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午後の教室。授業が終わるチャイムが鳴ると同時に、窓から差し込む光がHoolaの毛をきらきらと照らした。リップを塗り直しながら、彼女は後ろの席へとくるりと振り返る。
「ねぇねぇ、今朝のプリント、hyeheheにバレずにスリ替えたやつ、うちの勝ちってことでよくな〜い?」
声をかけられたhyeheheは、机に肘をついてにやりと笑った。クールな目元に、悪だくみの火がちらついている。
「まだ勝ちだなんて言ってねーし。俺、まだ第2ラウンドしかけてないし?」
「なにそれずるっ!うちも次の作戦考えてたのに〜!」
2人のイタズラ合戦は、クラスでも有名だった。けれどそれはただの「遊び」ではない。お互いの手の内を探るような視線、その奥に潜むのは――まだ誰にも気づかれていない「好き」の種だった。
教室の端、Cherubbleはふわぁと大あくびをして寝かけながらも、それを横目で見ていた。
「んー……あれ、絶対どっちも落ちてるよねぇ……」
「同感」と小さく返すのはHumbug。窓際でイヤホンを片耳外し、視線だけを二人に向けていた。
「お互いイタズラしかけてるくせに、本気の気持ちは隠しっぱなしか……バカだな」
「でもさー、どっちも傷つきたくないって顔してるの、わかるしぃ……」
そのころ、Hoolaのグループ「Pomily」のメンバーも、女子トイレで作戦会議中だった。
「正直、あれ絶対くっつけるべきでしょ!」と、Pompomがリーダーシップ全開で言い出す。
「……でも、hyeheheくんってちょっと怖くない?」とSoozaがやや不安げ。
「はぁ〜?逆に最高っしょ」とRoobaが鏡を見ながら前髪を直す。
「ねぇ……今日、赤い風が吹いてたよ……恋の予兆かも……」とTootooが謎の発言を添える。
「じゃあさ〜、うちが動く前に、アイツの出方見よーよ」
Hoolaは唇をとがらせて、ちょっとだけ赤くなったほっぺを隠すように笑った。