na「……。」
sh「…なんだよ。」
na「ねぇ、いつもみたいな仏頂面は!?」
knとの一件があってから俺は自分から人を遠ざける事をやめた。まぁ、今までの事があるからすぐに誰かと仲良くなる訳ではないけど、話しかけやすくはなったと思う。
na「なんで急にそうなった!?」
sh「naもこうしろってずっと言ってただろ。」
na「だからっていきなり!?俺が落ち着かないって。」
隣でギャーギャー騒ぐnaを無視して歩き出す。
na「…ね、本当に何があったの?」
sh「naにもちゃんと話しておかないとな。」
俺はnaをkrの場所に案内する。naに知ってるか尋ねると名前は知っているが会うのは初めてらしい。“変人”で有名と聞いて俺は確かにと返答した。
ガラガラ…
sh「krー。」
na「え!?お前、呼び捨てなの…?」
遠くからはーいと元気な声が聞こえる。
kr「shkと…友達?」
na「初めまして!naです。」
kr「いらっしゃーい。ここshkしか助手いないからゆっくり出来るよー。」
sh「今日はkrにも聞いて欲しい話があるんだよ。」
kr「お。じゃぁ、飲み物持ってくるから二人とも座ってて。」
俺達は先にソファに座りkrが戻ってくるのを待つ。naが興味津々に辺りを見渡している。そんな様子を見たkrが嬉しそうに眺めていた。
sh「kr、お前naの事助手の一人にしようとしてるだろ?」
kr「だって、初めてここ来た時のshkみたいでさぁ。勧誘しよっかなぁー。」
sh「残念だけど、naはサークル入ってるから無理だよ。」
kr「ちぇー、残念。」
テーブルに飲み物が置かれる。krもソファに座り俺の方を見つめていた。
sh「ちょっと長くなるけど…」
俺はゆっくりとknとのやり取りを話し始めた。
sh「…って話で収まったんだ。あの時はkr…ごめん。すぐに話できなくて。」
kr「話してくれて有難う。まぁ、あの時はさすがに驚いたけどね。」
sh「…ごめんなさい。」
na「俺も驚いてる…。まだヒートが続いてるなんてわからなかったし。」
sh「ごめん。naには心配かけさせたくなくて、黙ってた。」
na「もっと頼れよ。友達だろ?」
俺はぎこちない返事をする。それを見たkrがnaの方をじっと見つめていた。
kr「shkは優しいから言わないだろうけど、naの為だよ。」
sh「おい…」
kr「βでもΩの匂いわかるって知ってる?」
na「…え?」
kr「実際にヒート時にΩの匂いを嗅いでβがαを襲った事例がある。」
sh「おい!もう、やめろって…」
naを見ると不安そうに俺を見つめていた。
kr「shkは、後悔して欲しくないんだよ。ずっと友達でいたい。だからこそヒート時は見られたくないし、近寄って欲しくないの。」
na「shk…。」
kr「俺もあの時は扉越しだけど少しだけ感じたからね、shkの匂い。すぐに離れたけど…ちょっと怖くなった。」
俺は頭をかき、お茶を一気に飲み干す。
na「俺、shkの事何も知らないな。」
kr「それはお互い様じゃない?shkだって言えばいいのに格好つけて我慢…いったぁ!」
俺はkrの頭を思いっきり叩く。
sh「喋りすぎだって。naは悪くない、俺が話せば良かっただけだから。」
na「助けてあげたいって思ってたけど逆効果だったんだな。」
sh「いや、俺はいつもnaに救われてる。」
na「え?」
sh「ヒートで休んだ時とか、この前のヒート見られた次の日とか、いつも通り話してくれただろ?あれ、本当はすげー嬉しいんだよ。」
何だか恥ずかしくなって俺はnaから目線を外した。横目でnaを見ると嬉しそうにこちらを見ている。
kr「デレたな……って、いったぁぁ!」
sh「お前、もうあっちで研究とかしてろよ!」
na「あはは!仲良いなぁ。」
kr「これ、仲良く見えるー!?本当に俺の扱い酷いんだから。」
叩かれた頭を撫でながら作業台の方に向かうkr。また今度気になる事あるから話してよねーと遠くからkrの声が聞こえる。
na「俺は、どんなshkを見ても友達でいるから。」
sh「…na。」
na「よし!なんかお腹空いてきたしどっかご飯食べに行こうー!」
sh「ははっ、そうだな。」
krにまた来ると挨拶を交わし俺達は部屋を出る。何食べるー?と携帯で店を探すna。俺も一緒に携帯を覗いていると…
ドンッ…
sh「あ…ごめんなさ……!」
kn「あ…shk。」
あれ以来顔を合わせていなかったknとぶつかる。何だか恥ずかしくてお互い顔を見ないようにしていた。
na「…shk、耳真っ赤じゃん。」
sh「ちがっ!ビックリしただけだよ!」
na「…kn先輩も赤くない?」
kn「……na。こういう時は見てみぬ振りするんだよ。」
お互いの様子を交互に見るna。なんだか悪い事考えてそうな顔をしている…。
sh「ほら!飯食べに行くんだろ?行くぞ。」
na「あ、待ってよー。」
俺はknに軽くお辞儀をしてnaを引っ張ってその場を離れた。あのまま放置してたらnaが絶対に何かしでかすに違いない。
na「ねぇ、shkってkn先輩の事意識してる?」
sh「…してない。 」
na「本当に?」
sh「…もう、うるさいなぁ!ほらさっさっと飯どこにするか決めようぜ?」
na「はいはいー。」
正直naの勘は鋭い…きっとあの一瞬の出来事で何かを悟ったのだろう。厄介だ…。
na「よし!ここにしよーっと。ほらshk行くぞー。」
sh「…嬉しそうだな。 」
na「腹ごしらえもいいけど…その後は話聞かせてもらうから。」
きっとnaには色々と見透かされてるんだろう…俺は大きな溜息をついてnaの後ろをついていった。
続く。
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