花崎「②」
美穂はふうと息を吐いた。
ここでジョーカーを使う。
指摘されてもその人に大量のカードが行く。それならそれでOKだ。
美穂「③」
美穂はジョーカーを出した。
「――――」
「…………」
「――――」
誰も何も言わない。
尚子がカードを取った。
「んんん(④)」
出した。
カードから指先が離れる。
「ーーーごめんね」
美穂は尚子にだけ聞こえる声で言った。
尚子が驚いて振り返る。
「――――ダウト!」
美穂は叫んだ。
「……ええと、確認ですが」
アリスが美穂を見つめる。
「土井さんの“④”に対してのダウトでいいですね?」
「はい。そうです!」
美穂は鼻息荒く頷いた。
「そうですか」
アリスは頷いた。
「はははー、仕返しー?おもれー」
何も知らない仙田が笑う。
「それでは土井さん。カードを捲ってください」
アリスが促すと、尚子は素直に出したばかりのカードに白い手をかける。
――――間違ってはいないはずだ。
ジョーカーの1枚は先程、自分が出した。
もう1枚は花崎が持っているか、もう出してある。
美穂の手元には間違いなく④が3枚ある。
残りの1枚は先ほど尚子自身が出したはず。
出した、はず。
―――――。
ちらりと尚子の顔を見る。
尚子の1つの眼は、カードではなくこちらを見ていた。
「――――あ、待っ………」
バン!!!!
尚子は美穂を睨んだままカードを裏返すと、それをテーブルに叩きつけた。
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