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雷『やァ_________兄さん♪』
彼の声が聞こえた途端、身体が本能的に引き下がる。
雷『一寸、逃げないでよ〜。僕は兄さんの願いを叶えたいだけなんだよ?』
太宰「私は美女との心中が好きだからね。絶世の美女でも連れてきてくれるのかい?」
雷はにい、と私に笑みを浮かべた。
見かけは酷く優しい笑いだ。然し、目に光など点っていない。
灯ることを知らないのだ。それか、忘れたのだろうか。
私には見当もつかなかった。もう、付かないのです。
雷『あはは。……あ、そういえば、1番最初に送ったあの手紙にね、ドライフラワー、入ってたの。』
ドライフラワー?そんなの、見ていない。
雷『まぁ気づかないよね。僕がそうしたんだし。』
となると、手紙に異能を付けたのだろうか。
然し、だからなんだって云うのだろう?
雷『入ってたのはね、黄色いカァネェションと、紫陽花。』
_________今頃、兄ちゃんの大切な後輩さんが見つけてるさ。きっとね。
ひゅっと息を呑む。
私は知っていた筈だ。分かっていたはずだというのに、体が妙に動かない。
否、動けなかったのだ。
カチリ、と氷にでも包まれたような感覚の後、雷は私に近寄る。
後ろは川。
太宰「ら、い。」
雷は私の体を寄せて。
思い切り体重を掛ける。
彼のアクセサリーは増えていた。
ただ、それだけ。
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