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「優希っ!」
看護師さんに車椅子を押してもらい優希の病室へ行った
そこにはたくさんの細い管と心電図に繋がれ、変わり果てた優希の姿があった
事故があった時からずっと、目を覚ましていないらしい
「なんで…なんでよぉ…!」
「上村さん、橘さんのお母さんからこちらを渡してくれと」
お医者さんから渡されたのは小さな箱と手紙だった
小さな箱の中身は私が欲しいと言っていたピンクゴールドのピアスだった
手紙の内容は
『もし俺に何かあった時、心臓が使えるのなら恋人の上村 遥に移植してください。彼女には俺よりも長く生きて欲しいので』
「これ…」
「橘さんは恐らく…もう目覚めることはないと思います。その時は脳死と判断して、心臓を上村さんに移植します」
「私に……心臓を…」
翌日、優希はもう目覚めることがないことから脳死と判断された
「……では上村さん、移植手術の日程はこれでよろしいですか?」
「はい、よろしくお願いします」
私は優希の心臓を貰うことにした
手術は3日後
少し怖くて寂しいけど、私の左胸で優希が生きていると考えたら少し気が楽になる
そしていよいよ手術の日がやってきた
私は少しの恐怖を抱えながら手術室へと入っていった。
直前にはミセスのアルバムANTENNAを聞いて
「優希、行ってきます」
そう心の中で言った時、私の頭を誰かが撫でた気がした
「お前なら大丈夫。頑張れ」
と言うように