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「 ん、ここだよ。 」




ついた先は高級タワマンの最上階…




手際よくオートロックを解除していくヒズさんの手元を見る。




絆創膏…デザイナーさんだから裁縫…とかしたりするのかな…




「 よし、とうちゃーく。ささ、入って入って。 」




「 し、失礼します… 」




部屋に入ると目の前に大きな布が広がっていた。




「 あ、広げっぱなしだった…ちょっと待ってね。ささっと片付けちゃうから。 」




そう言ってヒズさんは布を丁寧に畳んでいった。




「 ごめんね、待たせちゃって…あ、どうぞどうぞ。 」




そして私はリビングらしきところに行く。




そこは如何にも高級タワマン…!って感じの雰囲気が漂っていた。




黒とシルバーで統一されていてそれに加えて良い香りがした。




「 …この香りってヒズさんのブランドの香水ですよね…?! 」




「 お、分かった?いつも試しで部屋とかに使うんだよ。部屋ごとによって違うよ。 」




「 おぉ…!すごい…流石有名デザイナーの家… 」




「 そんなことないよ。あ、コーヒー飲める? 」




「 あ、飲めます…!!態々、ありがとうございます… 」




「 いーの、いーの。急に話振っちゃったの俺の方だし。 」




笑いながら言っているとソファに案内してくれた。




これがまたふっかふかで気持ち良い。









「 えーっと、それで絵の件なんだけどね 」




その言葉をはじめにヒズさんは仕事の話をするからか真剣な顔つきになった。




「 実は近頃俺のブランドからカフェを出す予定なんだよ。 」




「 な、なるほど…カフェですか… 」




「 そう。それでそこに新人画家や学生さんの絵を飾りたくてね。 」




…紫ノ秋と同じ感じかな




「 その絵を描いてほしいんだ。お題は問わない。俺のブランドの世界観とか無視しちゃって! 」




ヒズさんはそうにこやかに笑った。




「 それに返事も急かない。企画自体スタートするのも3週間後くらいだから。 」




そしてヒズさんは私に名刺を渡した。




「 その気になったらここにかけてきてね。いつでも大丈夫だから。 」




「 あ、ありがとうございます。 」




凄い機会だよ。こんなの。




出会いって大切にしないとだね…







「 あ、ごめんね。もう六時前…家ここから近い?車出そうか? 」




「 あ、直ぐなので大丈夫ですよ!お邪魔しました。 」




それから私はるんるんで家に帰った。




まぁ家と言えど寮なんだけど…




















~ sketchbook homage ~ 色彩 任せ の この町で 、 12話 ~

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