syp「……」
いつも通りの道
いつも通りの街
いつも通りの彼等
いつも通りの仕事
何も無い
汚れた仕事を黙々とこなすだけ
シンプルな仕事だ
syp「カチッ…フー🚬」
煙草の匂いが路地に広がる
暗い夜は好きだ
自分を忘れそうなくらいに
syp「ちわ~っす…カランカラン…」
ci「あ、お帰り~」
基地に帰ると居るのは詐欺師の仲間
机には今にも過労死しそうな男と一緒だ
syp「大先生、今日もグルッペンさんに呼ばれたんですか?ガタッ」
ut「せやねぇ゙ん…ただですらここからグルちゃん達のとこ遠いのにさぁ゙?」
ci「まあ…wしゃあないですよ…w」
ci「最近なんて吸血鬼が近くに居る!とかで大騒ぎなんですから…w」
syp「吸血鬼…か…フー🚬」
ci「まあwあくまで噂やけどな…w」
ut「んでも…死人も実際出てもうてるしな~…」
syp「…アホな話ですね…ガタッ」
ut「あれ?何処行くん」
syp「気分転換っす、すぐに戻ります…カラン…」
そう言って
基地から出ていった
まるで何かから逃げるように
syp「……吸血鬼なんて…漫画の世界くらいやぞ…」
syp「でもたまには…そんなファンタジーな世界にも行ってみたいなぁ…」
空を見上げると
夜空一面に星が詰まっている
ここ15地区での唯一の楽しみと言えばこれだ
星を見て愛着ある猫と接することのみ
syp「まだら…お前なんかええとこ知ってるか?」
まだら「な~おスリスリ」
もしも猫の言葉が分かるのなら
俺はどんな奴だったんだろうか
syp「ん~…ナデナデ」
そうやって
いつもくだらない妄想をしている
syp「普通って…何やろ…ゴロン」
夜空は一面
何処までも星で輝いていた
15地区の森は
不気味と言われ人が少ない
だがそうやって避ける場所ほど
美しい何かが潜んでる
syp「実際…何もあらへんのに…フー🚬」
その時だった
星空で埋め尽くされていた視界が
真っ赤な赤髪の少女で埋め尽くされた
金色の瞳を持つ
ネグリジェを着ているせいか
幽霊のように見えた
「……サラ…」
syp「……驚かさないでくださいよ…」
「ここで何しているの?」
syp「アンタこそ、こんな暗い時間に夜更しっすか?」
「いいえ、散歩していたの…ザッザッ」
syp「裸足で…?w」
「えぇ、靴なんて持っていないもの」
syp「そもそも…夜中に女一人で歩いてええとこちゃうで」
syp「はよ帰れ」
「私の好きにさせてほしいわ」
ここらへんでは珍しいことではない
子供が夜な夜な飯を求めて寄ってくることなんて
にしてもこの少女は不気味だった
飯を求めるわけでもなく
ただただ俺を見つめていた
もしかしてと思って
冗談半分で彼女に言ってしまった
syp「もしかして…吸血鬼やったりする?w」
「吸血鬼…それは面白いわ」
「吸血鬼ではないけど…」
syp「ははッ…w」
冷や汗が体全体に渡った
とにかく逃げなければと
寝転んでいた身体が
無意識に後ずさった
syp「もしかしてッ…ここ最近の吸血事件ってッ…」
「?吸血事件」
「もしかして…私のことだと思っているの?」
syp「えッ?」
きょとんとした顔で
目をぱちくりさせながら俺を見た
「それは誤解よ、私が人を殺せるほど強く見えるの?」
「私じゃなくて貴方達人間同士がそれをやり合っているんでしょう」
syp「ほなッ…何で今吸血ってッ…」
「……まあいいわ…クル」
「私のせいにされようと…後で痛い目に遭うのは私じゃないもの…ザッザッ」
syp「まッ、待てやッ!バッ!」
思わず彼女の服を掴んだ
衝動的なことに
俺が一番驚いていた
そしてもっと驚いたのがこの後だ
syp「まッ…またさッ!」
何故このようなことを
口にしたのかなんて俺が一番わからない
「……分からない…」
「でも…私は朝は会えないわ…クル」
「だから…スッ」
「あそこの屋敷で待ってるわ」
「来るなら…好きにして…フワッ」
暴風がいきなりきて
その瞬間彼女もどこかへ行っていしまった
でも何だろうか
恐怖からなのか
安堵からなのか
心臓の音が
五月蝿いくらいに音を出している
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