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――……遠くから、
ひどく懐かしい物音が聴こえてくる。
野球でボールを打ったときのカーンという甲高い音、その直後に聞こえる生徒たちの声援。
以前は毎日のように聞いていたのに、
いまはとても懐かしいこの感じは――……。
「―――……っ！」
がば、と身を起こすと、窓ごしに見える橙色に燃える夕陽がわたしの目をくらませた。
あわてて顔をそらすと、今度はその夕明りのなかで、陰の明暗を色濃くしている教室の風景が目に飛びこんでくる。
忘れるはずもない、
毎日のように過ごしていたこの場所は―――。
（わたしの、教室……！）
がたり、と席を立ちあがって、
わたしは周囲を見渡した。
誰もいない教室。わたしは制服姿で、ひとりで自分の席に座り込んでいる。
グラウンドで部活をやっているのか、窓の外からは、生徒たちのがやがやした声が遠い潮騒のように聞こえている。
いつもと変わらない、放課＊＊＊＊＊
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