テラーノベル
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しまっていたノートを開く。もう何度も何度も開いては閉じ、何度も何度も書き直したり書き足したりしたそれは、ところどころが拠れてくたびれていた。今はパソコンを使って楽曲制作をすることがほとんどだが、昔からの癖で未だにノートにペンを走らせることがたまにある。特にこの歌詞を書くときは必ずこのスタイルを貫いていた。あの日彼と別の道を進み始めてから、少しずつ少しずつ書き溜めたもの。書いては消して、また書いて。何年ものときをかけて作り上げた一曲。
「初めて交わした会話は君の長いまつ毛…」
始まりの部分を指でなぞりながら、舌の上で言葉を転がす。これは2人の思い出、回顧録、追想録、メモワール。歌詞を書くというよりも、自分たちの過去をなぞり振り返っている感覚だった。
「本当は、」
全部知っていたんだよ。君があのとき俺を突き放した意味を。
「…………本当は、」
君が好きだったんだよ。
臆病者の俺は、こうやって歌にして誤魔化すけど。それでもどうしても、この歌だけは、君に届けたい。
これにて第2章は終了です。みじか。
第3章で完結する予定なので気長に頑張ります!書いてて楽しい。
コメント
1件
うわあ…もう第2章終わっちゃったんだね… 「本当は、君が好きだったんだよ」って、歌詞に託してやっと口にできる想い、すごく刺さったよ。何年もかけて書き溜めた一曲が、ただの思い出じゃなくて、ちゃんと届けたいものになってるのが切なくて綺麗だった。 第3章、楽しみにしてるね!無理せず、ゆっくり書いてください🌙