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溶けてしまうよ日長石

溶けてしまうよ日長石

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溶けてしまうよ日長石

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2024年03月25日

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注意事項

・この作品はwrwrd様の二次創作です。

・本人様とは関係ありません。

・検索避けに協力してください。

・軍パロです。

・流血等の表現が含まれます。

・ハッピーエンド、バッドエンドかはご自身の想像によって変わります。

ワンクッション


























─────────────

サンストーン。

それは和名で日長石 (にっちょうせき)と呼ぶ。

赤みがかった橙色の宝石で、石自体がキラキラと自発的に光を放っているように見えるのが特徴的。


宝石は、どれも美しいだろう?














───────────

「ってことで、ci。grの代わりにパーティに行ってくれ。」

「は…はあ!?!?」

会議の終わり際に、tnがそう伝えた。

パーティ、というものは国の交流会のようなものであり、色んな国から総統や自慢の幹部などが集まるのだ。

総統が行かなくてはならない行事である。

「grが来るなら分かるけど、代わりってなに!?」

「…grを見ろよ。」

tnに言われ、ちらりと真ん中に座るgrに目を向ける。

ふんっと偉い姿勢で、こちらを怖いくらいに睨んでいた。

「あッ…はい!!ci、精一杯頑張ります!!!!」

ciは背筋が凍り、ピシッと敬礼をした。

その瞬間、grは笑顔になった。

「ciは詐欺師だろう?だから、私に変装するといい。総統を演じるのだぞ。」

「はい!!」

「すまんな、よろしく。準備はこっちで手配するわ。」

「はい!!…ってあれ、俺だけで行くん?」

そう言えば、話に入っているのはciとgrとtnだけだ。

ciは周りを見渡した。

すると、椅子に座っている仲間達は苦笑した。

「僕ら予定入ってんねんよぉ。」

「…ええ、護衛もなし、?」

「安心するといい。交流会だから暴力は禁止されている。」

「そ、それならええけどさぁ…。」

grに書類を渡され、会議は終わった。

shpがバシバシとciの背中を叩いて励ました。













──────────

ciは渋々grの服に着替え、黒髪のウィッグも被った。

パーティ会場に付き、ひとまず出された紅茶を飲んだ。

「おおこれはこれは!!gr総統ではありませんか!!」

特徴的な腕の紋章、A国の総統だ。

「〇〇総統久しぶりだな。」

ciは声を低くし、口調も寄せて喋った。

「少し声変わりしましたか??ははっ、それでも格好良いですなあ。」

「gr総統!!お会いしたかったです!!」

「gr総統!!お話を!!」

ぞろぞろと集まってくる。

ciはなんとなくgrが嫌がる理由が分かった。

grは、しつこい相手が苦手なのだ。

こりゃ大変だなぁなんて思いながら、他国の総統と話していると、突然ライトが消えた。

皆は大騒ぎになった。

ciは転けないようにすることだけ考えていた。

grが暴力は禁止されていると言っていたからだ。

ただのライトが切れただけ。

…そう、思っていた。


















────────────

「grコラァ!!書類やれ言うたやろ!!!!!!」

「そ、そんなに怒らなくてもいいじゃないかっ!!」

「ciの分もやるのが条件やったやろがい!!」

「ひぇ〜、tn氏こわぁ。」

grの机に出来てる書類タワーを指さしてtnは怒鳴った。

grは呑気にスイーツを食べていた。

「後でやろうと考えていたんだぞ。」

「嘘つけ。utと同じやないけ。」

grはスイーツをtnに差し出した。

「怒りすぎはストレスの原因になるぞ。これでも食べて落ち着け。」

「grがはよ書類すればストレス無くなるんやけど。」

tnは、スイーツを受け取り、口に含んだ。

そして通信機を手に取った。

「あ、rbからや。」

「ほう?」


「もしもし、こちらtn。どうした?」

『こちらrb!!パーティ会場で事件発生との連絡が来た!!』

「な、なんやて!?!?」

『謎の黒マスク集団が、会場の出入口を封鎖、ライトも全部消したらしい!!今すぐ向かう準備をお願いしたい!!』

「了解!!」

grとtnは顔を見合せた。

「…、やらかしたな。」

「ああ、くそッ、空いてるやつはいないのか!!」

幹部全員に繋がっている通信機で連絡を送る。

が、皆忙しいようで誰からも返事が来なかった。

「…俺が行く。grは書類やっててくれ。」

「おう。…あ、外資系がこちらに来てくれるそうだ。2人で行くといい。」

「…分かった。」

tnは粛清剣を持ち、車へ向かった。










───────────

「ご機嫌いかが??gr総統。」

「…んぁ、??」

目を覚ます。

両手足は拘束されていた。

冷たいコンクリートの床に寝転がされているようだ。

だが、幸い自分はciで、幹部の1番下の新人。

総統ではないのだ。

それもバレていない。

「はっ、無様だな。さて、総統が居なくなったらあの国はどうなるだろうか??」

「さあな。そんなの私の知ったこっちゃない。」

「本当は不安な癖に。」

「ふふっ、そりゃ今から自分がどんな目に合うのか、身体が震えるさ。でも、アイツらは違う。アイツらの未来に不安なんて無い。」

だって、自分は総統じゃないから。

ciはくすりと内心笑った。

「ちッ…これだからイカれた総統は!!おい!!お前ら、やれ!!!!」

男らが来て、ciの前に水の入った桶を置いた。

ああ、なるほどね。

ciは初の拷問を受けるのだ。

だが別に平気だ。彼らは助けに来てくれる。

それまで耐えれば良い話。

黒髪の頭を掴まれ、乱暴に水の中へ押し込まれる。

ゴボゴボと暴れるciを3人係で抑える。

そして抵抗が無くなったら、水から出される。

その繰り返しだ。



「げほッ…はッ、、ふッ。」

そして、繰り返して行くうちに、ウィッグがズレてきた。

元々やっかいなほどに癖のある水色髪がぴょこぴょこと出ていってしまった。

「…ん?おい、それを取れ!!!!」

男に遂にウィッグを取られる。

「…なんだ、こいつ。おい!!!他も見ろ!」

カラコン等も取られ、ようやく総統では無いことがバレた。

「…は、こいつ総統じゃねえ!!!!」

「ようやくかよ!!くふふふッ!!僕、幹部の1番下の新人やで??ふはッ、ざまぁ!!!!」

ciはケラケラと笑った。

見てて面白い驚いた表情が、みるみる怒りに変わっていく。

「もういい、こいつはいらない。おい!!自白剤を盛れ!!」

「…ふーん。」

ciの口に自白剤が流し込まれる。それをペッペッと男らに吐いてやった。

男らは次第に限界を超えたらしく、銃やらナイフやらを持ってきた。

そうして、ciを傷つけた。

それでもciは抵抗を続けた。

彼らを信じているのだ。

綺麗な、眩しいほどに光り輝く瞳は、まるでサンストーンのようだった。















────────────

パーティ会場に着くと、外の庭に総統や幹部、護衛の人らが集まっていた。

「ああ、tn書記長ではありませんか。」

「ああ、どうも。」

A国の仲の良い総統に声をかけられる。

無視するとこれからがやっかいなので、少し会釈をする。

「そちらは??」

「幹部のshpっす。」

「そうでしたか。どうぞよろしく。」

お辞儀をしci、ああ…grの姿を探す。

いくら見渡しても見当たらない。

他の総統らに尋ねてみれば皆、そう言えば見てないなと言うのだった。

「…、どういうことや。」

「…すみません、gr総統を見ませんでした??」

「あ、先程の…ええと、shpさん!!gr総統でしたら……はッ!!」

総統は、青ざめて震え出した。

「そうだッ、あの時…暗くなった時、gr総統は連れてかれた!!」

「私も確かに、誰かが連れてかれたように見えたわ!!あれ、gr総統だったのかしら!?!?」

周りの総統が皆ざわつき始める。

そして、2人は顔を見合せた。

このままでは、新人の命が危ないと。











────────────

………………。

次第に意識は持っていかれる。

元々、毒には耐性があった。

それが今ではこうも辛い。

目の前が暗くなる。

黒色は好きだ。

総統の持つ黒色は黒色であるはずなのに、輝きを持っていた。

そんな黒色を、追いかけていた。

今日だって、黒色を背負えてすごく誇りに思った。

でも、やはり自分、橙色が完全に黒色になる事は出来なかった。

濁ったような色になるだけ。

汚い色になるだけ。


どうしたら、黒色になれるのだろう。

元がいけないのだろうか。

いやでも、橙色の自分なんかが黒色になろうだなんて、最低すぎる。


そんな自分は、居なくなればいいんだ。


絵の具だって、水で洗い流されてしまう。

使い終わればもうさようなら。

そんな世界だ。

ちっぽけな世界なんだ。


宝石は、滅多に溶けるなんてことはない。

でも、所詮世界はちっぽけで。

いつかは、無くなってしまうもの。

この世界に最高というものはあるのだろうか。

ああ、それこそ…憧れの黒色だろうか。


そんな色に、なりたかっただけなのだ。


憧れは原動力。それであって頑張れた。

もう、頑張れない。

頑張ったから、頑張れない。

力も頭も使い切った。

サンストーンはゆんわりと揺れ、じんわりと溶ける。

ポタポタと、透明の水に変わる。

そうして、色も輝きも失う。

その場にぽつりと、溶けて残る。

















─────────────

「ここのはずや…ッ。」

「…急ぎましょう、もう1時間も経ってる。」

仕事を早めに終わらせてくれたrbの情報のおかげで、ciを攫った組織を特定することができた。

その隠れ家も特定してくれたのだ。

tn、shpそして追加でzmとshoも駆けつけてくれた。

安心することは出来ない、ciが攫われてから1時間が経過しているのだ。


重い扉を開ける。

ぶわっと、嫌な匂いが身体を包んだ。

扉の音に気がついたのか、何人かが襲いかかってきた。

zmとshoはそいつらの相手をする。

その間に、tnとshpはciを探す。

この作戦だ。

「ここは任せろ!!」

「頼んだぞ、zm!!sho!!」








───────────

階段を素早く降り、また現れた重い扉を開ける。

そこには、1人、ガタイの良い男がいた。

そして、その奥に水色髪の先を赤く染めたciが、こちらに背を向けて倒れていた。

「…ci!!」

「ほう、ようやくですか。思ったより遅かったですねえ。W国の幹部サン。」

男は銃をshpとtnに向けた。

「全く、騙されましたよ。まさか新人が総統に成り済ましているとは。これは、私たちの悪巧みに気づいていたからですか??」

「アンタが知ることじゃない。」

「はぁ…なんて冷たい書記長。こんなんだから、新人も弱いんでしょう。」

「ciは弱くない。アンタの方が弱い!!」

声を荒げたshpに近寄り、額に銃を押し付ける。

「立場を考えろ。今、新人の命は私の手の中。彼がどうなるか…それは貴方達にかかってる。」

「…ッ。」

「でも、よく考えて見てください。こんなにも弱くてちっぽけな新人なんて、いくらでもいます。捨てちゃえばいいんですよ。私たちと組みましょう??こいつを、実験に使わせてくれれば、それで良い。」

「渡すわけないやろ。ciを見る目がないな。」

tnが鼻で笑ってそう言った。

それが、男の癪に触ったらしく、男は発砲した。

咄嗟に避けたが、tnの右腕に当たった。

「ふはッ…、すぐ怒る、やん。草。」

「tnさん!!」

「動くな!!いいのか??こいつを撃つぞ!」

男は、ciに銃を向けた。

2人は身体を止める。

自分が怪我をするのは良いが、これ以上ciに負担がかかると、本当に死んでしまう。

「ふふっ…こいつはよく出来ていたさ。自白剤を盛れば、貴方達の為に凄い抵抗をしたよ。私の服がどれだけ汚れたか。まあ、注射器で無理やり注入したのだが。」

男は、気持ち悪い手つきでciの頭を撫でた。

「そしたら、自分で自分を攻撃し、意識を自ら失って情報を漏らさないようにした。凄いと思わないか??私は、こういう奴をドロドロに壊すのが大好きだ。本当はプライドの高そうな総統をやりたかったが…、こいつも良いな。」

にたりと笑って2人を見る。

「こいつ、くれよ。」

「その手を離、せ…。お前、なんかに…渡さない。」

「ふはっ、ダメージ受けてんなぁ。そのうち出血で死ぬぞ。」

「今。」

「は?」

shpの静かで冷静な声がつんと部屋に広がる。

そして、大きな爆発と同時に、男は吹き飛んだ。

「どっかーん!!!!!!!!!!」

「zm!!もう少し俺が遅れたらciが巻き込まれるところやったぞ!!!!」

zmとshoだ。

zmは吹っ飛んだ男に飛びかかるように走っていった。

shpも応戦について行った。

shoは爆発に巻き込まれないように、ciに覆いかぶさっていた。

tnに包帯等を投げる。

「すまんな…、がばったわ。」

「tnがこんなにもパニくるんは初めて見た。そりゃ、tn確か…ciと同郷やろ??だからやろ。」

「まあな…。ああ、それよりciは!!」

止血を終えたtnは、shoの腕の中のciに駆け寄る。

「ああ、ciなら寝て……え??」

ciの目は開かれていた。

ぼんやりと虚空に浮かんでいるようで、焦点も合っていない。

意識はないようだ。揺さぶっても反応しない。

虚ろにぽかんと浮かぶその瞳は、前のような明るい橙色、サンストーンのような瞳ではなかった。

輝きを失い、黒く濁った橙色。

「…ci、??ci、どうした!!!!息は!!」

「息はしとる!」

tnはそっと、ciの瞼を下ろした。

すると、されるがままに、ciの瞳は瞼に閉ざされた。

頬には嫌という程泣いたと分かる赤い跡が。

身体には見るに見れない傷の跡が。

新人の癖して、この国を守りきったのだ。

tnは自身の赤いマフラーをciに巻く。

「低体温症にならんように、これであっためといて。」

「うん。」

「ああ、emさんの迎えの車来るらしいわ。shoは、ciおぶってくれるか??」

「ええけど、tnはええん??」

「…俺は、落としてしまいそうや。」

「…そっか。」

tnは向こうで暴れている2人の方へ歩いていった。

shoはしっかりとciを背中に乗せた。

呼吸は耳を済ませないと聞こえないほどに、弱くなっていた。

じんわりと背中が濡れる。

ciの汗と、自分の汗、そして彼の努力だ。

出来るだけ、揺らさぬように階段を上がる。

不思議とその体は軽かった。

こんな軽い身体には、持ちきれないほどの努力が積まれている。

すごい。

自分にはできない。

床にポツポツと落ちるそれが、shoの涙なのか、ciの涙なのか。

これから先に待っている結末が幸せなのか、不幸せなのか。

彼のサンストーンが、溶けてしまうのか。

それは誰にも分からないだろう。


















久しぶりに6000文字で収まって嬉しい!!

↑逆に内容が薄い?

続きはありません!!

んもう好きに考えちゃってください!!

この作品はいかがでしたか?

1,829

コメント

14

ユーザー

見るの遅れました … !! 瞳の色を宝石で表すというのを思いつくの天才すぎません ????😇😇 終わり方の解釈は自分で … やばい 、 バドエン大好きだからそうなっちゃうけど自然にハピエンに連れていかれる … (?) 変装してちゃんと総統になりきって最後まで敵を騙すの流石すぎる … もうほんとにやゔぁいですよ 。 神作をどんどん生み出していくのほんとに … 神ですよ ((

ユーザー

見んの遅れてガチ凹み中...でも神作見れて復活です!投稿お疲れ様です!!!

ユーザー

神だ、、。神作だわ、、、。 HappyENDだったら、他からの光を浴びることによって、宝石がまた輝きを取り戻すように、メンバーからの言葉等でまた意識を取り戻す BADENDだったら、ひびが入り割れた宝石は戻らないように、ciもこのまま戻らない、、とかですかね? だけど、宝石は割れたら輝きは減ってしまうけど失うわけじゃないから、視力(またはその他)が下がってしまうけど意識は取り戻す、、とかもありそう

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