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楽曲「揺らぎのハーモニー」が音楽サイトに公開されてから数週間。
その透明感のある音と、三人の息づかいが重なった歌声は、多くの人の心を掴んでいた。
「元貴、涼ちゃん、聞いて」
若井は興奮気味にスマホを見せた。
「リスナーの反応がすごいんだ。感想だけじゃなくて、カバー動画やライブ参加希望まで来てる」
「僕も驚いた。まさかこんなに届くなんて……」
僕の声は少し震えていたが、確かな希望に満ちていた。
「これからどうする？」と涼ちゃんが尋ねる。
「…僕たち、このまま曲を作り続けるだけじゃなくて、ちゃんとバンド組もうよ」
僕はニヤリと笑う。
「バンド名は決めてあるんだ」
「え？ なんて？」と、若井が寄せてくる。
「『Mrs. GREEN APPLE』――新しい色と香りを音楽に染み込ませる、そんな意味」
僕達は笑い合い、次のステージへの扉を静かに、しかし確実に開いていった。
数年後──音楽の旅路
ライブハウスのステージの中央に立つ三人。
ステージネームは変わっていたが、音の芯は変わらず熱く、柔らかく響いていた。
観客の歓声が高鳴る中、若井が声を張り上げる。
「僕たちはMrs. GREEN APPLEです 。楽しんでいきましょう ！」
若井はギターを手に取り、涼ちゃんはキーボードの前で笑う。
互いの存在が支え合い、音楽は今日も誰かの心を揺らし続けている。
──これが、始まりの物語。
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