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前の話読んでない方読んだ方が分かりやすいです!!
赫 side
赫 ) ……寝れねぇ
天井見上げたまま、小さく吐き捨てる。
目閉じても浮かぶのは
昨日のことばっか。
泣きそうな顔。
震える声。
最後に触れた唇。
赫 ) ……っ
無意識に、自分の口元触る。
やばい。
思い出しただけで
胸の奥が熱くなる。
赫 ) ……は
小さく笑って、すぐ眉寄せる。
ほんと、終わってる。
今までこんなこと一回もなかった。
誰か一人のことで
こんな頭いっぱいになるとか。
赫 ) ……いるま
名前呼ぶだけで
心臓がうるさい。
その時
📱
突然鳴ったスマホ。
画面に映った名前を見て
表情が止まる。
婚約者。
赫 ) ……
さっきまでの熱が
一気に現実に引き戻される。
赫 ) ……
通話画面を見つめたまま、動けない。
鳴り続けるスマホ。
昔なら、迷わず出てた。
なのに今は
指一本すら動かない。
赫 ) ……っ
脳裏に浮かぶのは昨日のことばっか。
震える声。
「会いたかった」
泣きそうな顔。触れた唇。
赫 ) ……は
だめだ。
思い出しただけで胸の奥が熱くなる。
📱
また、着信音。
現実に引き戻される。
赫 ) うるせぇ
小さく吐き捨てて
そのままスマホ伏せた。
出なきゃいけない。
分かってる。
でも
赫 ) 今、無理
自分でも驚くくらい
はっきりした拒絶だった。
そのままベッドに倒れ込む。
目閉じた瞬間また浮かぶ。
「会いたかった」
赫 ) ……っ
心臓がうるさい。
ほんと、どうかしてる。
赫 ) ……会いてぇ
ぽつり、零れた本音。
言った瞬間
自分で笑いそうになる。
昨日会ったばっかだろ。
なのに
もう足りない。
赫 ) 重症すぎんだろ
額押さえながら、小さく息吐く。
でも
否定できない。
あいつが離れていこうとした瞬間
頭真っ白になった。
見失った時、本気で焦った。
赫 ) ……逃がせるわけねぇ
低く落ちた声。
その時
📱
また、スマホが震える。
赫 ) ……はぁ
今度は、逃げずに画面を見る。
赫 ) ……
少しの沈黙。
そのあと
ゆっくり通話ボタン押す。
赫 ) ……もしもし
『やっと出た』
聞き慣れた声。
でも
前みたいに何も感じない。
『最近、全然会えてないね』
赫 ) あぁ
短く返す。
それだけなのに
妙に息苦しい。
『学校忙しい?』
赫 ) まぁ
違う。
ほんとは違う。
頭の中にいるのは
別のやつだ。
『……ねぇ、なつ?』
赫 ) ……
『なんかあった?』
一瞬、言葉詰まる。
その瞬間
浮かんだのは
泣きそうに笑う顔。
「……会いたかった」
赫 ) ……っ
駄目だ。
もう、誤魔化せねぇ。
赫 ) ……悪い
自分でも驚くくらい
低い声が出た。
『……え?』
赫 ) ……ちゃんと話したい
部屋の空気が
一気に重くなる。
赫 ) ……会えるか
言った瞬間
もう戻れない気がした。
待ち合わせ場所。
見慣れた駅前。
何回も来た場所のはずなのに
今日は妙に息苦しい。
赫 ) ……
スマホ握ったまま
小さく息吐く。
少しして
「……なつ?」
聞き慣れた声。
赫 ) ……あぁ
顔上げる。
婚約者 ) 急にどうしたの?
いつも通り笑ってる。
その顔見た瞬間
胸の奥が重くなった。
赫 ) ……
言わなきゃ。
ちゃんと。
自分で決めたんだろ。
婚約者 ) ……なつ?
赫 ) ……悪い
絞り出すみたいに言う。
赫 ) ……もう、無理かもしれねぇ
空気が止まる。
婚約者 ) ……え?
赫 ) ……他に、気になるやつができた
言った瞬間
喉が焼けるみたいに痛い。
婚約者 ) ……それ、本気?
赫 ) ……
すぐ答えられない。
でも
頭に浮かぶのは
たった一人だけだった。
『 なつ先輩 』
赫 ) 本気だ
小さく落ちた声。
婚約者 ) ……
少しの沈黙。
そのあと
婚約者が小さく笑う。
婚約者 ) ……そっか
怒るわけでもなく
泣くわけでもなく。
その反応が
逆に苦しい。
婚約者 ) 最近、変だと思ってた
赫 ) 悪い
婚約者 ) 最低
小さな声。
でも
否定できない。
赫 ) ……
婚約者 ) ちゃんと、幸せにしてあげなよ
赫 ) ……っ
その言葉が
思ったより深く刺さる。
婚約者 ) 中途半端が一番傷つくから
静かな声。
その瞬間
浮かんだのは
「期待、するから」
って言った茈の顔だった。
赫 ) ……
拳、強く握る。
もう
逃げられなかった。
婚約者 ) ……いつから?
小さく聞かれる。
赫 ) ……分かんねぇ
ほんとは
気づいてた。
初めて匂い感じた時から
もう、おかしくなってた。
でも
認めたくなかった。
赫 ) 気づいたら、もう無理だった
ぽつり、落ちた本音。
婚約者 ) ……そっか
少しだけ寂しそうに笑う。
胸が痛む。
こんな顔させたかったわけじゃない。
赫 ) ……悪い
それしか出てこない。
婚約者 ) 謝んないで
赫 ) ……
婚約者 ) 謝られる方が惨め
その言葉に
喉奥、ぎゅっと詰まる。
婚約者 ) でもさ
ふ、と視線上がる。
婚約者 ) そんな顔するくらい好きなんだね
赫 ) ……え
婚約者 ) 今までのなつ、そんな顔したことなかったから
心臓が跳ねる。
そんな顔。
自分じゃ分からない。
でも
浮かぶのは
泣きそうに笑う茈の顔だった。
赫 ) ……
婚約者 ) ちゃんと行ってあげなよ
優しい声。
赫 ) ……っ
胸の奥が痛い。
ほんとに、自分が一番最低だ。
婚約者 ) ただし
少しだけ真面目な声になる。
婚約者 ) 泣かせたら許さないから
赫 ) ……
一瞬、目開く。
そのあと
小さく笑ってしまった。
赫 ) ……怖ぇよ
婚約者 ) ふふ
少しだけ
空気が軽くなる。
でも
終わりは終わりだった。
婚約者 ) ……じゃあね、なつ
赫 ) ……あぁ
離れていく背中。
引き止める資格なんて、ない。
赫 ) ……
静かになった駅前。
でも
不思議なくらい
迷いは消えていた。
赫 ) ……行かなきゃな
ぽつり、零れる。
もう
誤魔化さない。
逃げない。
好きだって
ちゃんと伝える。
赫 ) ……待ってろよ
頭に浮かぶのは
たった一人だけだった。
放課後。
赫 ) ……
靴音だけが、静かな廊下に響く。
いつもなら、とっくに帰ってる時間。
なのに今日は
足が止まらない。
赫 ) ……どこだよ
小さく吐き捨てる。
探してる。
認めたくなくても
もう隠せないくらい必死に。
赫 ) ……は
自嘲みたいに笑う。
数日前までなら
こんな自分、想像もしてなかった。
誰か一人追いかけて
会いたくて
顔見れないだけで落ち着かなくなるなんて。
赫 ) ……重症すぎんだろ
でも
嫌じゃない。
むしろ
やっと分かった気がした。
自分が、欲しかったもの。
赫 ) ……
ふと、視線の先。
階段下。
小さく見えた背中。
赫 ) ……っ
一瞬で、心臓跳ねる。
見間違えるわけない。
赫 ) いるま ッ
名前呼んだ瞬間
その背中がびくっと揺れた。
茈 ) ……っ
振り返った顔。
目、見開いてる。
まるで、
ここにいると思ってなかったみたいに。
赫 ) ……やっと見つけた
息混じりに零れる。
茈 ) ……なんで
小さい声。
でも
少し震えてた。
赫 ) 探してたから
即答。
茈 ) ……っ
分かりやすく目逸らされる。
逃げようとした足。
でも
赫 ) ……待てよ
反射みたいに腕掴む。
茈 ) っ……
触れた瞬間
また心臓がうるさくなる。
でも今日は
離す気なんてなかった。
茈 ) ……やめてください
小さな声。
でも
前みたいな拒絶じゃない。
赫 ) 嫌だ
低く返す。
茈 ) ……っ
ぎゅっと唇噛む顔。
それだけで
胸の奥、苦しくなる。
赫 ) 話がある
茈 ) 自分はないです
すぐ返ってくる。
でも
逃げようとしない。
赫 ) 俺はある
少しだけ
掴む手に力入る。
赫 ) ……婚約、終わらせてきた
その瞬間。
茈 ) え ……
空気が止まる。
茈の目が
ゆっくり見開かれていく。
赫 ) ちゃんと話してきた
低く、でもはっきり言う。
赫 ) 中途半端なまま、お前んとこ行きたくなかった
茈 ) ……っ
息呑む音、聞こえた。
茈 ) ……なんで ッ
震える声。
茈 ) なんで、そこまで……
その顔が
泣きそうで。
赫 ) ……お前のせいだろ
ぽつり、落ちた声。
赫 ) お前のこと、離せなくなった
茈 ) ……っ
目、逸らされる。
でも
逃げない。
赫 ) もう誤魔化せねぇ
ゆっくり距離詰める。
茈 ) ……せんぱ
震えた声。
赫 ) ……逃げんな
前にも言った言葉。
でも
今度は意味が違う。
赫 ) 今度は、ちゃんと迎えに来た
その一言で。
茈の目から涙が落ちた。
コメント
1件
おお〜!赫side来たか〜!🔥 やっぱり赫視点だと、あの強面の内側がめちゃくちゃ動いててグッとくるわ。婚約者に「ちゃんと話したい」って切り出す場面、すごい重かった…。でもその覚悟が茈に向かってるのが伝わってきて、こっちもドキドキした。「やっと見つけた」からの展開、マジで胸熱だったし、ラストの涙にはやられた…💦 続き、絶対待ってるからね!📖✨