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ゆき
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桜の花びらが開き始めた頃学園では卒業式の準備が始まっていた
いつもと変わらない生徒会室
けれど、そこにはいつもと少し違う空気が流れていた
舜太「勇ちゃんも卒業か〜、寂しくなるなぁ」
太智「舜太卒業式で泣いてまうんやない〜?」
舜太「は!? 泣かんわ!」
柔太朗「まぁまぁ、勇ちゃんは進学するんだっけ?」
仁人「そうらしい、自分の能力を活かせる警察官になりたいんだって」
柔太朗「なるほどな〜」
誰よりも努力を重ねどんなことにも諦めずに挑戦し続ける佐野
そんな佐野にはぴったりの仕事なのかもしれない
太智「仁人は確か在校生代表で喋るんやろ?」
仁人「そう……」
舜太「勇ちゃん絶対喜ぶな!」
吉田は佐野から生徒会長に任命され次期生徒会長として学園を任されることになった
そして、卒業式では在校生代表として祝辞を述べることになっている
そんな話をしていると――
勇斗「おーい! 4人とも何してんの!」
佐野がこちらに駆け寄ってきた
柔太朗「勇ちゃんが卒業したら寂しいねって話してたんだよ」
そう言ってから山中はちらりと吉田を見る
柔太朗「……特に仁ちゃんがね」
仁人「は!? そんなこと言ってねーわ!」
勇斗「えっ、仁ちゃん寂しいの? そっかそっか〜!」
仁人「おい、勝手に納得すんな!」
勇斗「大丈夫だよ! 卒業しても会いに来るからね!」
そう言うなり佐野は吉田にぎゅっと抱きついた
仁人「だから、くっつくなって!」
いつもならすぐに引き剥がされるはずなのに今日の吉田は文句を言いながらも佐野を無理やり引き離そうとはしなかった
きっと、言葉にしないだけで本当は寂しいのだろう
そんな吉田の気持ちに気づいているのかいないのか
勇斗「まー仁人! この学園は任せた!」
佐野は吉田の頭を優しく撫でた
仁人「……分かってるよ」
吉田の能力も仲間たちの協力のおかげで少しずつ制御できるようになっていた
自分の能力を恐れていた吉田が今ではその力と向き合い、学園を守るための道を歩き始めている
そんな吉田だからこそ佐野は安心して学園を託せるのかもしれない
吉田仁人は、もうこの学園にとって必要不可欠な存在になっていた
そして――
それから二日後
佐野勇斗はこの学園を卒業していった
⸻
卒業式が終わり校門の前
別れの時間が近づくにつれ、いつもは賑やかな五人の間にも少しずつ寂しさが広がっていた
舜太「うっ…勇ちゃん…元気でな…っ、」
勇斗「はっ!? 舜太、泣きすぎ!」
太智「まぁ、勇斗は勇斗らしく頑張りや!」
柔太朗「なんかあったら連絡して!」
勇斗「おう! みんなも元気でな!」
次々と交わされる別れの言葉
けれど、その中で一人だけ何も言わずに俯いている人物がいた
吉田仁人だった
勇斗「……仁人?」
佐野は吉田の前にしゃがみ込み顔を覗き込んだ
勇斗「どうした?」
仁人「……別に」
勇斗「嘘つけ、顔全然見せてくれないじゃん」
仁人「うるさいな……」
そう言いながらも吉田は顔を上げなかった
何かを言いたいのに言葉にできない
寂しい
行かないでほしい
もっと一緒にいたい
けれど、そんなことを口にしたらきっと今までこらえていたものまで溢れてしまいそうだった
そんな吉田の気持ちを察したのか佐野はふざけるのをやめ優しく声をかけた
勇斗「仁人、俺は仁人が呼んだらすぐに駆けつけるから」
「どんなことがあっても絶対に」
その言葉に吉田はゆっくりと顔を上げた
仁人「……うん」
少しだけ迷ってから吉田は小さな声で続けた
仁人「……約束だよ」
勇斗「あぁ、約束」
二人は真っ直ぐに見つめ合あい笑いあった
するとぎゅっと佐野が強く吉田を抱きしめた
勇斗「……じゃあ、またな仁人」
仁人「……うん、またね勇斗」
その声を聞いて佐野は名残惜しそうに腕を緩めた
少し離れたところで二人を見守っていた三人は、呆れたように顔を見合わせながらも優しい笑みを浮かべていた
舜太「二人とも……っ、うっ……よがっだぁ……!」
太智「お前は泣きすぎや!!」
柔太朗「最後まで騒がしいなぁ…」
いつものようなやり取りに吉田も思わず小さく笑った
そして佐野は三人に手を振りながら歩き出した
何度も振り返りながら校門の向こうへと消えていく
吉田は、その背中が見えなくなるまでずっと見つめていた
寂しくないと言えばきっと嘘になる
それでも、もう二度と会えないわけじゃない
勇斗は約束してくれた
自分が困った時には必ず駆けつけてくれると
仁人「……絶対だからな」
誰にも聞こえないくらい小さな声で吉田は呟いた
春風が吹き桜の花びらがひらりと舞い落ちる
別れは寂しい
けれど、二人の物語はまだ終わらない
────────────────────────
これで一旦終わりです!
内容がまとまったら続編を書けたらと思ってます!
コメント
6件

お疲れ様ですm(_ _)m 最高でした(*`ω´)b 続編も待ってます|´-`)
最高でした!!新作どちらも捨てがたい💓
やばい泣きそうになった😭