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第十一章: 選択の代償
翔太は「蘇生の秘宝」を使い、リリアを蘇らせることに決めた。彼女が目を覚ました瞬間、翔太は安堵と喜びで胸がいっぱいになった。しかし、その後すぐにリリアの表情が曇った。
「どうしてカイルじゃなくて私を選んだの?」リリアは真剣な眼差しで問いかけた。
翔太は少し戸惑いながらも、正直に答えた。「君の知恵と優しさが、この世界にとって必要だと思ったんだ。それに、君ならカイルの意志も一緒に背負ってくれると思った。」
リリアはしばらく黙っていたが、やがて静かに頷いた。「そうね…カイルもきっとそれを望んでいたかもしれない。でも、彼を失った悲しみは消えないわ。」
翔太は彼女の手を握りしめた。「僕も同じだ。でも、彼のためにも、僕たちは前に進まなきゃいけない。」
二人はしばらくその場で静かに過ごした。カイルの不在がどれほど大きなものかを改めて感じながらも、彼の意志を継ぐ決意を新たにした。
「これからどうする?」リリアが尋ねた。
「まだやるべきことがある。この世界には僕たちの助けを必要としている人々がいるから。」翔太は力強く答えた。
リリアは微笑みながら頷いた。「そうね、私たちならきっとできる。」
こうして二人は再び旅立つことを決意した。カイルの思い出と共に、新たな冒険へと歩み出す。彼らにはまだ多くの試練が待ち受けているだろう。しかし、仲間への想いと共に、その道を切り開いていくことを誓った。