テラーノベル
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そんなある日、日高さんに店舗間移動の商品を集めてもらい一緒に倉庫スペースで梱包していると
「でもホント電話も鳴らないし、レジは田川さんが見ててくれるし、1人でも回せちゃいますよね~」
「そうだね。他の店は納品がここの倍くらい来るから次の納品が来るまで捌き続けるんだけど、うちはほぼ土日、かかっても月曜で終わっちゃうからね」
「そっかあ。ここ大きいトラックじゃ入って来れませんもんねぇ」
ショッピングモールなので集合荷受け場は2tトラックまでしか入れず、週の納品量も少なかった。
「そうそう。でもいっぱい来てもこの倉庫スペースじゃ受けきれないけどね」
倉庫スペースは大体八畳くらいしかない。
PCがあるデスク以外は壁面に作られた棚に置かれた商品でほぼいっぱい。あまり余剰スペースはなかった。
「でも開店からこの調子ですからねぇ、そうそう変わらないと思いますよ」
「そうだよね。何かいい案があるならこれまでにやってるよね」
「よっと、この段ボールはそこですかぁ?」
日高さんが梱包が終わった段ボールを積もうとする。
「そうだけど、ちょっと高いでしょ?もらうよ」
段ボールを受け取る。
「あ、じゃお願いしま~す」ふにっ
!?今のは…日高さんが持っていた段ボールを受け取る際に手に伝わった感触。もしかして胸?
受け取った段ボールを積む。
日高さんは…変化無し?当たったか、なんて確認も出来ないし…
ここはスルーすることにした。
「ありがとう。またなんかあったら呼びますね」
「は~い、了解しましたぁ!」
売場に戻っていく。
自由な服装にお店指定のエプロンといううちの制服。あまり大きくないように見える日高さんの胸はさっきの感触とも合致する。
気付いてないといいけど…最近はハラスメント問題なんて起こすとすぐ首が飛ぶし、本当に気を付けよう…
その後、店舗でまとめて発注する資材のチェックや、その週に予定されている販促指示を前倒しして準備するなど、これまで社員がしていた業務をアルバイトに教え、割譲することを始め、アルバイトの仕事枯渇問題を少しずつ改善していくことが出来た。
それぞれの仕事は難しくないので、やり方を教えるとすぐに出来るようになった。
3人のうち入社があとの田川さんは主にレジがメインで、開店時からいる井口さんは基本売場。
日高さんは田川さんと入ると売場になり、井口さんと入るとレジ、という立ち位置だった。
日高さんはあれからも普通に接してくれているので、もしかしたらあれは胸じゃなくてお腹辺りだったのかも、と思うようになった。
そんなある日、また日高さんと梱包をすることがあった。奇しくもまた段ボールを積むのはなかなかの高さ。
「あ、自分、積みますよ」
「ありがとうございま~す」
日高さんがこちらに体を向ける。
気を付けて、っと…。
「今回は上手く受け取ってくれましたねぇ」
ん?ということは…?
「え?それって…?」
「この前はぁ、当たっちゃってましたから、胸」
やっぱり!
コメント
1件
第3話読みました!最初の「もしかして胸?」って気付いた時の焦り、すごく伝わってきて思わず笑っちゃいました(笑) でも日高さんが後で「当たってましたよ」ってさらっと言うから、逆に主人公が慌ててる感じが可愛かったです。まだまだ続きが気になる展開、この感じのゆるっとした職場のやりとり、好きです。次も楽しみにしてますね!