しいようなホッとしたような。
まだ夜明けに近い時間なので、彼女も起こさないように、そこからシャワーを浴びて、目を覚ます。
彼女が起きちゃマズいから髪も乾かせないし、とりあえずそのまま部屋に居づらくて、一旦部屋を出て外のコンビニに出掛けた。
さぁ。彼女をどんなタイミングで起こそうか。
さすがにもう起きたら酔いも醒めてて正気に戻ってるだろうしな。
確実にまたこんな状況でオレを拒否るのは間違いないわな。
さっ、どうすっかな~。
そんなこと考えながら部屋に戻って、中の様子を見ると、ベッドから起き上がってる彼女の姿。
あっ、起こす前に目覚めたんだ。
さぁ、記憶ない彼女は今この状況を理解しているのか。
「あっ、ようやく起きた? おはよう」
そして少し戸惑っている様子の彼女にさり気なく声をかける。
「えっ?なんで・・早瀬くんがいるの!?」
まっ、そうなるよな。
「なんでって、オレの家だし」
「・・・は? なん、で、私が早瀬くんの家にいるの?」
「えっ、なんも覚えてないの?」
「おぼ、えてない・・」
やっぱなんも覚えてないか・・・。
それ聞くと、やっぱちょっとショックかも。
わかってはいたけど、覚えててほしかったな、なんて。
「昨日の夜、あんなに熱い夜過ごしてオレずっと求めてくれたのに・・・?」
だからちょっと覚えてないのが少し悔しくて、大袈裟に彼女に伝える。
いや、間違ってもいないから。
うん、オレが手振り払ったのにずっと手握ってたし。
それは間違いなくそっちから求めてきてたから。
「・・・え?」
多分オレのその言葉を聞いて必死に思い出そうとしてくれてる様子がわかる。
「えっ・・ホントにごめん。全然覚えてなくて、ちょっと状況がわからなすぎてどう反応していいかわからない・・・」
完全に覚えてねーな・・・。
逆に開き直ったよ。
でもどんどん不安がって戸惑いながら青ざめていく彼女が可愛くて。
「ふっ。アハハ。ごめん、嘘、嘘」
さすがに可愛いけど可哀想になってすぐにネタバレ。
ホントはあんなにオレを惑わせたことも気づいてないのが悔しくて、もう少しからかってやりたかったけど。
「昨日酔いつぶれてどうしようもなかったから、美咲さんに頼まれてここに連れて来た」
「そっか。なんだ、美咲か。ん?いやいやいや!それでも全然状況がわかんない。なんで美咲があなたに頼む必要が?」
「たまたまオレ店に行ったら酔いつぶれてて。で、いくら起こしても起きなくて」
「うん。で、なぜあなたの部屋に?」
「さぁ?美咲さんとこ今日は連れて帰れないからってお願いされたから」
お願いされたのはホント。
だけどホントはオレとあなたを進展させるための美咲さんの激励でもあるけどね。
「それは・・ごめんなさい。迷惑かけちゃって・・」
すると素直に受け取って謝る彼女。
「記憶ない?」
「・・あり・・ません・・」
そうハッキリと・・・。
「全然、関係ないのに・・ごめん。たまたま来ただけなのに、面倒見てもらっちゃって」
「オレは全然。ってか、関係なくないでしょ?オレたち」
「そりゃ、今は仕事仲間だけど・・・」
やっぱりまだ仕事仲間でまとめようとする。
「それだけじゃないでしょ? 忘れた?オレたちの関係」
「あぁ・・微妙なもう一つの関係のことね」
「微妙って」
思わず彼女の言葉に苦笑い。
目が覚めるとまたこんなにも素っ気ないのかと逆におかしくなってきた。
昨日はあんなに素直に甘えてくれたのに、やっぱりまたこの人は心を閉ざしてしまうんだな。
「大丈夫。さっきのは嘘だし、ホント何もしてないから」
それはちゃんと証明しておかないと。
これからあなたにオレの真剣な気持ちと誠意を伝えていくつもりだから。
「今回だけね。次は同じことがあったら何もしない保障はないけど」
さすがにもう一回こんな状況になったらもう絶対オレ耐える自信ないわ。
マジで今回こんな状況で我慢出来たのも誰かに褒めてもらいたいくらいだし。
「も、もう絶対ないから!」
すると、彼女は危機感を感じたのか全力で言い切る。
いや、そんな全力で否定しなくてもさ・・・。
「オレはいつでもウェルカムだけど」
だからオレは笑顔でいつでも受け入れるつもりでいることを彼女に伝える。
「もうここまで絶対飲まないから」
まぁきっと彼女の性格からしたら、こんなこともきっと認めたくないんだろうな。
「オレ記憶がない時に襲うとかそんなカッコ悪いことしないから安心して」
そこもちゃんとわかっていてほしくて。
あなたには真剣なこと、ちゃんとわかっておいてほしいから。
身体だけとかそんな欲望や適当なノリであなたに近付いてるワケじゃない。
そんな軽い目的じゃないこと、ちゃんと知っておいて。