※実際の団体、個人とは無関係です。
※ボイドラ時空でお送りします。
※成人向けに準ずる表現があります。ご注意ください。
※その他捏造した設定が多く含まれます。
ほんわりと温い温度で体中を包み込まれ、雲雀は眠っていた。仮眠用の簡素な寝具とはいえ、あの奏斗とアキラが選んだ質の良い物だ、寝心地はとても良い。
「ふ、きゅ……んぅ…」
ふかふかのベッドで自前のもふもふの尻尾を抱いて、ごろんと寝返りをうった。そのせいか眠りが浅くなり、大きな三角形をした狐の耳が音を拾った。 それはあまりにも淫猥で、現実離れした音だった。
粘っこい液体をかき混ぜるような音とそれから悲鳴に似た聞き覚えのある声。ずっと絶え間なく聞こえてくる。
「ん……何の音…?」
体を起こし、雲雀はベッドから降りると仮眠室の扉の隙間からリビングに当たる部分を覗き見てしまった。
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雲雀の場所からはソファーが一番よく見える。背もたれからはみ出して見えるのは奏斗の生足と尻尾と、セラフの背中。
「ぁ、にゃっ…♡せぁ゛、せら゛っ…♡すき、すき…っ、すき…♡♡にゃぅう…ッ♡せら、すきぃ、……にゃぁーう…♡」
『はーっ♡はぁ、奏斗…ッ俺も、好き…、かわい、♡…っかなとぉ…♡』
規則的なようで不規則な律動を繰り返すセラフの背中におそらく奏斗のものと思しき腕が縋り付いて、爪を突き立てる。その痛みを感じてか、セラフの動きは激しさを増し、ソファーは軋んで奏斗の足はビクリと大きく跳ねる。それに合わせるように金色の毛並みをした尻尾がぶわっと広がった。
扉の隙間からは気でも違えそうなほど甘い匂いが雲雀まで届いてくる。思わず鼻を塞いだ。
一体、何が起きているのか。全容が見えなくても、散々バカだなんだと言われている雲雀にも考えなくてもわかってしまうほど、二人は酷く乱れ互いを求め合っていた。
「にぅ、ッ…っ、〜〜っ♡ひ、っ、ぁ゛…ッ、なか、でてぅ、っ…♡♡」
『ごめ、…ッ♡また、中に出しちゃ、…っうぁ゛…、ぁ…っ♡』
上擦った涙声が一際高く跳ね上がり、二人が絶頂したことを知らせる。それでもまだ甘い匂いは消えず、ソファーは軋み続けた。
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「(奏斗とせらおが、……てか、俺も、やばい! )」
増していくばかりの発情を誘う甘ったるい匂いに当てられ、雲雀は後退る。だが、仮眠室から出られない。
じくじくと重苦しい熱が腹の奥から這い上がってきて雲雀の体を支配し始める。その場へうずくまりどうにかやり過ごせないかと鈍くなった思考であれこれ考えてみる。
しかし、いっこうに良案は出てこない。
「……ぅ、っ…」
自分まで理性を失ってはいけない、奏斗とセラフは揃って発情しているのだ、誰かが止めないと。
そう頭では理解しているつもりの雲雀、だが、身体は実に素直なものだった。
ぺたりと耳を真横へ倒し、尻尾の先を小さく振って、彼に触られている時の事を思い出しながら自身を慰め始めてしまった。
「ぁ、きら…っ、あん、ッ……ひ、っ…♡」
扉の向こうから聞こえる止まない嬌声を聞きながら、雲雀はスマートフォンへ手を伸ばした。震える手で通話画面を開き、アキラを探した。
やっとの思いで通話開始のアイコンを押すと、数分と待たずに声がした。
『……はい、もしもし、四季凪です。』
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