テラーノベル
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光の精霊だった二人はお互いに、じっと目を合わせている。
何か、話しでもしているんだろうか。
「カナ! カナ!」
カトル王子がカナちゃんのもとに向かった。リードを押し退けて自分の胸の中に彼女を抱える。押し退けられた彼は、カナちゃんを心配するように見ており、カトル王子に何か言おうとして言いよどんでいるように見えた。
「起きてくれ! 魔物が現れた! カナの本物の聖女の力で――」
「殿下――」
「ライトコールノ王子――、ボクノハナヨメヲ――――」
その様子を見ていた真っ白なライトの目から赤い涙が溢れ落ちる。そして隣の魔物も、同じ様に涙を流す。
「リサ! 結界を彼らに」
スペードが叫ぶ。
「はいっ!! ライト!」
間違ってないだろうか、私はカトル王子とカナに結界をはった。
その直後、魔物が王子達に襲いかかった。
ガキィン
魔物の爪が弾かれる。それが何かわかったのか魔物は後ろに跳び白ライトの元に戻る。
「ドウシテジャマヲスル――。コノクニハ――ウラギリモノダ――」
裏切り者? 過去に何かあったの? でも、そのことは私達は何も知らないよ。
「聖女ハウラギル、ソノユビワモ――オナジ――」
彼はカナちゃんの指を指差す。聖女が裏切る? 彼と契約していた聖女は、彼を裏切った?
「コノクニナンテ……聖女……ホロビテシマエ!!!!」
白ライトと魔物のライトが、耳をつんざく咆哮を同時にあげた。
とても苦しそうな、哀しそうな。
「ルード、手伝ってもらっていいかい!」
「はい、アリスト様」
二人がいつものように武器を構える。
「ウォータ」
水の強化魔法を私は二人にかけた。
「皆、避難しろ! 戦える勇気のある者はここへ」
リードが、衛兵達へ号令をかけている。しかし、聖女が気を失っているという事実が、彼らに与える恐怖を増幅させる。
何人が避難し、何人が残ったのだろう。
名前も知らない、誰かまで私は守れるのだろうか。出来れば皆、逃げて欲しい。
「殿下、その中ならきっと安全です。カナ様を――」
リードは、そう言ってからきゅっと自分の手を握りしめ、こちらへときた。そして、ルードの横に並んだ。
「私も、戦えます」
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ショートソードを両手に構え、リードが言った。
私は、もう一度ウォータを呼び、彼にも強化魔法をかけた。
彼はとても驚いた顔をしていたが、すぐに視線を前方へと戻す。小さく、彼の、ありがとうございますという声が聞こえた気がした。
「リード、ルードは魔物の方に行ってくれ、ボクは人型の方に」
「「はい」」
リード、ルード、よく似た二人の声が重なる。
「リサちゃん、ごめんね。もう一度、出来る?」
わからない、……だって今日はもういっぱい浄化魔法をしている。だけど、――やるしかないよね。
私はこくりと頷いて覚悟を決める。
ライトに、お願いされたから――。二人とも浄化してって――。
彼らを、救いたい。
「やるよ! 私は二人を浄化する。そして、滅びの予言を覆してみせる!」
アリスとの、未来のために! そして、カナちゃんとの約束を果たすために!
コメント
1件
わああ第168話読み終わったよ…!!😭💕 白ライトと魔物が同時にあげた咆哮、めっちゃ苦しくて悲しい響きだった…二人の過去に何があったんだろ。赤い涙すごく胸にきた。 それでもリサが「二人を浄化する」って覚悟決めるラスト、すごく熱い!😤✨アリスとの未来、カナとの約束、全部背負って戦う姿が眩しいよ…! 続きが待ちきれない〜!🔥