まつむら 『ぁあ……』
『僕…、死んじゃうのかぁ…』
『もうちょい、いきたかったのに、』
『ぃやだ…っ!まだ生きたい…』
『誰かぁっ…』
『助けてよぉ………』
夜な夜な泣き、メンタルもズタボロ。
そんな時現れたのがこうちくんだった。
笑顔がとっても素敵で、可愛くて。
とにかくかわいかったんだ。
その笑顔こそが僕を救ったのだと今でも思う。
こうち 「ほくとくーんっ!!!」
『っえ!?』
『なんでこうちくん!?!?』
『えええ!!』
彼が手に持っていたものは、ミニすぎる打ち上げ花火だった。
「ほくとくん、元気なくなってきちゃってるからさ!」
「今日だけでも、いや毎日だけど!!!」
「楽しませてあげたいなって、思って!」
こうちくんは相当急いで来たのか、息が途切れ途切れだ。
そうするうちに、花火が始まった。
『…終わっちゃったー…』
「どう!?!?楽しめた!?」
こうちくんが地上から声をかけてくる。
『んふふっ、もっちろん!!』
「あっ、じゃあ俺病院の人に言ってくるわ!」
『え、何をー?』
「花火しちゃったこと!」
『えー笑それ言うもんなの??笑』
「んー…確かに」
「でもやっぱりすっきりしないから言ってくるわ!」
『ふはっ!』
「じゃあまたあしたー!」
医者 松村さん、今少しお時間貰えますか?
『…、はい』
医者 検査の結果、松村さんは余命があと1ヶ月だと思われます。
『は…!?』
『あと7ヶ月はあるんじゃ、?』
医者 松村さんの場合、悪化しやすい癌なのでしょう。我々も全力を尽くしますが…
悔いなく生きてください。
『………』
『嘘だろ…』
『くそ…』
『まだ、生きれる筈だったのに…』
💬
『こうちくん、明日から来なくていいよ』
「え?なんで?」
『んー…もういいの』
『大変だったでしょ?こうちくんも』
「いきなりどうしたの!俺別にほくとくんに会いに行くために行ってるから大変じゃないよ!!」
『いや、迷惑は絶対かけてるから』
「もうどうしたんだよ〜」
「明日からも行くよ?」
『とにかく来ないで!!』
ほくとくんからメッセージ来た!って思ったら来ないでと言われてしまった。
なんでだろう、どうして?
何かあったのかな、ほくとくん。
いや、絶対なんかあったな…
『よし…送った』
『これで辛い気持ちもなくなる…はず』