テラーノベル
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休憩中。
ふたりは、倉庫の隅でペットボトルを開けながら話していた。
恒は、ひろの話し方を聞きながら、ふと口を開いた。
「……ひろの声、ちょっと変わった?」
ひろは、手を止めた。
「変わった?」
「うん。前より、少し低くなった気がする。
落ち着いたっていうか、響きが違う。」
ひろは、少しだけ考えてから言った。
「そうかも。
あんまり意識してなかったけど、
前より喉が重い感じはする。」
恒は、うなずいた。
「なんか、静かな感じになったよね。
前はもうちょっと……軽かった。」
ひろは、少しだけ笑った。
「軽かったって、どういう意味?」
「いや、なんか……ふわっとしてた。
今は、ちゃんと届く感じ。」
ひろは、何も言わずにペットボトルを口に運んだ。
恒は、それ以上何も言わなかった。
変化に気づくことは、
過去を引きずることじゃない。
ただ、今のひろをちゃんと見てるってこと。
その静かな確認が、
ふたりの間に、少しだけ安心を落とした。
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