どうも、最近失踪気味だった那賀酸です。さて、今回は第11話「失った時間と後悔」です。ぜひ御覧ください。
P.S. 最近ハートが多くて嬉しいのですが、できればフォローもしてくれると嬉しいです。
蒼と美月は未来ノートに新たな夢を書き込み、明るい気持ちで前に進もうとしていた。しかし、人生は順調な時ばかりではない。二人はそれぞれの日常の中で、新たな障害や責任に直面し、再びすれ違う日々が訪れた。
蒼は仕事のプロジェクトに追われ、長時間の残業や出張が続いていた。上司からの期待が高まる一方で、彼自身も自分のキャリアを築くために努力を惜しまなかった。しかし、その忙しさが美月との時間を奪い取っていくことに気づいていなかった。
一方、美月もまた職場での責任が増し、人間関係の悩みに直面していた。蒼と過ごす時間が減り、互いの声を聞ける機会さえ失われていく中で、美月は次第に不安を募らせていった。
ある夜、美月はふと未来ノートを開いた。そのページには、二人で一緒に書いた夢が並んでいた。しかし、現実の忙しさに追われ、その夢が一つも近づいていないことに胸を締め付けられるような思いを感じた。
「蒼と話をしたい。でも、忙しいって言われたら…」 美月はスマートフォンを手にしながら、結局メッセージを送る勇気を持てずに画面を閉じた。
蒼もまた、仕事の合間に美月のことを考えていた。しかし、疲れ果てた体を休めるために、連絡を取るのを後回しにしてしまう日が続いていた。 「今は頑張る時期だ。でも、このままでいいのか…」 蒼は自問自答しながらも、行動を起こせない自分に苛立ちを感じていた。
そして、ある日。ついに二人は久しぶりに会うことを決めたが、その場はぎこちない雰囲気で始まった。美月が静かに口を開く。 「私たち、夢を描いたけど、今はその夢から遠ざかってる気がするの。どうしてこうなっちゃったのかな…」 その言葉に蒼は言葉を詰まらせ、しばらくの間何も言えなかった。彼自身も同じ気持ちを抱えていたが、それをうまく言葉にできなかったからだ。
沈黙が続いた後、蒼は深く息を吸い込んで言った。 「美月、ごめん。俺、もっと二人の時間を大切にするべきだった。でも、今からでも取り戻せると思う。そう思ってる。」 その言葉を聞いた美月の目には涙が浮かんでいた。 「私も…蒼と一緒にいられる時間を、もっと大切にしたい。」
その夜、二人は未来ノートに再び目を向けることを誓い、失った時間を取り戻すために、互いに支え合っていく決意を新たにした。そしてその後、新たな試練を乗り越えるための道筋を歩き始めた。