テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
2Day
今日は、いつもと違う場所へと足を運ぶ。
たくさんの椅子と机が並ぶそこは、食堂。
おいしそうなご飯のにおいがただよう。
けれどそこには、彼女しかいなかった。
ゆあん「ゴメン…待った?」
彼女が、ふわりと振り向く。
柔軟剤のにおいなのだろうか。
足り一面にお花が咲いたように甘いにおいが漂う。
「ううん、全然。私も今来たところ。」?
ゆあん「そっか。」
待たせていなくて、安心する。
「ねえ、ゆあんくん。」?
ゆあん「なに?」
なんで僕の名前を知っているのだろうか、不思議だ。
「なんで、私たち以外人いないと思う?」?
周りを見渡す。
・・・確かに、お昼を作っている病院の人も、他の病人もいない。
ゆあん「お昼じゃないから、とか?」
「残念!時計見てみた?」?
ちらりと時計を見る。
長い針が、12を指している。
ちょうどお昼時だった。
ゆあん「わかんない、です。」
「ん~、最終日になったら?分かるかもね!」?
彼女はそう言って、いたずらな笑みを浮かべた。
「ん、後敬語ダメ!」?
ゆあん「え?僕敬語になってました?あ、」
「うん、なってるよ!」?
ゆあん「ごめん、ごめん!これからは敬語外す!」
「よろしい!」?
彼女と僕の間に気まずい空気がながれる。
そんな気まずい空気を破ったのは、僕だった。
ゆあん「てか、なんで僕と話してくれるの?」
きづいたら、そう聞いていた。
少しびっくりした顔をした後、
「え、だから気になったんだってば。」?
ゆあん「そっか。」
ゆっくりと彼女が口を開けては閉めては言おうか言わないか迷っているようだった。
そして、決心したかのように話し出す。
「私の、さいごの願い事だから神様がかなえてくれたのかも。」?
ゆあん「え?」
さいご?どういうことなのだろう。
彼女は、ゆっくりと悲しそうに笑う。
「もう、時間だ。じゃあ。ね。」?
ゆあん「あっ、うん、」
彼女は、少し不思議なところがあるな。
そう感じながら見送る。
彼女と座って話した1日目を思い出す。
ゆっくりと目を閉じ__
彼女とは、どうやって出会ったんだっけ。
そんな、疑問はふわりとけす。
知っている_気がするから。
ふいに、時計を見る。
ゆあん「12:10、。」
あれから、10分しか話していないんだ。
そう思うと少し悲しくなった。
もっと話したい_その思いに、静かに蓋をした。
ゆっくりと席を立ち僕も病室に戻った。
3話
2Day
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!