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『凪くん!今日って一緒に帰れる?』
「あー、ごめん」
『…そっかあ…また』
「うん、またね」
……………………
面倒くさがりの凪くんと付き合って2ヶ月…
最初の方は帰ったり話したりしていたけれど、今はもう話もしないし帰りもしない
なぜ付き合ったのか。それは私が告白したからだ。
色素が薄い髪の毛や色白な肌に惹かれ、面倒くさがりでいつも寝ているのにやる時はちゃんとやる、という所に惚れたから告白をした
すると彼はおっけーと言ってくれた、が
今思えば断ってグズグズ言われるのがめんどくさかったんじゃないか、なんて考えてしまう
🔎【お互い傷つかない別れ方】
私が振ったとしても彼は何も無いと思う。だけを私へのダメージが強すぎる
だから私は検索をし、色んな事を調べ
『(…これは成功する気しないし…これも…人を乱用するのはなあ…これも…)』
見ていてぱっとする物が無かったとき、1つの文章が目に入った
〈お互い傷つけない別れ方〉____
やっぱり自然消滅が1番だと!………
『(これだ…!)』
確かにこの手もあったな…なんて思いながら
文章を全て読んだ
これをやるのか…なんで少し胸が痛くなったけれど
このままだとずっと自分が苦しいだけだから
文章の通りにやることにした
次の日の朝___
『(同じクラスで話さないなんて…できるかな)』
私はその日1日、凪 誠士郎と会話を交わさない事にした
喋らなければこれから喋ることも無くなるから
自然消滅するんだという
『(出来るかは…まあまた考えよう)』
帰り際___
私はその日1日凪 誠士郎と話すことは無かった
なんとも思ってない彼には少し悲しいけれど
これが続けば自然消滅になる
『(帰るか…)』
ドアを開けた瞬間
「うぉっ、びっくりした」
『ぐえっ』
私は女の子らしくない声を出し、倒れそうになった時
「おっとあぶね、
ごめん大丈夫?」
支えてくれ、こんなことを言ってくれたのは
御影玲王
御影コーポレーションの御曹司で、白宝の王子
凪誠士郎が宝物らしい
『(1番関わりたくない人にぶつかってしまった…)』
そう、彼は一応凪誠士郎と仲がいい訳で
今1番関わりたくなかった人の1人
「凪迎えに来たんだ、いる?」
『あー、いるよ、あそこに…』
早く、早く帰りたい
この場から離れたい
御影くんと凪くんが楽しそうにしているところを見たくないから
『…私、かえるね!』
「え、彼氏と帰んなくていいの?」
余計なことを言わないでくれ…なんて内心思いながら私は苦笑いした
彼は今寝ていて、きっと話し声も聞こえないはずだから、私は御影くんに言った
『…私さ、凪くんと自然消滅しようと思ってて』
「…え」
彼は一瞬目を開きなんで?と聞いた
『凪くん…最近忙しいのは分かるけど
予定も合わないし時間も無いから、私居ない方が楽かなーって笑』
私は苦笑いしながら言った
御影くんはさっきよりも目を開いて目線を私より少し上にした
「あー………」
「ねえ、待ってそれどういうこと?」
聞き覚えのある透き通った声
私はその声を聞いた瞬間背筋が凍った
やばい、逃げ出したい
あれ、今寝てたのになんで
どうしよう、別れたいって言われちゃうかな
色んな事が頭をぐるぐる回る
『あれ…凪くん寝てたよね…?』
「ずっと起きてたけど、レオが来たとこから」
しまったー……
『あーーーーーー!!ワタシキョウバイトダッターーー!!!マタネ!!』
「え、いやいや。逃がさないけど」
「あーーー俺ちょっと先行ってるわ!!サッカー部のやつにも上手く言っとく!!」
『まっ、れ』
私はこの名前を言い切る前に口に手が当てられた
「なに、他の男の名前言うの?彼氏がいるのに」
しまった。これは完全にしまったあーーー!
完全に地雷を踏んだ気がする
………でも
今まで冷たく接してきたのはそっちだよね?面倒くさがってたのもそっちじゃん
女の子に腕組まれたり頭撫でられたり絡まれても何も言わないししなかったのも自分じゃん
なんで私が終わった状況になってんの
意味わかんない
『……ちがいさせないで』
「…なに」
『最初から……勘違いさせないでよ』
私は俯きながら言ってやった
今彼はどんな顔をしているかも見れない
自分がどんな顔をしているかも分からない
『……最初からすきじゃなかったから、めんどくさくて断ってなかったのもしってるし』
…………………
告白の返事はすぐだった
その時のことを今でも覚えてる
「あー、うん」
私は一瞬 ハテナが頭に浮かんだけど、それより先に嬉しいが勝った
今考えると彼は考えるのが、断るのが面倒くさかったんだなあと思う
私の彼氏…凪誠士郎は元々は変人だと思われていた。授業中は寝ているし、話も聞いていない
面倒くさがりでゲームしかやらない
そんで人気者の御影玲王とも仲がいい
癪に障る人も多かったのだろう。だけどサッカーを初めてからは彼の事を認める人が多かった
凪誠士郎の良さに気づいた女子が沢山寄ってきて
彼はその事をなんとも思っていないのが私は気に障った
私は見ていて辛くなった。だから新しい道に踏み出そうとしたのに
なんでこの手を離してくれないの
『清々するでしょ…。これ離したらもうお別れだから早く離して』
_私がもう貴方に纏わりつくことはないから_
「なら尚更離さないし」
彼は私の腕を引き自分の胸へと導いた
『わ』
驚きのあまり私は目を開いた
なんで?なんで今なの
また好きになるじゃん。それでまた捨てるんでしょ
『なんで、なんでいまなの、』
「うん、ごめん」
『また、そうやって捨てるんじゃん』
「え、俺捨てたつもりないけど」
『……え?』
「1番欲しかったものが手に入ったんじゃん、なんで捨てんの」
『え?』
どーいうこと?1番欲しかったものって?
何か勘違いしているんじゃないかと思って
私は彼を突き放そうとしたけど
体格の差があり突き放すことが出来なかった
『まって…苦しい…きつ』
「あ、ごめん」
そういい彼は私を離し、今度は両肩を掴んで目を合わせた
私が見た彼は想像と違くて
目が少し潤んで眉毛を顰めていた
「なんで、そんなこと言うの」
『だって、』
「俺、ずっとキミの事狙ってたんだよ」
『はあ?』
私は驚きのあまり女の子らしくない声を上げてしまった
「だから、告白された時凄く驚いてなんて答えればいいか分からなくて変なこと言ったし」
「嫉妬したとこ、ちょっと見たいなあって思っちゃたから」
目の前にいる凪誠士郎はごめん、と言いながら肩に顔を埋めてきた
『……1回なぐってもいい?理解が追いつかないから』
「いいよ、10回でも、100回でも」
「大切な物がなくなるんだったら俺がボコボコになった方がまし」
彼は本気だ___
私への気持ちはあったんだと思うと少し嬉しくて
目から雫が1粒出てきた
涙を少し堪えながら肩に顔を埋めている彼の頭を撫でる
白くて、綺麗で、フワフワしている頭を撫でているとあったくなってきて、心の不安も溶けてきた
「次からは、余計なことしない。絶対約束する」
『わかったわかった』
なら、今日は隣で歩いてもいい?