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32. ◇バレた
妻に自分たちのことがバレた。
エリカには、自分は妻と子供たちを愛しているし、
大切な存在であることを付き合うことになった時に伝えてあった。
そしてエリカに将来、来るべき別れについて話し合った時にも
改めて伝えていた。
自分に愛情を持ってくれたエリカには非情なことだったと思うが、
私の中で妻とエリカに対する気持ちがブレることは一度もなかった。
それほどに妻の存在は私にとって大きいもので。
エリカはあきらかに動揺していた。
自分の心を少しずつ別れに向けて宥めていくから、
完全にふたりの関係を終わらせるのは待ってほしいと彼女から
懇願され、私もまた妻に対する自信のなさからそれを承諾して
しまった。
妻との完全なる再構築のなされていない不安があり、私のほうでもすぐに
別れることへのためらいがあったためだ。
結果、エリカが家庭の事情で母国に帰ることになるまで、私は
関係を続けてしまった。
絶対妻に関係が続いていることを知られてはならなかったので、
お互いの連絡方法は慎重に行った。
エリカが夫のいる元へと帰国した時、心底ほっとした自分がいた。
本当に今度こそ人生をリセットできると。
私は妻の出してきた条件をあまりにも軽々しく
受け止めていたのかもしれない。
もうすでにいちどバレてしまったことであるし、案外冷静だった
妻の中に吹き荒れていた嵐、苦悩や慟哭がいかばかりであったのか、
想像だにしていなかった。
そして……
海外出張からの帰国後、私は厳しい現実をつきつけられたのである。
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#不倫
#離婚