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生成された画像:夕焼けの港でのひととき
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生成された画像:港の食堂でのひととき
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生成された画像:海辺の食堂でのひととき
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第六章 「名前で呼んで」
夏祭りから数日。
セトはすっかり港町の生活に慣れてきていた。
朝はルルと一緒に食堂を開け、掃除をする。
昼は食器を洗ったり、魚を運んだり。
夕方は海へ泳ぎに行き、夜はルルと一緒に夕食を囲む。
そんな毎日が、セトにとって何よりも幸せだった。
「セトー!」
「は、はい!」
ルルに呼ばれ、慌てて厨房へ向かう。
「味噌なくなったから、裏の倉庫から持ってきて!」
「わかった。」
最近では、頼まれごとをされることも増えた。
「ありがとう。」
その一言が嬉しくて、セトは自然と笑うようになっていた。
その笑顔を見て、食堂のおばちゃんたちも口々に言う。
「セトくん、最初よりずっと表情が柔らかくなったねぇ。」
「そうですか……?」
「ルルくんのおかげかな?」
その言葉に、ルルは少し照れくさそうに笑った。
「俺は何もしてないですよ。」
「またまた。」
周りはみんな笑っている。
その輪の中に、自分もいる。
セトにはそれが夢のようだった。
その日の夕方。
海辺を二人で歩いていると、ルルがぽつりと口を開いた。
「なあ、セト。」
「ん?」
「今でも怖い?」
「……何が?」
「人間。」
セトは少し考え、波を見つめる。
「前は……みんな怖かった。」
「うん。」
「でも。」
セトはルルを見る。
「ルルがいたから。」
「今は少しだけ、怖くない。」
ルルは安心したように笑う。
「そっか。」
「でも。」
セトの表情が曇る。
「研究所の人は……怖い。」
「夢にも出る。」
「捕まったら……また。」
身体が震え始める。
その手を、ルルはそっと握った。
「大丈夫。」
「俺がいる。」
「……うん。」
「それに。」
ルルは少し笑って言う。
「今のセトは一人じゃない。」
「町のみんなも、お前の味方だから。」
その言葉に、セトは目を丸くした。
「みんな……?」
「当たり前だろ。」
「お前、気づいてないだけ。」
翌朝。
食堂を開けると、漁師の源じいがやってきた。
「セト!」
「おはようございます。」
「昨日のお礼だ!」
そう言って、大きな魚を二匹置いていく。
「昨日、海に落ちた網を拾ってくれたろ?」
「あれ、本当に助かった!」
「え、でも……。」
「遠慮するな!」
次は八百屋のおばさん。
「セトくん!」
「野菜いっぱいあるから持っていきな!」
さらに近所の子どもたち。
「セト兄ちゃん!」
「遊ぼー!」
「かくれんぼ!」
「今日は鬼ね!」
「えっ、ぼ、僕?」
「うん!」
ルルは笑いながら肩を叩く。
「人気者じゃん。」
セトは戸惑いながらも、小さく笑った。
「……こんなの。」
「初めて。」
夜。
家へ帰ると、セトは縁側に座って星空を見上げていた。
ルルも隣に座る。
「今日、楽しかった?」
「うん。」
「でも。」
「?」
「僕。」
「実験体じゃないんだね。」
ルルは優しく微笑む。
「最初から違うよ。」
「セトはセトだ。」
「誰が何と言っても。」
その言葉を聞いた瞬間。
セトはルルの肩に、そっと頭を預けた。
「えっ……。」
「少しだけ。」
「こうしてても……いい?」
ルルの心臓が大きく跳ねる。
「……もちろん。」
二人はしばらく何も話さなかった。
波の音だけが静かに響いている。
セトは安心したように目を閉じる。
ルルはその寝顔を見つめ、小さく呟いた。
「……守りたい。」
その言葉は潮風に乗って消えていった。
しかし、その平穏は長くは続かなかった。
数日後の深夜。
ルルの家の裏山に、黒い車が三台停まる。
白衣姿ではなく、黒い戦闘服に身を包んだ男たちが静かに降り立つ。
「博士の命令だ。」
「今回は強制回収。」
「目標──セト。」
「必要なら、保護者も拘束する。」
その様子を木の上から見ていた一匹のカラスが、大きく羽ばたく。
その鳴き声に、眠っていたセトの狼耳がぴくりと動いた。
「……っ。」
嫌な予感。
胸が締めつけられるような感覚。
セトはゆっくりと目を開ける。
窓の外には、月明かりに照らされた森。
そして――誰かの気配が、確かに近づいていた。
コメント
1件
第六章「名前を呼んで」読んだよ〜!!✨ もうね、セトが「実験体じゃないんだね」って言うシーンで涙腺崩壊しかけた😭💕 ルルが「最初から違うよ。セトはセトだ」って、それだけで尊すぎる…! 港町のみんなに少しずつ受け入れられていくセトの姿、ほんとにじんわりきたよ。 でも最後の黒い車、マジで嫌な予感しかしないんだけど!!😱 せっかく平穏掴みかけてたのに…次の話、心臓バクバクしながら待ってるからね!! ルル、セトのこと守ってあげて〜!!🙏💕